史実をもとにして制作された映画だそうである。太平洋戦争終結後5ヵ月、イギリス空軍の輸送機「ダコタ」が佐渡島に不時着した。その際の島民たちと飛行機の乗員との交流、そして不時着機を再び飛び立たせようと力を合わせる島民たちの姿を描いた感動的な映画である。
※ 映画タイトルの前にナンバーリングを付けた。この数字は私が2007年に札幌に転居後に観た映画の通算の数である。「映画は最高のエンターテイメント」と考える私にとって、これからも有料・無料にかかわらずできるだけ映画を観ていこうと思っている。
7月11日(木)午前、久しぶりに札幌市生涯学習センターの「ちえりあ映画会」に参加した。今回取り上げられた映画は、2013年に制作・公開された「飛べ!ダコタ」という映画だった。
リード文で紹介したように、映画は実際にあった話題を題材として制作されたもので、タイに現存していた飛行機(ダコタ DC-3)を佐渡島に移送してロケを行ったそうである。
映画は虚実(おそらく)織り交ぜて数々のエピソードが挿入されながら進行する。その底流にあるのは日本人の優しさ、佐渡島人の人の好さが流れていた。不時着した浜の村長が「困っている者を助けるのが佐渡の者(もん)だ」という言葉に日本人の良さを感ずる。何せあの大戦争での敗戦から5ヵ月しか経っていない時の言葉であるから、その心根を同じ日本人として誇らしく思う。
映画は滑走路のない佐渡島で島民が力を合わせて浜に石を敷き詰めて500メートルもの滑走路を造り、再び飛び立たせた。
主演は村長の娘役を演ずる比嘉愛未という沖縄出身の女優さんであるが、彼女の恋人(窪田正孝)は軍隊に行き足を失くしてしまう。その彼が「戦争中、足を失くして、もう戦争にはいかなくて済む、そんなことを悦ぶ時代にはもう戻りたくない…」というセリフには泣かされた。
この映画は、声高には叫ばないものの戦争の悲惨さ、愚かさを静かに訴える映画でもあった…。