田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

田舎暮らしを考えるフォーラム in 札幌

2016-03-01 19:02:52 | 講演・講義・フォーラム等
 退職後に札幌に移住してきた私が、これから田舎暮らしを考えているわけではない。しかし、北海道の中で元気なマチづくりをしていると聞こえる上士幌町の主催とあって、どのようなマチづくりが行われているのか興味があって参加してみた。 

                  
            ※ フォーラムの特別ゲストとして登場した札幌に移住した女優の千堂あきほさんです。
            
 2月28日(日)午後、ガーデンパレスにおいて「十勝・上士幌町から 田舎暮らしを考えるフォーラム in 札幌」が上士幌町の主催で開催され、参加した。
 会場は非常に広く、移住に興味を持つ人がそんなにいるのか?と思われたが、ほぼ席は埋まってしまう盛況だった。まあ、私のような動機の者も含まれていたと思われるが…。
 また、会場後方には、上士幌町を紹介するポスターセッションや、移住相談コーナー、ふるさと納税申請コーナー、士幌町物産即売コーナーなどが設けられ、士幌町の役場職員などが忙しく立ち働いていた。

 フォーラムは、最初に「住みたくなる町 上士幌」と題する短いビデオ上映から始まった。専門の制作会社が制作したビデオだと思われるが、上士幌町が非常に魅力的に描かれていた。子育て、教育、介護などの充実を謳い、移住者たちの幸せそうな表情が映し出されていた。

            

 続いて、北海道に移住した女優の千堂あきほさんの「移住して気がついた北海道暮らしの魅力」と題するトークショーが、アナウンサーの質問に答える形で進められた。
 若い頃を東京で過ごし、結婚によって兵庫県で暮らしていた千堂さんが二人目の出産を機に義父母の住む札幌に移住してきたということだ。話は北海道生活の礼賛に終始した感があったが、若干の違和感が残った。というのは、はたして札幌は田舎か?というそもそも論である。
 今回の趣旨は、札幌のような都会から、上士幌町のような田舎に移住しませんか?というのがフォーラムの趣旨であったのだから、その人選に疑問符を打たざるを得なかった。千堂さんから訊くお話は、北海道に移り住んだ人から聞くステレオタイプの話を聞いた思いだった。

            

 続いて、4氏が登壇して「田舎暮らしを考えてみませんか?」と題したパネルディスカッションが行われた。
 登壇者は、気象予報士の菅井貴子さん、ファイナンシャルプランナーの小林信之さん、上士幌町移住者の草野愛子さん、そして上士幌町長の竹中貢さんの4人とコーディネーターとして道新帯広支社長の日浅尚子さんが務めた。
 ここでの各氏の発言も基本的に田舎暮らしの良さをさまざまな角度から語り、田舎暮らしを勧めるものだったことは、フォーラムの趣旨からいって当然だろう。

 菅井さんは気象予報士らしく、上士幌町を気候の面からあれこれ語った。その中でも、上士幌町は日照時間が長く、降雪量は少なく、全国一風が弱い地域だと語り、「気温的には寒いのに、寒くないマチ」と称した。

 小林さんは上士幌町民の平均年収は高くないが、子育て、教育、介護などの支援制度が充実しているので、暮らしやすいマチと紹介した。

 草野さんは都会から移り住んで、土や空気の匂い、空の大きさなどに感動していると語り、彼女もまた気温は低くても温かいマチと称した。
 そして竹中町長は各種支援制度の充実を語り、将来のさらなる住み易さを目ざしていると自信たっぷりに語った。

 町の紹介ビデオやパネルディスカッションを聞いて、あるいは参加者の中に、心を動かされた方が少なからずいたのではとも思わされた。

 さて、都会暮らしが良いのか、田舎暮らしが良いのか、私はこのことについて二項対立的には考えたくない。人はそれぞれに価値観を持ち、自らの思い、自ら置かれた環境の中でベストの選択をすべきだろう、と考えるからである。
 私は学生時代を除き、ずーっと田舎暮らしをしてきて、退職と同時に札幌に移り住んだ。そのことを私自身は後悔してはいないし、選択した場で人生を楽しめていると思っている。
この問いに関しては、人それぞれが自ら定めたマチで豊かに過ごすことができていれば、そこがその人にとっては最も最適な処である、と言えるのではないだろうか。