野幌森林公園は平成16年9月の台風で大きな被害を受けた。それから10年余、被害を受けた森林は確実に再生の道を辿っているという。さまざまな分野の専門家がモニタリング調査の結果を報告した。
※ 平成16年9
月の台風で木々がなぎ倒された野幌森林公園の様子です。
12月4日(日)午後、北海道博物館において、野幌森林公園を管理する北海道森林管理局の主催による「フォーラム『野幌森林公園の今』~10年間の動植物調査でわかったこと~」と題したフォーラムが開催され、専門家たちの報告に耳を傾けた。
報告者を報告テーマとともに紹介すると次の通りである。
◇「土から森を語る」 春木 雅寛(北大総合博物館 研究員)
◇「野幌の外来植物の断層」 村野 紀雄(元酪農学園大学教授)
◇「野幌森林公園、10年間のオサムシ科甲虫類相の変化」
堀 繁久(北海道博物館 学芸主幹)
◇「森の分解者としてのキノコの種組成を調べる」
宮本 敏澄(北大大学院農学研究院 講師)
◇「どんな変化があったのか-10年間にわたる野生生物の調査から」
平川 浩文(森林総合研究所 研究専門員)
※ 各氏がそれぞれ報告をした後、全員が登壇してのパネルディスカッションが行われました。
配布されたパンフレットによると、野幌森林公園は広さ2,000ヘクタールという世界的にも例を見ない大規模な都市近郊林だそうだ。その公園林が平成16年の台風18号により、77ヘクタールに大きな被害が発生したという。
そこで管理する北海道森林管理局では直ちに「野幌森林再生プロジェクト」を開始したそうだ。再生プロジェクトは、失った森林の植樹をするとともに、森林内の多くのポイントにおいて動植物の再生の様子をモニタリングする調査を行ったという。
この日は、そのモニタリング調査の結果の報告会といった趣きのものだった。
専門的な詳しいことは素人が生かじりの理解で報告すべきではないと思う。
各氏の報告を総じてまとめると、次のようになろうか。
森林再生の第1段階は、台風直後は樹木が倒されて森の空間が広がったところに、光を好む昆虫や菌類が多く見られたそうだ。また、植樹した木は陽光を浴び順調に成長していることが確かめられたようだ。
第2段階として、台風被害地に、倒れた木や種子から芽を出し、成長した木が多くみられるようになってきた。と同時にそれほど光を好まない森林性の昆虫が見られるようになってきたという。また、野生生物についてはキツネ、タヌキ、アライグマ、といった哺乳類が目立ってきているという。
現在の森林の様子は、この第2段階から第3段階に移る過渡期のようである。
そして第3段階になると、植栽した木や自然に生えた木が多くみられるようになり、樹高も高くなってくるという。そのため森林を好む昆虫が中心となり、菌類にも台風直後とは違った種類の菌が目立つようになり、森林としてはかなり以前の姿に近づいた様相になるという。
※ 会場の様子です。野幌森林公園についての関心の高さがうかがえる参加者数でした。
実際にはそれぞれの報告者からもっと詳しい報告があったのだが、あやふやなメモや記憶による記述は避けたいと思うが、台風被害にあった野幌森林公園は確実に再生の道を歩んでいるようだ。
ただ、北海道の自然の中にはいてはならないアライグマが目立ったり、将来はシカが進出してきたりすることが懸念されている。
また、外来植物の繁茂や人が持ち込む種もあり、都市近郊林としての悩みもあるようだ。
こうしたことが野幌森林公園の森林生態系に影響することが心配されると研究者たちは語っていた。
私も年に何度かは野幌森林公園にお邪魔することがある。
野幌森林公園が世界にも例を見ない大規模な都市近郊林ということを聞き、これからもその恩恵を享受したいと思う。そのためにも野幌森林公園の自然を護るために私ができることがあれば協力していきたいとも思う。
※ 平成16年9
月の台風で木々がなぎ倒された野幌森林公園の様子です。
12月4日(日)午後、北海道博物館において、野幌森林公園を管理する北海道森林管理局の主催による「フォーラム『野幌森林公園の今』~10年間の動植物調査でわかったこと~」と題したフォーラムが開催され、専門家たちの報告に耳を傾けた。
報告者を報告テーマとともに紹介すると次の通りである。
◇「土から森を語る」 春木 雅寛(北大総合博物館 研究員)
◇「野幌の外来植物の断層」 村野 紀雄(元酪農学園大学教授)
◇「野幌森林公園、10年間のオサムシ科甲虫類相の変化」
堀 繁久(北海道博物館 学芸主幹)
◇「森の分解者としてのキノコの種組成を調べる」
宮本 敏澄(北大大学院農学研究院 講師)
◇「どんな変化があったのか-10年間にわたる野生生物の調査から」
平川 浩文(森林総合研究所 研究専門員)
※ 各氏がそれぞれ報告をした後、全員が登壇してのパネルディスカッションが行われました。
配布されたパンフレットによると、野幌森林公園は広さ2,000ヘクタールという世界的にも例を見ない大規模な都市近郊林だそうだ。その公園林が平成16年の台風18号により、77ヘクタールに大きな被害が発生したという。
そこで管理する北海道森林管理局では直ちに「野幌森林再生プロジェクト」を開始したそうだ。再生プロジェクトは、失った森林の植樹をするとともに、森林内の多くのポイントにおいて動植物の再生の様子をモニタリングする調査を行ったという。
この日は、そのモニタリング調査の結果の報告会といった趣きのものだった。
専門的な詳しいことは素人が生かじりの理解で報告すべきではないと思う。
各氏の報告を総じてまとめると、次のようになろうか。
森林再生の第1段階は、台風直後は樹木が倒されて森の空間が広がったところに、光を好む昆虫や菌類が多く見られたそうだ。また、植樹した木は陽光を浴び順調に成長していることが確かめられたようだ。
第2段階として、台風被害地に、倒れた木や種子から芽を出し、成長した木が多くみられるようになってきた。と同時にそれほど光を好まない森林性の昆虫が見られるようになってきたという。また、野生生物についてはキツネ、タヌキ、アライグマ、といった哺乳類が目立ってきているという。
現在の森林の様子は、この第2段階から第3段階に移る過渡期のようである。
そして第3段階になると、植栽した木や自然に生えた木が多くみられるようになり、樹高も高くなってくるという。そのため森林を好む昆虫が中心となり、菌類にも台風直後とは違った種類の菌が目立つようになり、森林としてはかなり以前の姿に近づいた様相になるという。
※ 会場の様子です。野幌森林公園についての関心の高さがうかがえる参加者数でした。
実際にはそれぞれの報告者からもっと詳しい報告があったのだが、あやふやなメモや記憶による記述は避けたいと思うが、台風被害にあった野幌森林公園は確実に再生の道を歩んでいるようだ。
ただ、北海道の自然の中にはいてはならないアライグマが目立ったり、将来はシカが進出してきたりすることが懸念されている。
また、外来植物の繁茂や人が持ち込む種もあり、都市近郊林としての悩みもあるようだ。
こうしたことが野幌森林公園の森林生態系に影響することが心配されると研究者たちは語っていた。
私も年に何度かは野幌森林公園にお邪魔することがある。
野幌森林公園が世界にも例を見ない大規模な都市近郊林ということを聞き、これからもその恩恵を享受したいと思う。そのためにも野幌森林公園の自然を護るために私ができることがあれば協力していきたいとも思う。