全国的に冷え込んでいますね。寒いですね。北海道もみちのくも、東京も寒いです。いたるところの山々で平年よりも早い初冠雪を記録しているようです。北風小僧がやってきたのかなあ~。
そういえば間もなく旧暦では””寒露””なのですね。霜になりそうな冷たい露のことを”寒露”というそうです。梅雨寒ならぬ露寒(つゆさむ)はちょうどこのころの寒さを表す言葉とか。
仙台での最低気温は10度を切って9.7度です。それを聞いただけでも体がぶるっと震えます。きのうは真夜中が一番あったかくて、日中は時間とともに低くなっていきました。まったくもって変な話しです。
ということで、きょう正午の観天望気です。 天気:曇り、雲量:隙間無、気温:13.3度、湿度:65%、風速:2m/s,不快指数:56 となっています。きのうの正午は15.8度
ノーベル賞の受賞者が発表されるようになってきましたが、10月4日の朝日新聞の記事です。見出しは「「質高い論文5年で1千本」認定基準に」「「国際卓越研究大学」文科省案」です。国際卓越研究大学の認定基準についての記事でした。
同大学の認定基準に『質の高い論文数が直近の5年間で1千本程度以上』などが盛り込まれる方針とかで、同大学と認定され、10兆円規模の大学ファンドの運用益から年数百億円を受け取れるのは数校程度と。
より具体的には、ほかの論文に引用された回数が上位10%に入る「トップ10%論文」んp数が、直近の5年間で1千本程度以上であること。さらに、論文の総数のうち、トップ10%論文の割合10%程度以上ということです。
そのほかの基準等についても書かれていましたが、こういうことの背景には何があるのか等については書かれていませんでした。
そしたら、私の好きな思想家内田樹さんの”研究室”の最新版を読んでいて分かりました。短いですので引用します。
題は「日本の研究力の低下」です。(引用開始)『 日本の研究力低下が止まらない。国際的に影響力のある論文ランキングで、日本は10位から12位に下がり、スペイン、韓国に抜かれた。日本の大学の学術的発信力はこの四半世紀ひたすら低下し続けている。2018年の科学技術白書も「わが国の国際的な地位の趨勢は低下していると言わざるを得ない」と認めたが、その後効果的な手立てを打てずにここまで来てしまった。論文数も、科学技術関連予算も、博士課程進学者数も、海外派遣研究者数も、あらゆる指標が日本の教育行政が失敗していることを示しているが、政府は教育コストの削減を止めようとしない。
2015年に学校教育法が改定されて、大学教授会の権限が大きく殺がれた。大学は学長・理事長に権限が集中する「株式会社のような」トップダウン組織になった。それによって大学の組織運営は画期的に効率化するはずだった。たぶん「効率化」はしたのだろう。ひたすら人員を減らし、予算を削り、短期的に成功しそうな研究計画にだけ予算を配分する「選択と集中」が実現したのだから。だが、その結果がこの底の見えない研究力低下である。教育改革を主導してきた人々はこのみじめな結果をどう総括するのか。
というのは修辞的な疑問であって、私は答えを知っている。それは「改革が足りなかった」というものである。政府の政策は100%正しかったのだが、頑迷固陋な現場の教職員がその実現に抵抗したせいで所期の成果が得られなかった。だから、さらにトップの権限を強化し、現場から自己裁量権を奪い取るべきだ。トップのアジェンダに忠実に従うイエスマンだけを重用し、反対する者は排除すれば、日本の研究力はV字回復する。そう信じている人たちが政策決定の要路にとどまる限り、日本の研究力低下と大学の非民主化は止まらないだろう。』(引用終わり)
強烈な皮肉ですねえ~。
さらにネットで調べてみました。朝日新聞デジタルからの引用となります。まとめる能力が衰えてきていますので、ご容赦ください。
『 注目度が高い科学論文の数で、日本が上位10カ国から転落した。文部科学省が9日、「科学技術指標2022」で公表した。前回の調査(17~19年平均)では10位だったが、18~20年平均を調べた今回はスペインと韓国に抜かれ、12位になった。担当者は、「数を見ると、日本はここ数年は横ばいだが、他の国の論文数がどんどん増えており、相対的に順位が下がっている」と説明した。
同省科学技術・学術政策研究所が、ほかの論文に引用された回数が各分野で上位10%に入る論文の数(トップ10%論文数)などを調べた。日本は3780本で、1位の中国の1割弱だった。日本は00年代半ばまでは4位を維持していたが、それ以降順位は下がり続けている。分野別では、もともと強かった基礎生命科学、化学、物理学の論文数に占める割合が減ってきている。
研究開発費を大きく増やし、近年研究力を上げている中国は、論文数、トップ10%論文数に続き、トップ1%論文数でも、今回初めて米国を抜き1位となった。また、国際的な研究活動を各国がどの程度リードしているのか、論文の責任著者を数えたところ、注目度の高い論文で1位が中国、2位が米国で、日本は12位だった。・・・。』
前回の調査は10位でした。その順位は、中国・米国・英国・独・豪・伊・加・仏・印・日本の順。その前は7位、その前は4位だったのです。4位⇒7位⇒10位⇒12位と順調に低下しています。