田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

歌曲はどうも…

2023-03-14 16:23:37 | ステージ & エンターテイメント

 クラシック初心者(いつまでたっても初心者の域を出ないのだが)にとって歌曲を楽しむという心境には正直に言ってなれなかった。18~19世紀ヨーロッパにおいては多くの人々から愛でられたものだったのだろうが…。

        

 コンサート三昧が続く昨今だが、3月12日(日)午後はドイツ歌曲を聴くというコンサートだった。会場はザ・ルーテルホール。コンサートは題して「二人のメンデルスゾーン 二人のシューマン」 河口しほり 小泉香織リートデュオ・リサイタルであった。(私はここで コンサートとリサイタルを同義語として使っているが、違いを主張する方もいるようである)

 チケットは知人が用意してくれたことで参加を決めたのだった。その知人によると「リートデュオ」とは、歌曲をピアノ伴奏で歌うという形式だということだった。今回のコンサートでは河口しほりさんのソプラノを小泉香織さんがピアノ伴奏するという形であった。

        

 コンサートは表題どおりドイツが生んだ二人の作曲家メンデルスゾーンとシューマンが作曲した歌曲を歌い上げるものだった。

 その二人の作曲家の名に「二人の」と冠が付いているのは、メンデルスゾーンの場合は表に出た弟フェリックス・メンデルスゾーンに音楽的才能が豊かだった5歳姉のファニー・メンデルスゾーンという方がいたことから「二人の」としたようである。ところが19世紀のドイツでは女性は職業に就かず家庭を守ることが一般的とされ、父親はファニーが音楽活動をすることを許さなかったそうだ。姉の音楽才能を認めるフェリックスは、彼の作品の一部に彼の名を付けてファニーの作品を発表したそうだ。(そうした曲も披露されたのだが、私にはその曲を意識して聴くだけの余裕がなかった)

 一方、シューマンの方は本人のロベルト・シューマンの妻がクララ・シューマンという「二人のシューマン」である。クララは作曲家ではなく有名なピアニストとして知られている。クララの場合も当時のドイツでは女性が作曲することは世間的に認められていなかったために、ロベルトの作曲に協作という形で参加した曲があったそうだ。こちらはクララの曲を7曲もまとめて披露されたのだが、私の耳には残念ながらその違い聴き分けることはできなかった。

 と二人の作曲家の背景をちょっと調べてみたが、肝心のコンサートの方は前述したようにその良さを私自身が感得することはできなかった。ただ、河口さほりさんのソプラノは本場ドイツにおいて、地元紙から「鈴の音のように澄んだ明るい声」と評されたというが、その評どおり高音の澄んだ声が印象的だった。

 また、伴奏の小泉さんのピアノは河口さんのソプラノが一層効果的になるよう、時には細やかに、時には華麗に演出する音色が印象的だった。

   

  ※ コンサート前、ピアノが「STEINWAY & SONS」であることが分かり一枚撮った。

 この種のコンサート(リサイタル)では、一切のMC的発言がなかった。それが本場ヨーロッパなどでは正式なコンサートのあり方なのだろうと思われる。しかし、最近では曲の解説をしてくれるコンサートも増えてきた。時にはこうした歌曲のコンサートでも、解説付きのコンサートに参加してみたいと思う。

 皮肉だったのは、アンコールで披露された「野バラ」、そして「隅田川」の二つの曲においてお二人の演奏の素晴らしさをようやく感得することができたことだった…。

 う~ん。歌曲はどうも…。



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