旧ニトリホール(旧北海道厚生年金会館ホール)前にある時計塔の針が3時25分を指して止まっている。3時25分というと、あの忌まわしい思い出が蘇る。はたして時計塔の針はその時以来止まったままなのだろうか?
先日、知人と話をしていた時、知人氏が「そういえば、旧ニトリホールのところにある時計塔の針が止まったままなのですが、3時25分を指して止まっているのはあのブラックアウトの時以来なのですかねぇ?」と私に問いかけてきた。私は「???」であった。私は時計塔そのものも意識したことがなかったのだ。私にとっては日常的にその前を行き来しているのに…。「見れども、見えず」の典型である。
※ 確かに旧ニトリホール前に時計塔は存在していました。
そこで後日、改めて旧ニトリホール前を通ったところ、確かに時計塔が存在していた。そしてその時計塔の針は3時25分を指して止まっていた。
ちょうど一年前の9月6日朝3時7分、北海道は大きく揺れた。最大震度7の北海道東部胆振地震の発生である。死者43名、負傷者482名の被害を出した大きな地震だった。私が住んでいる札幌も大きく揺れたが、幸い特に被害がなくホッとしながらテレビで被災の様子を視聴していた時、突然電気が消えた。後になって分かったのだが北海道全域の送電がストップするブラックアウトと前代未聞の事態が発生した。その発生時間が3時25分だったのだ。
※ そしてその時計塔は3時25分を指したまま止まっていました。
私に話しかけた知人氏も地震発生当時から時計が止まっていたことを知っていたわけではなく、どうやら最近になって気が付いたようなのだ。しかし、ここはあのブラックアウト時に時計は停止してしまったと考えるのが妥当なのではあるまいか?(関係者に聞けば氷解する問題なのだが…)
旧ニトリホールは、本体の「札幌芸術文化の館」の閉鎖が決まると同時にホールの閉鎖も決まり、現在は解体を待つ身であり、その前にある件の時計塔も消える運命にあるようだ。あえて3時25分を指したまま立ち尽くす時計塔は、あのブラックアウトを忘れるな! という関係者からのメッセージなのだろうか???