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キーワードを波及させる信念

2006年12月10日 | 読書
 『集中が生まれる授業』(今泉博著・学陽書房)を読んで、
 今泉実践のキーワードは、「推理」「想像」であることが読みとれた。

 改めて、「初めての出会い」であったベネッセの冊子を読み直してみると
案の定「推理と想像力がかき立てられる授業」が図化された中心にある。

 単行本に挙げられているいくつかの実践例にも興味をひかれたが
冊子のインタビューにあったごく単純な一行の文が目をひいた。

例えば説明文の場合、タイトルの「アリの行列」という言葉だけで、内容のかなり重要な部分が想像できる

 かつて、「題名読み」と称して、本文を読む前に題名から想像できることなどを発表させていたことがあった。
 物語文が中心で、言ってみれば興味付けのねらいを持った活動だったと思う。
 しかし、ここでずばりと言い切られていることは
「説明文」「内容」であり、目のつけどころが違うと感じた。
 確かに「アリの行列」であれば、仮に1時間を費やしても題名読みは可能であろうし
 そこでの「推理」や「想像」が、本文と重なり有機的に働くことは十分予想される。

 著書にある社会科、算数などの実践例でも、導入に提示されるモノや資料は極めて少なく、限られた部分の場合が多い。

 それは、情報の限定こそが「推理・想像」の力に働きかけることに有効であるし
同時に「集中」も促しているという事実があるからだろう。

 実践のキーワードを持つということは、建前ではなくて
全てに波及させるという信念が必要だ、と改めて思う。