田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

奄美群島巡りを終えて 10

2014-03-14 20:07:48 | 道外の旅

Photo at 徳之島 

 徳之島は今回の旅した島の中では見どころがたくさんあった島だったのではと振り返っている。すでにレポートし終えた西郷隆盛関連を除いても、載せる写真を絞るのに悩まされた私だった。 

 2月27日(木)徳之島をレンタバイクで一周した。
 この日も天候はけっして良くなかったが、幸い雨に見舞われることなく一周することができた。

 フェリーを降りて、港から街に入ってきてまず目に入ったのが「徳洲会病院」の大きな建物だった。今回、奄美群島のどの島を訪れても徳洲会病院の大きな建物が目立ち、少なくともこれらの島の人たちは、他の島々に比べて医療面では恵まれているのではないかと思われたのだが…。

          

 徳之島町の中心街の亀津地区のとなりの集落の井之川地区には、この集落出身の大相撲第46代横綱朝潮太郎記念像が立っていた。朝潮というと、太い眉と胸毛に特長があった人気力士だったことをおぼろげながらに記憶している。

          

 その朝潮像が立っている同じ公園に、これもこの島出身のコメディアン八波むと志さんの記念碑も立てられていた。その碑文が素敵に思ったので紹介してみたい。「南国に生まれ 情熱に死す 喜劇に生き 悲劇に死す いまは生きるか 珊瑚礁の花」というものだ。

          

 井之川地区からはひなびた印象の海岸線をひたすら走った。そして島の北端に位置する金見崎にある「ソテツトンネル」を見た。頭上を覆いつくすように林立するソテツの木が見事だった。

          

 さらに島の北端の道路を行くのだが、路傍のところどころに「実業団陸上部練習コース」という表示と共にキロ数が表記されていた。あのマラソンランナー高橋尚子も練習したコースである。
 この道路をバイクで走ってみて「なるほど」と思った。それは道路が適度なアップダウンになっていることと、交通量が少ないという利点を感じた。もちろん気候も適しているだろうし、一周31キロの周回コースがとれるのも選定された理由のように思われた。

          

 そこから島の北端部分を西に走り、島の北西端の浜にある「ムシロ瀬」という面白い形をした岩石が露出しているところを見た。岩石に縦横に切れ目が入り、まるでムシロを並べたように見えるためそうした名前が付けられたと説明板には記されていた。

          

  
 そして行ったり来たりと迷ってしまったのだが、シドニーオリンピック女子マラソン金メダリストの高橋尚子選手が練習コースとして利用したことを記念する「尚子ロード」の顕彰碑が道路脇に立っていた。

          

 その後、松原地区に入り、この島の名物でもある闘牛が行われる「松原闘牛場」にいたった。円形の闘牛場は小規模ながら観覧席も完備し、闘牛の開催日には相当に賑わうのではと想像されたが、私が訪れたときはもちろん閑散とした感じだった。

          

 続いて、「西郷南洲顕彰碑」、「西郷南洲上陸記念碑」(写真は省略)を通り、「犬之門蓋(インノジョウフタ)」という奇岩が聳え立つ海岸に立った。奇岩に東シナ海の荒波がぶつかって砕け散る様が壮観だった。

          

          

 そこから島の南側の道路をしばらく走った後、「戦艦大和慰霊碑」を見るため脇道を入り、犬田布岬を目ざした。犬田布岬は島の中でも少し東シナ海に向かい突き出したような位置に立っているのだが、慰霊碑はその東シナ海に向かい無念の叫びを発しているようにも思えた。

          

 続いては、当時世界一長寿を誇った「泉重千代翁の像」を目ざしたのだが、内陸部にあるために狭い道を走り、なんとか辿りつくことができた。享年120歳ということだが、銅像は泉さんの生家の横に立っていた。泉翁は長生きの秘訣を「お天とう様任せの生き方」と「ほうらいの心」と語っていたそうである。「ほうらい」とは奄美方言で「うれしい」という意味だそうである。

          

 泉さんの銅像のあるところから、再び県道が走る海沿いに近い道を走った。
 この頃になると、陽はかなり西に傾いていたが、ゴールの亀津地区も近くなってきた。
 その道路沿いに黒光りのする牛の像が立派な四阿風の建物の中に納まっているのが目に入った。それはどうやら公の施設ではなく、島内の闘牛大会で優秀な成績を収めた闘牛のオーナーがその活躍を記念して個人として建設した施設のようだった。徳之島における闘牛の存在の大きさを見た思いだった。

          

 最後に、魚津地区にある「ドーム闘牛場」に向かった。この施設も少し内陸部に入った少し小高いところにあったのだが、どうやら伊藤観光という会社が経営する闘牛場のようで、ちょっと寂れた感があったのが残念だった。

          

 最後にサービスショット(?)を!
 そのドーム闘牛場を目ざして坂を上っているときだった。路上に見慣れぬものが目に入った。「スワッ!コブラでは!?」と一瞬驚いた。しばらく行き過ぎてから、恐る恐る引き返した。すると、なぁ~んとそれは、何か(自転車か?)のタイヤを引き裂いたものだった。 人騒がせな!! いや、人騒がせと思ったのは私だけなのかもしれない…。

          

 というわけで、徳之島を一周してきた。小さな島ながらけっこう見どころの多い島と思ったが、バイクを借りたレンタ店の店主は「自分は20年もこの島で生活しているが、島のどこにも行ったことがないなぁ…」と語っていた。
 島の人にとっては、どうしても島の外に目を向けることが多いのだろうか??