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「布石の連続」を具現化する教師

2006年12月05日 | 雑記帳
「授業は布石の連続」

 有田和正先生の有名なことばである。

 有田先生に憧れ、教師修業を積まれてきた佐藤正寿先生の授業は
その言葉を見事に具現化していたと思う。
 
 導入の写真クイズからスムーズに本時の課題「オリンピック」へ結びつける
 児童の発表に対して切り返しの問いを重ね、ねらいに必要な事項を引き出す
 児童の考えを尊重しながら、必要な用語のおさえをはかる等々
お得意のIT活用を図りながらのめりはりのある授業だった。

 そしてその「布石」は、単に「授業づくり」という視点を超えるものだったと思う。

 「学習技能」や「学習規律」という面での声かけが非常に多かったという事実。
 これは、教科学習全般、学級づくりへの布石ととらえることができるだろう。

 そうしたことを、飛び込みの授業で強調するということは何を意味するか。

 私は、大きく二つのことを考えた。

 一つは、自学級で重視していることの表現。
 つまり、佐藤先生からの提言ということである。

 そしてもう一つは、出合った子どもたちに対する誠意である。
 飛び込みという、制限された時間、環境の中では
軽視されても当然のことであり、責任が問われることなどない。
 そうした中にあって、にこやかにその心を発揮できることに
佐藤先生の並々ならぬ力量と熱意を感じた。

 子どもの作業や返答に対する声かけは常に肯定的であり、励ましに満ちていた。
 それは教室だけでなく、終了後の懇談やメールでの交信でも変わらなかった。

 その姿は「教育」に対する布石の連続と表現するにふさわしい。

 今冬最初の寒波の中を、笑顔で本校に駆けつけてくれた佐藤正寿先生に改めて感謝したい。