田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

夕張市の再生への挑戦

2019-07-27 18:52:41 | 講演・講義・フォーラム等

 夕張市が2007年、市の財政破綻により財政再生団体に指定されことは全国に知られたことである。そこからの再建を目指す営みについてはメディアがしばしば伝えられてきたが、このほど夕張市を訪れる機会があり、その実態を一端を知ることができた。

  7月24日(水)、「いしかり市民カレッジ」が主催する現地学習「夕張を訪ねて」に参加した。行程は石狩市からバスで夕張市に向かい、①夕張市役所、②石炭博物館、③夕張メロン共同選果場、と巡るものだった。

 「夕張市役所」においては、夕張市職員から夕張市の概要や財政再生の取り組みの状況についてお話を伺った。夕張市の再生については前夕張市長の鈴木氏がその発信力を駆使してメディアに頻繁に登場することで私たちにもその様子が伝わっていたが、縮小する市の規模にあったコンパクトシティの建設が着実に進んでいることがうかがえた。借財の方も平成38年の負債額解消を目途に着実に返済されているようである。

           

          ※ 夕張市庁舎は4階建ての立派なものだったが、中へ入ると寂しさが漂っていた。

 続いて、今年4月に模擬坑道火災に遭った「夕張市石炭博物館」を訪れた。石炭博物館は夕張市にとってはいわば負の遺産ではあるが、反対に夕張市観光にとっては大きな観光資源でもある。今回、模擬坑道はもちろん立ち入ることはできなかったが、博物館スタッフの対応が以前と比べると格段に丁寧になっていたのが印象的だった。博物館にとって最大の呼び物である模擬坑道を公開することができないというデメリットを克服しようとするスタッフの真剣さがうかがえた。

          

          ※ 夕張石炭博物館の外観です。

           

          ※ 採炭の様子が時代ごとに展示されていたが、最も初期の採炭の様子です。

 最後は、夕張市の名を全国にとどろかせる「夕張メロンの共同選果場」を訪れる機会を得た。選果場では資格のある検査員が一つ一つ手に取りながら「特秀」、「秀」、「優」、「良」と瞬時に峻別していた。(なお、夕張メロンは6段階の評価があって、標記した上位4段階が夕張農協の「共撰認定」として出荷しているということだ。その他には「個撰」、「規格外」という評価があるという)私が見ていたところでは「秀」と「優」の評価がほとんどだった。「特秀」の出現率は全体の1%以下ということで残念ながら見ることはできなかった。夕張メロン栽培農家は現在120戸余りだそうだが、ブランドを護るために厳しい規制を敷いているとのことだった。メロン農家にとっての悩みはご多聞に漏れず後継者難ということだった。

          

          ※ 選果場の様子です。手前の白いキャップを被った方が審査員の方です。

          

          ※ 審査員の方がメロンの底の部分を叩いてその音を確認しています。

          

          ※ 見学者のために栽培園が公開されていましたが、そこで育つ夕張メロンです。

 以上3ヵ所を駆け足で巡って歩いたのだが、石炭博物館、メロン選果場については観光ツアーなどでも訪れることができるかもしれないが、夕張市役所において市の職員から直接に市政についてうかがえるのは「いしかり市民カレッジ」ならではと思う。そういう意味では貴重な講座だった。その市役所で市職員から直接「夕張市の再生への取り組み」を伺えたことは良い体験だったし、着実に再生への道を歩んでいることを確認でき、意味のある講座だった。