田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

中国の恋愛・結婚事情

2014-03-23 21:03:33 | 講演・講義・フォーラム等
 中国の恋愛・結婚事情を聞いてみると、かなり日本の事情と似通っている部分が多いように思われた。しかし、そこには中国独特の風習や考え方もあり、興味深く話をうかがった。 

 昨日のレポートと同じく、札幌国際プラザが開催する外国を知るセミナーの一環として、3月6日(木)夜、「中国を知るセミナー」が開催され受講した。
 講師は2011年から札幌国際交流員を務め、この3月で帰国するという中国人の賀小雲(ガ ショウウン)さんが「中国の若者の恋愛・結婚事情」と題して話された。

          

 賀小雲さんが上海で生まれ、育ったことから、事情は上海の比較的恵まれた層の事情というように理解して話を聞いた。
 中国においても日本同様、近年は晩婚化が進行しているようである。
 賀さんは話の冒頭で一つの写真を提示した。それは公園などの人が多く集まる場所に張り出された未婚男女の自己PRの貼り紙だった。今流に言えば「婚活シート」ということだ。そこには身長、出身地、学歴、年収などさまざまなことが書かれているらしいが、熱心なのは我が子が適齢期を迎えた両親だということだ。

 中国には結婚などに関する諺(?)がけっこう多いようだ。例えば「男大当婚、女大当婚」という言葉があるという。これは「男性も、女性も結婚適齢期になれば結婚すべき」という意味ということだが、中国では結婚適齢期になるとそれなりのプレッシャーを受けているということだろうか?
 さて、その適齢期であるが、中国では男性22歳、女性20歳で結婚可能となるようだ。実際の平均結婚年齢は2010年調べで男性26.7歳、女性24.9歳だそうだが、中国でも年々晩婚化が進んでいるということだ。

 相手に求める希望条件は、男性が①性格、②容姿、③品性・教養の順ということだが、対して女性は①性格、②能力、③品性・教養の順ということで、このあたりは日本とあまり違いはないのかな、と思ったところだ。

 写真と共に話を聞いていて、結婚披露宴の様子がやや派手かな?という印象があったが、そのあたりも近年は事情が変わってきているということだった。そのことを表すいろいろな言葉が中国内にはあるということだが、その一端を紹介すると…、
 ◇裸婚 ~ 結婚のセレモニーは何もなく、結婚証明書だけの結婚をいう。
 ◇試婚 ~ 同棲のことを指す。
 ◇卒婚 ~ 大学生が卒業と同時に結婚すること。
 ◇素婚 ~ シンプルで安上がりな結婚式・披露宴をすること。
 ◇痩婚 ~ 贅沢婚と裸婚の昼間の結婚式の形を指す。
 ◇旅婚 ~ 旅行結婚(新婚旅行=結婚という形か?)若者に大人気だという。
 ◇隠婚 ~ 結婚を周囲に明かさない形をいう。
 ◇併婚 ~ 結婚式を共同で挙げたり、結婚に必要なものを共同で購入したりすることを言う。

 こうした言葉を聞いていると、日本の結婚事情と似ている部分がけっこう多いことに気づく。つまり、中国の近代化が急速に進み、伝統的な結婚観が崩れつつあるのかな、という印象をもった。
 最後に賀さんは中国の晩婚化が進む一因に中国人の結婚観を表す次のような言葉を紹介された。それは「下娶上嫁」という言葉だ。その意味するところは、「男性は自分よりも条件が劣る女性を妻として選ぶ傾向があり、女性も自分よりも条件が上の男性を選びたがる」ことだという。このことは、学歴などがあり優秀な女性、反対に社会的に劣ると見られる男性には結婚のチャンスがなかなかないということだ。

 日本においても晩婚化、未婚化が進んでいるが、お隣中国においても、ことこの問題に関しては同じ悩みを抱えているということのようだ…。