田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

札幌で育ち、札幌を考え、札幌を書く

2013-11-30 23:01:24 | 講演・講義・フォーラム等
東直己氏らしい、と言ってしまえばそれまでか? (と言いながら、私はそれほど東直己を知らないのだが…) 脱力感いっぱいのトークは多くの人を心地良い眠りに誘ったみたいだった。そんな脱力トークを楽しんだ。 

 11月23日(土)午後、札幌市生涯学習センター(通称:ちえりあ)で作家・東直己氏が「札幌で育ち、札幌を考え、札幌を書く」と題する講演会あった。
 「ちえりあ」というと、各種イベントは1階のホールが会場となるので今回もそうだろうと思って出かけたところ、6階の講堂が会場と知り、初めて「ちえりあ」の6階まで上がった。

               

 話の初めに東氏は「自分はあまり札幌にはこだわりはない」と述べた。聴いていた私は「あれっ?」と一瞬コケそうになった。ははぁ~ん、どうやら講演題は主催者が勝手に考えたもののようだ。
 東氏の作品の多くの舞台が札幌になっているのは、他のマチを知らないからだという。つまり彼にとって作品の舞台はどこであってもかまわない、と言いたげだった。

 彼は自分の生い立ちについて語った。講演題どおり、彼は札幌に生まれ、一時期を除いて札幌で育っている。そして小さなころから酒が大好きだったと…。何せ彼が通学した札幌東高はススキノの傍だったと言ってはばからないのだから…。
 そして大学に行く頃には立派な大酒呑みになっていたという。大学は最初に小樽商大に入ったが中退し、北大に入り直している。しかし、あまり大学には行かず、酒浸りの生活が続き北大も中退している。
 彼は人生で3度中退したと自分を語った。それは、小樽商大、北大、そして本郷通幼稚園だという。幼稚園の中退理由は聞き逃してしまった。

 北大を中退後は家庭教師などのアルバイトで生活をしていたが、やがてタウン誌の営業とライターの仕事を得、そこで文章を書くことも仕事の一つとなっていったようだ。そんな中で同人誌に書いた長編小説が注目され(これが「探偵はバーにいる」のようだ⇒私の推測)作家デビューとなったということだった。

            

 さて、話の後半は少しだけ作家らしい顔で語ってくれた。
 彼が言うには、札幌が小説の舞台として面白いのは「札幌の言葉」だという。札幌の言葉は階層によって使う言葉が違っていると東氏は言う。また、札幌と小樽の言葉も違いも面白いという。(この辺りが凡人との着眼点の違いなのかもしれない)。

 最後は、映画「探偵はBARにいる」の一作目、二作目にチョイ役で出演したエピソードを語って会場を笑いに誘った。

 会場がやや暗いうえ、東氏の話し方が抑揚なく呟くような声で話すものだから、会場内では心地良い眠りに誘われていた人が少なからずいたようであった。
 睡魔になんとか負けずに聴いた私だったが、このところシリアスなテーマの講演・講座が多かったので、たまあにはこうした脱力感いっぱいの話もいいものだなあ…、と思いながら会場を後にしたのだった。