3年前の國木田独歩生誕150周年記念事業として郷土館で展示会を開催しました。また、独歩に関わりがある田布施町の史跡を案内したことがあります。以来、独歩と関わりがあった麻郷小学校の子供達に講話をしたり史跡を案内しています。
今年度も、午前中に國木田独歩に関わる講話をしました。独歩の小説には麻郷や麻里府の地名がよく出てきます。その小説を紹介したりしました。そして午後、独歩が仮寓していた吉見家跡や関わりがある史跡を巡ってお話をしました。
國木田独歩が仮寓していた吉見家跡地とその石碑を案内
今回はやや天候が悪かったため、史跡巡りは早めに済ませました。最初、子供達を私の畑に誘導しました。そして、遠くに見える小さな山を指差しました。高塔山です。國木田独歩の小説「帰去来」に出て来る山の名前です。
柳井から田布施に向かう主人公は、田布路木峠に着いた時に高塔山を見つけます。この山の麓に仮寓する吉見家があるのです。ちなみに、麻郷にある高塔地区の由来はこの高塔山から来ています。昭和30年の町村合併時に新しくできた地区名です。
指さした先に見える高塔山 独歩が仮寓した吉見家跡に向かう
続いて独歩が仮寓した吉見家跡に行きました。そして、最後に麻郷神社に向かいました。麻郷神社は独歩が数度訪れた神社です。この丘から見た景色を絶賛しています。丘から見える緑の田んぼ、その向かうにある白い塩田、その向こうに青い海、さらにその向こうに緑の大星山、最後その向こうに広がる青い大空です。
この麻郷神社は当時、惣田山招魂社と呼ばれており戊辰戦争で亡くなった方々が慰霊されています。仙台や上越などで亡くなった方々です。映画や幕末劇などで出て来る著名な方も慰霊されています。この麻郷神社で毎年4月1日に慰霊祭が行われています。今回案内した子供達の中に、この慰霊祭で舞った巫女さんが一人いました。
麻郷神社の史跡解説が終わると、子供達は小学校に帰っていきました。私は途中で彼らを見送りました。
丘の上にある麻郷神社境内で、独歩のお話をした子供達