「第35回 大佛次郎賞」
「出星前夜 飯嶋 和一氏」
『人間の普遍性』描き込む
「頑固さと熱さ」
「希望を手渡す」
「未来受け継ぐ意志暗示」 (池内 了氏)
「ここに歴史があった実感」 (井上 ひさし氏)
「文章は冷静に 熱い感動」 (川本 三郎氏)
「誠実に庶民の歴史追う」 (樹 のぶ子氏)
「実相に迫る筆力と気力」 (山折 哲雄氏)
以上5件は、選考委員の選評です。
”出星前夜” なかなか手に入らなかったのですが、28日の日、楊枝で郊外に行ったときに立ち寄った大きな本屋にありました。
新刊本のコーナーにあるのかなと思い、探したのですが見つかりませんでした。 ダメもとで書店の人にこういう本はないのかと聞いたところ、奥のほうに行って、しばらくして「この本でしょうか?」と持って来ました。
聞くは一時の恥(ではないのですが)ですね。
分からないときは本屋の人に聞く、とはいってもこの頃の本屋の人はあまり本のことに詳しくはないようですが。
歴史のコーナーにあったようです。
奥付をみると、8月4日が初版発行となっていました。 ということはもう既に新刊扱いはされてはいなかったということになりますか。 4ヶ月以上も前の発行では。(実際には7月上旬発売となるのでしょうが)
全541ページの分厚い本ですが、今441ページまで進みました。
あと残り100ページです。
読むのが、読み進むのがもったいないと思いつつ読んでいます。
皆さんは好きな本、興味を持った本、読み応えのある本に出会ったとき、どのように読みますか。
一気に読み進みますか。
それも一つの読み方でしょうが、それが普通なのかな、私はぐいぐい引き込まれると逆に本を閉じてしまいます。
一気に読んでしまうのはもったいない、少しずつ少しずつ読み、読み進んでは止まり、本を閉じ、余韻に浸る、そしてまた徐に本を開き続きを読み進む、ついついそういう読み方をしてしまいます。
端的に言ってしまえば、重厚な小説、歴史小説です。筆力は言うまでもありません。
今は、島原城や富岡城の攻略に失敗した24,000人が天草四郎を戴いて原城に立てこもり、それに対して35,000人の幕府軍の軍勢が取り囲み、攻撃をしている段階です。
これからが一番良いところというか、感動が待っているところに差し掛かるのではないでしょうか。
島原城は森岳城とも言われていたのですね。
そして天草四郎はジェロニモ四郎と言われていたようです。初めて知りました。
選評の中で、川本 三郎氏が書いていたこと、「歴史小説の要は、敗北のなかの栄光にこそある。勝者より敗者に光を見る。」という言葉が印象に残りました。
正にそのとおりです。 私が好きな大好きな”新撰(選)組”もまさにそうですし、ネイティブ・アメリカン、”インディアン”の歴史も正にそのとおりです。
「飯嶋 和一」という作家、恥ずかしながらまったく知りませんでした。でも、これからはもう忘れません。 遡って彼の著作を読もうと思います。
そして、これからの執筆に期待しようと思います。
生きるうえでの楽しみが一つ増えました。 感謝です。