奈井江大橋 ⇒ 於札内 トレッキング月日 ’16/03/06
午後からは雨が本格的になってきた。雨とスノーシューの裏に付く湿雪に悩まされながらの二重苦のトレッキングなった。しかし、このような時は先を焦らず、ただひたすらに、黙々と前へ進むことが肝心、と自分に言い聞かせながら進んだ。
ランチタイムを終え、石狩川沿いの灌木の間を黙々と進んだ。この日はあまり困難な灌木地帯もなく、コース的には割合スムースに進むことができた。しかし、中には灌木が横倒しになっていて、どのようにコースを取るのが良いか迷うところもあった。
※ この日のコースは困難なところは少なかったが、中には写真のようにどのように進むか迷う所もありました。
また、恐れていた掘割もそれほど遭遇せず、小さな掘割はまだ水面を覆っているところをそのまま渡ることができた。
ただ、付き雪の方は相変わらずで、酷い時には雪が団子状態でスノーシューにくっ付き、その重さに辟易しながらのトレッキングが続いた。
雨の方は本格的になったとはいえ、強い降りではないので、レインウェアが十分機能し、眼鏡が曇るくらいでそれほど気にはならなかった。
再スタートから1時間強を過ぎたころ、向こう岸に石狩川に注ぐ「豊沼奈江川」の河口が見えた。
さらにその向こうには、赤白の高い煙突が見えた。マップからは砂川発電所の煙突ではないかと思えた。
※ 写真中央部、奥まっているところが豊沼奈江川の河口です。
※ 対岸には砂川発電所のものと思われる高い煙突も見えました。
そしてさらに30分後、この日の中では最も大きな掘割になる「於札内川」に遭遇した。
ここは石狩川に注ぐ雪解け水の量を見ただけで、渡礁は無理と判断した。
於札内川の上流に向かってのトレッキングとなった。と云っても7~800mも遡れば堤防があり、川を超えることができる。ところが500mほど遡ったころで立木が川を跨ぐように横たわっているところがあった。少しでも距離は短い方が良い。私は慎重にその上を渡った。
※ 石狩川に流入する直前の於札内川の様子です。これではとても渡れません。
※ 上流へ向かうと写真のようなところがあったので、慎重に渡りました。
スノーシューの付き雪の影響もあって、両腿(大腿部)は絶えず痛むため、スピードはまったく上がらない。痛みを騙し騙しのトレッキングとなってしまった。
於札内川を越えて、再び石狩川河岸を目ざしていると、川沿いに大きな構造物が現れた。何だろうと近寄ってみると、そこに「浦臼取入揚水機場」と書かれた銘板がはめ込まれていた。こうした施設が河岸のところどころで見られるが、こうした施設が空知を一大米作地帯にしているのだろう。
※ このような構造物が河岸にポツンと建っていると、ちょっと異様にも感じます。
※ その構造物にはめ込まれていた銘板です。
※ この日最後の石狩川の流れの様子です。
そこを通過したと思ったら、またまた掘割が現れた。マップを見ると「樺戸境川」となっていた。大して大きな流れではないので、どこかに渡れるところはないかと探しながら遡ったのだが、どこにもそうしたところは見当たらず、結局堤防まで約500m遡らねばならなかった。
堤防上から樺戸境川を渡って、間もなく行ったところがこの日のゴール予定地点の於札内南18号線だった。
※ 樺戸境川の流れを調節する樋門です。私はこの建物を巻いて進みました。
※ いつもの儀式。堤防を越え、取り付け道路に出たところでスノーシューを脱ぎました。
15時ちょうど、堤防を乗り越え、取り付け道路のところでスノーシューを脱いだ。
この日のトレッキングは、これで終わりではなかった。
この地点から、宿を予約した「浦臼町休養村センター」までは、およそ4キロの路上トレッキングが待っていた。
スノーシューを脱ぐと、それまでの両腿の痛みはまったく感ずることなく、スムースに歩を進めることができたが、雨の中、車の水しぶきを避けながらのトレッキングはけっして愉快なトレッキングではなかった。
16時10分、ようやく「浦臼町休養村センター」に到着した。
※ 宿泊した「浦臼町休養村センター」の外観です。
my Tracksの軌跡を確認すると、この日は浦臼の地域をほぼ一周するような軌跡になった。というのも、この辺りでは「浦臼町休養村センター」が唯一の宿のため、私はこの日スタートした奈井江大橋からごく近くの休養村センターまで戻って宿泊することになってしまったためである。
休養村センターは、温泉宿としても名が知られているところである。春の雨に濡れた私は宿の温泉にゆっくり浸かって疲れを癒したのだった…。
あるアドベンチャーレーサーの言葉
今日、撮り貯めておいたアドベンチャーレースの録画を観賞した。レース名は「アドベンチャーㇾシングワールドチャンピオンシップ」ブラジル・パンタナール大会である。
ブラジルのパンタナール湿原660キロを8日間かけて水上と陸上を駆け抜ける過酷なレースである。その参加者の一人、ニュージーランド出身の女医であるソフィー・ハート選手が次のように語っていたのが印象的だったので紹介したい。
すべてがきついことだらけ
でもこんな素敵な経験って他にはないわ
日常の嫌なことが忘れられるの
目の前の山をどう登るかや次に何を食べ、いつ寝るか
それ以外は考えないから とてもリラックスできるの
特にレース後のシャワーとコーヒーは最高ね
誰が何と云おうと、自分自身が充たされることこそ最も大切なことだ、と彼女は云っていると私は受け止めた。