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フィニッシュの蓄積こそ

2006年12月19日 | 読書
 日垣隆氏の書いた『世間のウソ』という新書は結構おもしろかったという記憶がある。
 情報のあふれる社会を生き抜く視野が広がったような気がした。

 その日垣氏の『知的ストレッチ入門』という著書を読んでみた。
 収納ボックスの写真を使い、白を基調とした表紙はすっきりしていて知的な感じがする。

 私は懲りもせず1カ月に100冊以上の本を読んでいます。

 さらっと書いてある一言に、そうだろうなあと感じてしまう。
 年に100冊ペースでふうふういっている自分とは、三つぐらいの壁がそこにあるようだ。

 読書術、仕事術…決断術まで、なるほどと思う記述にあふれている。
 特に印象に残ったのは、「フィ二ッシュの回数」という箇所。

 もともとエネルギーのある人間はともかくとして、自分はそうでないと思っている人は、
「確実にできる仕事」ばかりしていても、成長する力にはならないでしょう。
これこそ「知的ストレッチ」における最も大切な内実です。

 腕や背や足を伸ばしてみるという意味でのストレッチを仕事に置き換えれば
ほんの少し遠い目標を掲げ進めていくということになろう。
 そんな設定をし、達成したら「完」とし、また次の設定へと向う。

 教育の仕事の目標設定はかなり難しいことではあるが
そして、時に悩み、逡巡することも大事だが
その場に留まっているだけでは許されないし、足腰や腕は縮こまってしまうだけだ。

 知識や経験値をどうやって定着させていくか。ただ漠然と蓄積するのでも、体験としてどれだけのものに関わったかでもなく、どれだけのものをフィニッシュさせたか、これがとにかく一番重要です。

 よく似た言葉として「ゴール」がある。
(最近、こちらはよく指導計画等でも使われることがある)
 ただ、ゴールは初めから決まっている地点であったり
完成物や完成発表といった型優先のイメージがある。

 それに対して、フィニッシュは「最後のキメ」的なイメージであり、そこに「力がこもる」。
 漫然とゴールをするのでなく、
力のこもったフィニッシュこそが
その蓄積こそがストレッチと言えるのだろう。