今回の熊野古道を訪れる旅は、トレッキングと共に観光的な要素もかなり盛り込んだものとなった。トレッキングの不安はよそに、観光的な側面にスポットを当ててみる。
※ 「熊野三山」の一つ「熊野速玉大社」です。
今日は一日中、何もしなかった。体力づくりのための藻岩山登山もしないことにした。いまさらジタバタしても、との思いが私を支配し始めた。厳しい山坂が連続する熊野古道トレッキングの準備としては褒められたものではないが、こうなったからにはこれまで培った己の体力を信ずるだけである。
今日はその他のスケジュールもあったのだが、全てキャンセルした。そして一日中、旅の準備をしたり、旅先のことを調べたりすることに費やした。
さて、今回の旅で観光的に側面から見ると、まずは「熊野三山」といわれる三つの大社を訪ねることである。
それぞれの大社には、多くの社殿が並んでおり(三つの大社には全部で15の社殿があるようだ)、それぞれに意味がある神々が祀られているようである。私はガイドブック持参で、その社殿の前に立った時に、その意味を少しでも理解しながら参拝したいと考えている。
その中で「熊野那智大社」には、三本足の伝説の鳥「八咫烏」の伝説が伝わる神社である。境内には烏石が祀られているというのでぜひチェックしたい。この「八咫烏」は日本サッカー協会の協会旗としても知られている鳥である。
熊野三山の後は、「伊勢神宮」で半日間遊ぼうと予定している。
伊勢神宮については言わずもがなであるが、江戸時代、人々は一生に一度は参拝したいと願った、いわば日本人の心の故郷とも云えるところである。
今の日本人にとって江戸の人たちのような憧れはなくとも、やはり一人の日本人として近くへ行ったからには訪れてみたいと思った。深い意味は分からないが、外宮、内宮を一巡りしながら、江戸の人たちに思いを馳せてみたいと思う。
※ 伊勢神宮の「外宮」です。
※こちらは、伊勢神宮の「内宮」にある御正殿だそうです。
最後は、名古屋である。名古屋と云えば、「観るべきところがない」とよく言われる。私も大して興味を抱くところはないのだが、日本の大都会の一つである。たった一日だが、名古屋城、熱田神宮、徳川園など主なところチェックしてくるつもりだ。名古屋観光では一二の人気を争う「トヨタ産業技術記念館」が月曜休館のため入館できないのが残念である。
それより、名古屋と云ったら「名古屋メシ」である。独特の濃い味付けの「味噌カツ」、「味噌煮込みうどん」、「ひつまぶし」などを堪能してみたい。さらに、これも名古屋独特の喫茶店のモーニングもぜひ体験してみたいと思っている。
というのが、今回の私の7泊8日の旅の全貌である。
旅の前半は「古の旅人」を装っているが、最後はなんともミーハーな観光客に成り果てそうである。
孤独を楽しみ、古に思いを馳せ、名古屋メシに舌鼓を打つ旅に間もなく出発である。