これから本格的な田植えに備えて田んぼを耕耘する機会が増えます。耕耘するために最初耕耘機のロータリー刃の交換をしました。去年のことですが、耕耘機の軸が傾いているためにロータリーを逆回転させた時に、耕耘機本体に刃が接触して刃が曲がってしまいました。曲がった刃をバーナーで赤熱させてハンマーでたたき直したのですが、波打ってしまいまっすぐに戻りませんでした。
波打ったように曲がったロータリー刃
これまで曲がったまま使っていましたが、今回その曲がった刃を交換しました。交換はたやすいと思っていましたが苦労しました。まず、長年の水田での使用によってロータリーを止めるボルトが固着していたため外そうと力を入れるとボルトが折れてしまいました。
ボトル空回りを抑える-ドライバー 折れてしまったボルト
折れたボルトは使えないため代用のボルトを使って新しい刃(別のロータリー刃を外したもの)をロータリー軸に装着しました。これでなんとか新しい刃を取り付けることができました。左右のロータリー刃を波打った刃を交換しました。
新しい刃を挿入 新しい刃を代用ボルトで固定
去年の苗場作りは、代かきと網張り、レーキによる慣らしを分けて行いました。今年はそれを一度に行いました。まず、最初に籠車輪とレーキを取り付けた耕耘機を使って大まかに土の掘り起こしをしました。次に、とんぼと呼ばれる手で動かすレーキを使って丁寧に整地をして慣らしをしました。
苗場作りにつかった、籠車輪とレーキを取り付けた耕耘機
レーキによる慣らしが終わるとその苗場に防鳥用の網を張りますが、網を張る前に支柱を苗場の周りに立てます。その支柱の頂上には、網がするするとスムーズに滑るように特別の赤帽子を付けています。支柱を立てると、その支柱同士を紐で結びました。紐を結ぶと網を被せました。
赤帽子を付けた支柱を立てる 網を支柱上に被せる
今日は網のすそを開放したままにしておきました。来週お米の種蒔きをした時に、害鳥が入らないように網の裾を固定します。なお、お米作りに協力してくれる人があまりいないため、今年は箱苗による苗作りだけにしようと思います。箱苗にしないと苗取りがとても大変なためです。
網を張り終わった苗場
先月下旬、小型耕耘機の講習をしようとした矢先、耕耘機が故障してしまいました。その後、耕耘機を修理したので今回再度小型耕耘機の講習をしました。畑に耕耘機を運んだ後、最初にロータリーの取り外しをしました。小型の耕耘機は車軸にロータリーを取り付けたり籠車輪を取り付けたりと耕耘に適したものに交換することが少なくありません。
移動車輪を取り外した後、外側ロータリーを取り付け
次に耕耘機のエンジンをかける講習をしました。素人は電気掃除機のスイッチを入れるように簡単にエンジンがかかると思っています。しかし、ガソリンエンジンはとても繊細に操作しなければなりません。まずエンジンをかける前に、クラッチを外していきなり耕耘機が動かないようにします。そして、急回転にならないようにスロットルを低回転の位置にセットします。
クラッチを外す スロットルを低回転に
スロットルを低回転の位置にセットすると、今度は燃料系をセットします。最初にガソリンがちゃんと入っているか確認します。次に燃料コックをひねってガソリンを入れます。そして、ガソリンエンジンのスイッチをONにします。寒いときはチョークレバーを引いておくとエンジンのかかりが良くなります。これでエンジンスタート準備完了です。始動ロープを勢いよく引っ張るとエンジンがかかります。
ガソリン確認 燃料コックをひねる エンジンスイッチON
エンジンがかかると数分間暖気運転後します。エンジンが温まって回転が落ち着くと、いよいよ畑を耕耘します。スロットルを開いてエンジンの回転数を上げます。続いてクラッチを切るとロータリーが回転し始めます。深く耕耘するときはハンドルを押さえ気味に、浅く耕耘するときはハンドルを浮かせ気味にします。
山桜が咲く下で、心地よく畑を耕耘
長ネギの種まきをしました。品種は九条ネギと言う、全国的に栽培されているネギの一般的なものです。ネギは苗を買って植えることが多いのですが、種まきをして苗を育てるのもいいものです。苗さえちゃんと作ることができれば、一人前ではないかと思います。
長ネギの種を均一に散まき
長ネギは散まきか筋まきします。初心者には筋まきの方が草取りなどの管理には都合が良いと思います。しかし、今回は散まきすることにしました。散まきがうまくいくには種を均一にばら撒く必要があります。種を指の間にはさんで揉み出すようにばら撒きます。
手に持った長ネギの小さな種 畝に均一に種をばら撒く
種を蒔くとその上に細かな土を振りまきます。小さくても小石が混ざるとうまく発芽できません。このため、ふるいを使って小石や土の塊が混ざらないようにします。また、雨が降って硬くなるような細かすぎる土(粘土のような土)も入らないようします。
ふるいで選り分けた細かな土を種の上にふりかける
土をかけると、さらにその上に籾殻をふりかけます。これは、主にネギの種がとても乾燥に弱いための対策です。昔は、籾殻の代わりにむしろを被せたそうです。むしろの場合は発芽後はすぐに取り外す必要があります。籾殻の場合は発芽後に葉が容易に上に出やすく、むしろより管理が容易だと思います。
土をかけた上に、さらに籾殻を均一にばらまく
キャブレターを修理した小型耕耘機(管理機)は、いつもは鈴木牧場に保管しておいて、使うときはそこから約400m離れた田畑で使います。しかし、舗装された道路をロータリー回してガチャガチャ音をさせながら移動するのは疲れます。今回、別の耕耘機に付いていた移動車輪をこの耕運機に使えるように工夫しました。
鉄管に穴開け加工 移動車輪内径に合わせテープ巻き
移動車輪が無い場合、移動中に大きな目障りなガチャガチャ音が出ますし、相当な振動が発生するので耕耘機にも良いわけはありません。キャブレター内部のニードルバルブの故障もこの振動で誘発されたのかも知れません。
加工した鉄管を移動車輪にはめる
まず、移動車輪の内径よりやや小さい鉄管を購入しました。そして、その鉄管の端にドリルで車輪固定用の穴開け加工します。そして、その鉄管を移動車輪にはめてから耕耘機のロータリーに取り付けます。耕耘機f丸軸20mmに対して移動車輪は六角軸23mmです。このため一番工夫したのは、、この軸の形状と径の太さを微妙に合わせる加工でした。
鉄管を移動車輪にはめる 耕耘機ロータリーと移動車輪を固定
軸の太さの違いはテープを巻くことなどで何とか克服しました。移動車輪を取り付けて耕耘機を動かすと、スムーズ移動できた上に何の音もなく動かすことができました。これでこの耕耘機の移動に困ることはなくなりました。点火系統の修理と言い、キャブレターの修理と言い、この移動車輪の取り付けと言い、修理が好きな自分としては日々新しい経験です。
移動車輪を取り付け終わった耕耘機
耕耘機の講習中にガソリン漏れをおこした管理機(耕耘機)TMA25を修理しました。修理した箇所はキャブレター内部でガソリンを一定量に保つニードルバルブと呼ばれる部品です。注文しておいたニードルバルブが農機具店に届いたとの連絡を受けました。その部品を農機具店に取りに行った後、キャブレター内部のニードルバルブを交換する修理をしました。
修理に入る前の工具類と管理機
ニードルバルブそのものの交換は短期間で済みます。しかし、交換できるように管理機をいろいろ分解しなければなりません。最初ニードルバルブが入っているキャブレターが分解できるようにもろもろの機械部品を外さなければなりません。最初に管理機の泥除けを外します。泥除けをはずすとようやくキャブレターを分解できます。
泥除け部を外す キャブレターの分解開始
キャブレター分解の手順は、最初ガソリンを溜める底蓋を外します。次にメインジェットにガソリンを供給するゴム底を外します。なお、この管理機はゴム底がありますが無い管理機の方が多いです。
ガソリンを溜める底蓋を外す メインジェットのゴム底を外す
次にいよいよ交換するニードルバルブが付いているフロートを外します。フロートはネジで固定されたピンで止まっていますが、底蓋に溜まったガソリンの深さに合わせて自由に動くようになっています。
フロートを固定しているピンを止めるネジを外す
フロートを固定するピンはとても小さいので無くさないように注意します。また、固化したガソリンで汚れていますのでキャブクリーナーで洗います。ピンを外すとやっとフロートを外すことができます。このフロートにニードルバルブがぶら下がるように付いています。
ピンを外して取出したフロート フロートに付いた小さなニードルバルブ
このフロートバルブは長い間の管理機の使用によって磨耗したり段つきになっています。こうなるとガソリン漏れがおきやすくなります。よく見ると尖った先端はゴム製になっています。昔のエンジンではゴムではなく金属製でニードルバルブそのものを尖られていました。ゴム製の方が、漏れが少ないか,耐久性が良いのか,安くできるのでしょう。
先端がゴム製のニードルバルブ 届いた新品のニードルバルブ
交換前のニードルバルブはゴムの色がくすんだ色をしています。長い間の使用で痛んでしまったのでしょう。私の経験では、ガソリンエンジンのガソリン漏れ故障原因のほとんどがこのニードルバルブに起因します。この管理機にかぎらず、最近の管理機は微小な部品が交換し易くなっているので助かります。
爪より小さな新品ニードルバルブ、尖った先端のゴムが黒光り
ニードルバルブを新しい物に交換すると、あとはキャブレターを分解した時とは逆に組み立てていきます。小さな部品は油断すると紛失しやすいので、最新の注意を払って組み立てます。
フロートを固定するピンを固定 メインジェットのゴム底を固定
キャブレターの組み立てで一番神経を使うのはフロートです。フロートを固定するピンはとても小さいので紛失しやすい上に、締め付けすぎるとフロートが自由に動きません。ガソリンの溜まり具合で自由に動かなければなりません。
キャブレターの底蓋取り付け 最後に底蓋をネジで固定
キャブレターの底蓋を取り付けてようやく修理は最終段階です。無理な姿勢で修理していたので、このころになると腰が痛くてたまりません。ちょっと背伸びするなどして休憩を取ります。
修理も最終段階、ちょっと腰を休める
腰を休めた後、管理機の泥除けを取り付けます。この泥除けを取り付けて初めて修理の完了です。ガソリンコックをひねってキャブレターにガソリンを入れます。しばらくして管理機の始動ロープを引っ張るとチョークを入れずに軽くエンジンがかかりました。しばらく見守る間、心地よいエンジン音が響きます。これで、この管理機修理は完了です。
最後に泥除けを取り付け ナットを回し泥除けを固定