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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

ケニア・マサイ族の新たな挑戦

2014-03-27 16:59:10 | 講演・講義・フォーラム等
 伝統的なマサイ族の生活様式を守りつつも、環境の変化に対応し、部族を守ろうと模索し続けるケニア・マサイ族のリーダーを務める男性と、そこへ嫁いだ日本人妻の新たなる取り組みを聞いた。 

 3月15日(土)午後、札幌国際プラザにおいて北海道ユニセフ協会20周年事業講演会としてマサイ族のジャクソン・オレナレイヨ・セイヨさん、その奥さんの永松真紀さん、そしてケニアでフリーのライターをしながらスラム住民の支援活動を続ける早川千晶さんの三人を招いての講演会が開催された。テーマは「ケニア・マサイ族の新たな挑戦~この地球と子どもたちの未来を語ろう~」だった。

          
          ※ ケニア・ナイロビでの活動について語る早川千昌さんです。

 講演は最初に早川千晶さんがケニア・ナイロビ最大級のスラム街で孤児・ストリートチルドレン・貧困児童のための寺子屋「マゴソスクール」の運営状況について話された。スクールは2005年児童数24人から始めて、今では500人を超える児童が学んでいるという。卒業生の中にはその後運営スタッフに加わった者もいて手応えを感じているとのことだった。

          
          ※ マサイ族の生活について語るジャクソンさんと永松真紀さんです。

 続いて民族衣装をまとったジャクソンさんと、ケニアで添乗員を務めていてジャクソンさんのところへ嫁いだ永松真紀さんが登場し、マサイ族の生活などについて話された。
 私たちにとっては非常に興味あるマサイ族の生活の様子がたくさん話されたのだが、その中から特に印象的な事柄をいくつか紹介する。
 まず、マサイ族の主食が牛乳だというのには驚いた。成人男性で一日に実に5~6リットル飲むという。その他には家畜の肉と牛の血が主な食事であり、野菜などは手に入らないこともあり摂らないということだ。

 マサイ族の生活は牛と共に生きる牧畜民族で、一家で数百頭の牛を飼育しているそうだ。そしてマサイ族の男たちは牛とコミュニケーションが取れるという。ジャクソンさんが実際に口笛を自在に吹いてその実例を示してくれた。

 また、マサイ族の男たちは一生を4つのステージに分けて生きるという。その4つとは、第一期が少年の時代、第二期が戦士の時代(修業の時代)、第三期が成人の時代、そして第四期が長老の時代、だという。長老は部族の生活の全てに長じており、伝統儀式を司る存在で、部族の皆から尊敬されているという。

 そうした伝統的な牧畜生活、そして伝統儀式を守ってきたマサイ族だが、人口の爆発的増加による放牧地の減少、天候の不順など、環境の変化が彼らの生活に影響を及ぼし始めているという。
 そこでジャクソンさんたちは、マサイ族にも教育が必要との認識に立ち学校づくりに努めているということだ。他部族にも呼びかけ、順調に学校が運営できているようだ。

 また、永松真紀さんのキャリアを生かして、マサイ族の生活を体験できるツアーを実施して、マサイ族に対する理解を図ると共に、生活の安定化を目ざしているということだった。
 彼らの今回の講演会の目的は、一人でも多くの日本人がケニアを訪れてケニア、並びにマサイ族の実態を理解してほしいということだったようだ。

          
          ※ 会場からの質問に答える三人の方々です。

 それにしても今回も日本の女性の逞しさを見た思いだった。早川さんも、永松さんもケニア滞在20年を超え、片や早川さんはスラム住民の生活向上のために活躍し、一方の永松さんはなんとマサイ族に嫁いでしまうという積極さである。しかも、二人ともその生活を心から楽しんでいることを窺わせてくれるところが素晴らしいと思った…。