田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

具体的比較論(札幌VS地方) 通勤スタイル

2007-10-17 19:49:16 | 札幌学 & ほっかいどう学
 札幌に転居して六ヶ月が経過し、過日総論的にこの半年間を振り返ってみました。
 今回から数回に分けて、今度は具体的な事例をあげて、札幌と地方の生活を比較してみたいと思います。
 できるだけ公平な目で振り返りたいと思いますが、どうしても自己擁護のために札幌に肩入れする場合もあるかもしれませんが、ご容赦いただきたいと思います。

通勤スタイル
 田舎時代、私は徒歩通勤をしたことはなかった。
 どんなに自宅と職場が近くとも車で通勤していた。最も近いときには自宅と職場が4~500mくらいしかなかったのではないだろうか。
 もっとも、管理職になってからは極端に職住接近したために通勤に車を使うことはなくなっていた。

 それが今、歩いて20数分もかかるところを歩いて通勤している。
 理由は簡単である。駐車場がないのだ。
 これでは車で通勤しようとしても、できないのが現実である。
 田舎ではどんな職場でも駐車スペースが確保されていた。(できた)

 田舎では徒歩で通勤する人は多くはなかった。
 それが札幌では多くの人が徒歩通勤をしている。
 同類がいるということは心強い。私は何のためらいもなく、徒歩通勤を当然のように受け容れている。
 また、徒歩通勤は運動不足を解消するというメリットもある。

  札幌では徒歩と公共交通機関を使えば(さらに自転車を併用すれば)、車は特別必要でなくなってきた。 

 妻など札幌へ来てから一度も車を運転していない。
 私は冬になっても徒歩通勤を続けるつもりだ。特別なときは公共交通機関を利用すればいい・・・。 

道新フォーラム

2007-10-15 23:58:01 | 講演・講義・フォーラム等

 今日(15日)午後、「北海道洞爺湖サミット ~世界を迎えるために~」と題した道新フォーラムが開催されました。
 札幌に住んでるからこそ参加できるこうしたフォーラムにはできるだけ参加したいと思い、職場に休みをいただいて拝聴してきました。
 目玉は元外務審議官の田中均氏の基調講演でした。

 何でも興味を示すミーハーな、いやいやマルチな人を目ざす私の面目躍如(?)というところです。
 私のサミットに関する関心度は、自分が住む北海道で開催されるサミットとはいったいどんなものなのか、といった程度のものなのです。
 そして何かと話題の多かった田中均氏とはどのような人なのか、という野次馬的な関心でした。

 田中氏の講演は、さすがに外交交渉の第一線に長く身を置いた方の話で、説得力のある話が印象的でした。私のメモから、主な発言を紹介すると・・・
〇 今回のサミットは世界にとって、日本にとって極めて大事な局面にあるサミットである。
〇 現在から近い未来にかけて、世界はこれまでの先進数ヶ国だけで世界をリードしたきた形から、多極化に進行していく。
〇 基本的に“経済の成長”は争いを好まない。
〇 こうした局面にあるサミットの議長国として日本が存在感を示し、会議をリードすることができるかが問われている。

 そして地元北海道あるいは道民に対しては、
〇 北海道最大の目玉である「環境」「観光」をこの機会にいかにアピールすることができるかである。
〇 世界から大挙して押し寄せてくるメディアが、北海道をどのように世界に伝えるか、それによって北海道の評価が大きく分かれる。メディアへの対応が重要である。
〇 道民一人ひとりがサミットに関心を持ち、それぞれの立場でサミットに参加し、関係者が温かみを感じられるようなサミットにすることが大切である。

 田中氏は、「戦略家」「策士」など、どちらかというとネガティブに伝えられてきました。しかし、素顔の田中氏はソフトで時にはユーモアも交え、素人にも分かりやすい話をしてくれ、伝えられているような人にはとても思えませんでした。

 さて、田中氏から与えられた、道民の一人としてサミットにどう関わるか、という課題について考えてみたいと思います。
 私個人としては、今回のフォーラムに参加したことによって、これからの報道に対してより身近なこととして関心を持っていきたいと思います。
 そして、こうしてブログで拙い報告をすることも私としての一つの参加の仕方かなと思っています。

※ フォーラムは田中氏の講演の後、四人の方によるパネルディスカッションが行なわれました。講演やパネルディスカッションの様子については、近く北海道新聞に掲載されるとのことでした。


錦絵広がる豊平峡

2007-10-14 23:07:54 | 環境 & 自然 & 観察会
 錦絵とは、ずいぶん古めかしい言葉を思いついたものだと我ながら思う。
 札幌市民の紅葉観賞スポットの一つとして有名な豊平峡は、今まさに錦絵のような紅葉に彩られていました。

 札幌の奥座敷定山渓のそのまた奥に鎮座する札幌の水がめ豊平ダムを一度訪れたいと思っていましたが、今日ようやく実現しました。
 ところが人が思うことに大きな違いはないようで、豊平峡の紅葉を見ようと詰め掛けた札幌市民で大賑わいでした。

 切り立った山あいに赤、黄、緑の木々の葉が混在する様に、そして山あいの流れを堰き止めてできた豊平湖に映る紅葉の様に、私は錦絵を連想していたのです。

 連想は連想を呼びます。
 もう今の若いみなさんはご存じないかもしれませんが、文部省唱歌に「もみじ」という名曲(?)があります。
 この曲を私は小学校3年生の学芸会で歌うために、担任からかなり厳しく(熱心に)指導されたことを思い出していました。おかげで(?)私は今でも低音部を正確に歌うことができることを感謝すべきなのでしょうか?

 「もみじ」の唄は次のような歌い出しで始まります。
  秋の夕日に照る山紅葉(やまもみじ)・・・
 そして2番の最後は次のような詞で終わります。
  水の上にも織る錦

 あぁ~、秋の素晴らしい光景は、おじさんのノスタルジーを呼び起こしてしまったようです・・・。

秋色深し

2007-10-13 20:16:16 | 環境 & 自然 & 観察会
 季節の移ろいの早さに驚いています。
 昨日(12日)の退勤時にはあまりの寒さに手がかじかんでしまうほどでした。
 気温はその頃10℃だったとか・・・。

 考えてみれば、つい2週間前までは半袖、ノーネクタイのいわゆるクールビズで通勤していたことが信じられない変わりようです。
 来週はもうコートに、手袋が必要なのではと思ってしまいます。

 今日(13日)も厚別のコンサの応援に行ってきたのですが、もう完全防備です。
 上はスキーにも使う防寒のパーカーの下にフリースを身に付け、下はジーンズの下にタイツをはいて、という出で立ちでした。
 それでも日陰では寒さに耐え切れず、ハーフタイムに席を日向に移動したほどでした。

 そんな寒さが襲ってきたのですが、街中の木々は急に襲ってきた寒さに順応(?)できないのか、まだまだ緑色が多いようです。
 そうした中で、知事公館の庭で赤、黄、緑が混在したこの時期ならではの光景を目にしました。(本日の添付写真ですが、ちょっとピンボケになってしまいました)

 どなたかが紅葉の季節は光の三原色のR・G・Bならぬ、R・G・Y(赤・緑・黄)が混在している時が一番美しいと言っていますが、これから全道各地でこうした美しい光景が展開されるのでしょうね。
 みなさんの地方では、今どのような紅葉なのでしょうか?


※ 今日のコンサの戦い方は決して満足できるものではありませんでしたが、なんとか勝点3を上積みしてくれました。でもJ1昇格のためにはまだまだ茨の道が続きます。

どうした!コンサ

2007-10-12 17:12:04 | スポーツ & スポーツ観戦
 我が愛するコンサドーレの様子がおかしくなっています。
 前半戦、あれほど快調に突っ走っていたのがウソのように大不振に陥っています。
 いったい、どうしたというのでしょう・・・。

 居ても立ってもいられなくなった(少しオーバーですね)私は、10日の対セレッソ大阪戦(アウェー戦)をパブリックビューイングで行なうと聞いて新札幌のサンピアザまで駆けつけて観戦することにしました。
 私のところからは地下鉄に乗車している時間だけでも30分弱かかります。
 午後6時25分、複雑で迷路のようなサンピアザの店内を通り、一階の光のプラザに着きました。

 まだキックオフまで30分以上あるというのに、椅子席は満員、その他のスペースも既に観戦に集った人たちで埋まっていました。
 私のような酔狂な人はそんなにいないだろうと予想していたのですが、意外に多い人たちに驚くとともに、熱心なサポーターのたくさんいることにホッとしました。中には私のようにスーツ姿の勤め帰りのサラリーマンも目立ちました。

 試合については多くを語りたくない気分です。
 大画面に映し出されるコンサドーレイレブンの姿は、最近の不調を象徴するように精彩を欠いています。ゴールの匂いさえ感じられず、そうこうしているうちに大阪に1点を献上すると、それを押し返せないまま終了のホイッスルを聞いてしまいました。
 無言のまま家路につくサポーターの列に、立ちっぱなしで膝、腰ががくがくになった私も続きました。あぁ・・・。(;△;)

 これで9月以降の戦績は、1勝4敗1分という惨状です。さらにこれに天皇杯での敗戦が加わります。
 今日現在、前半戦の好成績の蓄えでかろうじて首位はキープしていますが、勝点差10の中に6チームがひしめいています。
 
 北海道内は今、ファイターズのCS(クライマックスシリーズ)一色の感がありますが、コンサも明日(13日)厚別で対草津戦があるのです。
  道内のみなさん、どうぞコンサにも熱い思いをお裾分けしてください!

※試合前には写真のようにコンサドールズやドーレくんも駆けつけて雰囲気を盛り上げてくれたのですが・・・

桃尻桃子

2007-10-10 22:35:46 | その他
 脱連載宣言をしたというのに今日もまた書いてます。慣れというのは容易に改めることができないようです。

 ところで、今日のタイトル名を見て「ああ、違うページを開いちゃったぁ…」と思われた方がいらっしゃったらゴメンナサイ!
 けっしてその手の話をするつもりはありません。後ほど種明かしをさせてもらいます。

  言葉の力って凄いなぁ、言葉の力って怖いなぁ、と改めて感じさせられた出来事に出合いました。

 テレビ番組の中で、私は毎週日曜の深夜にTBS系で放送される『情熱大陸』が大好きで、できるだけ見るように心がけています。(おじさんにとって日曜の午後11時はかなりきついのですが…)
 今週日曜の7日の情熱大陸では、今をときめく新鋭女子プロゴルファー上田桃子選手が主人公でした。
 上田選手は現在21才、今年に入ってその才能を開花させ、女子プロ賞金ランキングのトップを走っています。
 彼女は現代の若者らしい強気な表情と奔放な言動に特徴がある選手です。
 その彼女が番組の中でやっちゃいました。

 番組の中の一コマで彼女は次のように語りました。
 「同級生とかで、バレーとかバスケとかをしている子が、不思議でしょうがなかったというか、先がないスポーツを何でできるんだろうと思って・・・。だってプロというものがないじゃないですか。どうしてそこまで頑張れるのかなって思って・・・」
 私は「彼女らしい強気のコメントだな」と思って聞いていました。

 ところがバレーやバスケの関係者、彼女の日頃の言動を快く思っていなかった人たちが、一斉に彼女の発言を非難しました。(そのことがウェブ上に流れました)
 曰く「他のスポーツを解りもしないのに語らないでほしい」、「見ていてただただ腹が立つ、ゴルフだって稼げるのは一部の人間だけ」、「思ったことをずばずば言えばいいというものではない。自分の立場を考えるべき」等々…。

 当事者にとっては当然の反応かな、と思います。
 改めて言葉の力、言葉の怖さを感じさせてくれました。
 そうした非難に対して、彼女が直ぐに謝罪したところは潔い行動であったと思うし、このことをこれからの糧にしてほしいと思います。

 さて、桃尻桃子です。
 これは彼女の体型が細身であるのに対して、若干お尻が大きいかなと思われることを、彼女自身が自虐的に自称しているようなのです。
 しかし、プロゴルファーにとっては下半身を安定させるためにはむしろ重要な資質の一つだとも思います。彼女は自身のブログ名を桃尻桃子の「待ってろ世界!」としています。
 今回の出来事を一つの教訓にして、心技体を磨き、ぜひ世界に飛び出してほしいと思います。
 

重低音の響き

2007-10-09 20:13:13 | ステージ & エンターテイメント
 あるものを見たり、聞いたりした時の個人の感想というものは、きわめて個人的・独善的であるのが常なのだが・・・。
 私の思いは「ズシンときたぞ!」という思いだった。

 もったいぶった書き出しをしてしまったが、10月8日(祝)旭山通地区センター開館5周年の記念事業として行なわれた「黒岩静枝 JAZZ CONCERT」を聴くことができた。

 黒岩静枝さんを聴くのは初めてだったが、放送か雑誌でその存在は微かに記憶があった。その記憶では、ベテランのジャズシンガーとの紹介があったので、スタンダードナンバーをじっくり聴かせてもらえるという期待があった。

 ステージに登場した彼女は、堂々たる体躯で歌い始めた。
 最初の曲「ヒア・カムズ・ザ・サン(Here Comes The Sun)」を、時には囁くように、時にはたおやかに歌い始めると、私はもう彼女の歌声の虜になった。
 彼女の歌声は、重低音の響きとでも言おうか、聴いている私がズシンとくるような重みを感じさせるものであった。

 彼女は今年60才の還暦を迎えたそうだが、年輪を重ねた重みと温かいハートを感じさせる歌声が会場内を圧した感があった。
 全てはメモすることはできなかったが、披露された曲の一部を紹介すると、
 ◇ 「君ほほえめば(When You Smiling)」
 ◇ 「テネシーワルツ(Tennessee Waltz)」
 ◇ 「ピープル(Perple)」
 ◇ 「アメージング・グレース(Amazing Grace)」
 ◇ 「クライ・ライク・ア・ベイビー(Cry Like A Baby)」
 ◇ 「白い想い出」(日本の曲)
 ◇ 「マイ・スィート・ロード(My Sweet Lord)」
 ◇ 「イマジン(Imagine)」
 その他、メモできなかった曲が3~4曲あったと思う。

 彼女は曲と曲の間に語りかけた。
 ベトナム戦争の戦場で慰問で歌ったこと、歌うことに悩み渡米して歌うことの意味を考えたこと、髄膜炎を患い大手術を受けたこと、さらに結婚・出産・育児と・・・。全てが私に歌うことを考えさせるために必要なことだった。そして今の自分があると・・・。

 満ち足りた思いで帰宅し、彼女のことを調べると全国的に熱心なファンをもっている素晴らしいジャズシンガーであることが分かった。
 そして彼女は、すすき野に「DAY BY DAY」というライブハウスを経営していて、そこで彼女の唄を聴けるとのことだった。
 いつか彼女の店を訪れたいと思った・・・。

脱連載宣言

2007-10-08 18:08:41 | その他

 「脱連載宣言」・・・、こんな言葉が確かあったよなぁ、と思いながら使ってみました。
 札幌に転居以来、見たこと、聞いたこと、体験したことをできるだけ数多くレポートしようと今日まで心がけてきました。
 5月半ばからほぼ毎日のように書き続け、特にここ50数日は一日も欠かすことなく投稿を続けてきました。

 しかし、そうして書き続ける中で、ブログを書く目的が「一日も欠かさず投稿する」ことに意識が傾いてきてしまっていました。
 「これはマズイぞ!」とささやく声が自身の中から湧き起こりました。
 「札幌をもっと見て(観て、視て)、もっと深く考察しなきゃ・・・」という声が聞こえてきました。
 深い考察なんて、私の柄じゃありません。そんなことができるはずもありません。
 ただ、毎日投稿することに意識が傾いている状態は「ちょっと違うかな?」と・・・。
 「連載を意識せずに、もう少しゆったり構えてみた方が良いのでは・・・」と考え、ここに脱連載宣言を発することにしました。

 脱連載宣言はしたものの、これからもできるだけ数多くのレポートを心がけていきたいと考えていますので、
  どうぞこれからも「田舎おじさん札幌を見る!観る!視る!」をよろしくお願いいたします。


札幌公園めぐり「中島公園」

2007-10-07 22:25:37 | 札幌(圏)探訪
 今日午後に時間ができたので、中島公園行くことにしました。
 街中にある中島公園ですから何度か訪れていたのですが、その中にある「豊平館」はまだ訪れたことがなかったのです。

 豊平館は中島公園の北端にその優美な姿をたたえていました。
 豊平館の優美さを演出するのは、何といってもウルトラマリン・ブルーという独特の色使いにあります。
 現在は主に結婚式場として活用されているとのことですが、その鮮やかな色彩と歴史を感じさせる瀟洒な洋風建築は、結婚式場として人気があるのもうなずける雰囲気を醸し出していました。

 この後、中島公園を一周しましたが、園内にはコンサートホール「キタラ」、北海道文学館、天文台、体育館などが配置され、川が流れ、池があり、街中の公園としてコンパクトにあらゆる要素が盛り込まれている公園のようでした。

 中学時代に中島公園の遊園地で遊んだことを思い出しました。
 また、公園には北海道の野球人の聖地「中島球場」があったことも懐かしい思い出です。

 ところで中島公園までは地下鉄で行こうと思っていたのですが、妻が「歩いていこう!」と提案するものですから、同意して歩くことにしました。
 腰痛が回復途上にある身としては少々辛かったのですが、意識して裏道を歩いたことによって、今まで見えていなかった札幌の表情を見ることができました。
 往復約8キロメートル! ふ~っ、つかれたぁ~。


駒大岩見沢高校 秋を制す

2007-10-06 22:32:24 | スポーツ & スポーツ観戦
 来春の甲子園大会の出場校を事実上決定する秋季全道高校野球大会決勝戦を円山球場で観戦してきました。
 決勝はこれまでそれぞれ4回の戦いを制して勝ち上がってきた小樽北照高校 VS 駒大岩見沢高校の対戦です。
 試合開始1時間半前に球場に入りましたので、三塁側ベンチ(駒岩校側)の直前に座り、試合前の両校の様子からじっくり観戦しました。

 試合前の両校の様子は明らかに対照的でした。
 何をするにも準備の早い北照に対して、のんびり構える駒岩といった構図です。
 11時10分、北照は大きな声を掛け合いながらコンディショントレーニングが始まりました。
 目の前の駒岩の選手たちは何をするでもなくどこかのんびりしています。
 北照がトレーニングを開始して10分を過ぎても談笑している駒岩の選手に私は思わず聞いてしまいました。「どこか別のところでトレーニングしてきたのか?」と・・・。すると「いや、これからです」という答えが返ってきました。

 北照から遅れること20分、試合開始1時間前の11時30分になりようやく駒岩が動き出しました。しかも特に大きな声をだすこともなく・・・。(トレーニング後半には大きな声が出ていましたが)
 駒岩はきっかり15分間をコンディショントレーニングに費やしました。それに対して北照は25分間です。
 駒岩はこの後もいつものルーティンどおりといった感じで、5分間でシューズを履き替え、11時50分からキャッチボールを5分間、そして一息ついて12時からシートノックという流れで準備を進めました。

 北照はその間も、トスバッティングをしたり、素振りをしたり、投球練習をしたり、ととにかく入念に準備します。
 駒岩はそれらを全て省きました。特に投球練習を全くしなかったのには驚きました。投手の疲労を考えてでしょうか。
 私の目から見ると、気負う北照 VS 悠然と構える駒岩という図式に見え、勝負の行方を予感する動きにも見えました。

 以下、試合の展開を私的に分析してみたいと思います。 

 勝負の綾は5回の攻防にあったと私は見た。
 つまり、5回表、駒岩はエース板木は二塁野選、一塁悪投と一人芝居で北照に1点を献上した。
 これはこの大会で駒岩が相手に与えた初めての失点であり、板木ががっくりと気落ちした場面である。すかさず、主将の捕手松本がタイムを取り、板木の気持ちを落ち着かせたことで後続を無難に抑えた。
 対する5回裏の駒岩の攻撃は無死1・2塁のチャンスだったが、次打者が併殺に討ち取られチャンスはついえたかに見えた。しかし、駒岩はバッテリーがホッとした隙を突き、連打を集めて3点をもぎ取り、4対1として絶対的優位に立った。

 ところが、勝負は後半に二転三転し、ご承知のように延長10回裏、駒岩の伏兵高橋選手のサヨナラホームランという劇的なサヨナラ劇で駒岩に凱歌があがった。

 この試合、私は前述したように駒岩ベンチのすぐ前で観戦したため、ベンチの様子が手に取るように分かった。
 そのベンチが終始明るかったことが印象的であった。
 それは偏に佐々木監督の振る舞いにあると私は見た。
 プレイに成功したときはもちろん、失敗しても満面の笑みで迎えるのである。
 豪放磊落で知られる佐々木監督であるが、そのベンチの指揮はさらに明るさを増したようである。
 そのため選手の顔からは終始笑顔が絶えず、それがリラックスした好プレーに繋がったのではと思う。
 長い監督生活で現代っ子の力を発揮させる術を会得したベテランの味ということだろうか。

 このように野球を観戦したのは、ほとんど初めてという経験であったが、現場でなければ味わうことのできない楽しさを実感した。
 水野晴郎さん流に言うと「いゃ~、高校野球って本当にいいもんですねぇ~」といった感じである。


※写真はインニング間で佐々木監督から指示を受ける駒岩ナインです。