東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

中古品の壊れたシグナルジェネレータ(SG)の修理(1/2)

2010年12月28日 | 古ラジオ修理工房



 中古の壊れたシグナルジェネレータ(SG)を入手しました。素人の私にとっては安価なテストオシレータでも十分なのですが、あまりにも安い(2千円代)ので「安物買いの銭失い」のつもりで手に入れました。表示板の作りを見ると、このSGは昭和30年代位にでも使われたものではないかと思います。

         入手した中古のシグナルジェネレータ(松下製 VP-8281B)


 最新のSGはCPUが入っていて、設定もプログラミングされており出力する周波数も数字で直接入力できるほどです。しかし、この壊れたSGはアナログ時代最後を飾るものではないかと思います。まずは、どこが故障しているのか調査して原因をつきとめ、なんとか自分で修理しようと思いました。まず、蓋を開けてびっくり。機械類は全て金属製ですし配線も丁寧に束ねられていました。その道の職人さんが丁寧に作ったのでしょう、当時なら何十万円もしたのではないかと思います。

  外側の蓋を開けると精密部品ぎっしり    底からみた内部、たくさんの精密部品
 

 故障は電源が入らないことです。このような機械修理の定石にのっとり、最初にヒューズをチェックしてみました。するとヒューズが切れていました。正しいヒューズを入れて電源スイッチを入れるとヒューズが即断しました。どこかショートしているようです。

                  最初から怪しいとにらんだ電源部


 ヒューズを何本が用意してどこがショートしているか探索しました。すると意外な箇所を発見しました。電源トランスの配線がどう見てもおかしいのです。このシグナルジェネレータは100V対応と200Vの両方で使えるように作られているようでした。この二種類の電圧対応が悪く、電源トランスの一次側でショートするように誤配線されていました。

  シールド内の発信部の構造(表側)       シールド内の発信部の構造(裏側) 
 

 この電源トランスの誤配線はどうみても素人がしたか又はわざとです。200Vから100Vへ,又は100Vから200Vへの改造時に誤ったのでしょうか?あるいは何らかの原因で壊れるように細工したのでしょうか?減価償却のためか、新しいSGを購入する理由付けのためなのかとても不思議です。内部のディスクリー回路の故障ならば、回路を追ってを丹念に調べるだけで何ヶ月にもなると最初は覚悟していました。意外な故障箇所で拍子抜けしました。

    100V対応に直した電源トランス          動作するようになったSG
 

 電源トランスの配線を直してちゃんと100V対応にしました。テスターを使って二次側に適度な電圧が来ていることも確認しました。電源スイッチを入れると電源ランプが点灯して変調度を示すメーターが動いた時はうれしくなりました。
 しかし、電源が直ってもちゃんと規定の電波が出ていないと修理したことにはなりません。電波が出ているか確認するためにラジオを持ってきました。そして、SG側の出力端子からコードを引いてラジオの周りを這わせました。するとラジオからピーと言う音が聞こえました。ラジオのBCとSWを切り替えましたが、両者共にSGから出た電波をひろいました。発信周波数も合っているようでしすし、AM変調度も変えられますし、変調周波数も400Hzと1,000Hzで切り替えられました。故障があっけなく直ってしまいました。今後この貴重なシグナルジェネレータは、修理したり又は作ったりしたラジオの受信感度確認や受信周波数調整に使えそうです。

              ラジオを使って電波の発信状況を確認中

コメント (1)
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