すぷりんぐぶろぐ

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教師も調教師も一生を見る

2007年05月18日 | 雑記帳
 『プロフェッショナル 仕事の流儀』は楽しみにしていた藤澤和雄調教師の回である。
 内容そのものは、正直いつもよりぼんやりしている印象を受けた。藤澤の語り口がそんな感じがするからだろうか…
 しかし、私にとってはとても印象深いナレーションがあった。
 藤澤は学生時代に教師を目指していたという。
 そして、教育実習に行き「性に合わない」と止めたという。

 もし、藤澤が教師になっていたらどんな指導をしたのだろうか。
 現在の仕事ぶりから想像してみることは楽しい。

 「馬なり調教」ということを当てはめれば、子どもの気持ちに即した指導ということになろうか。それはあまり負荷をかけない印象がある。
 ただ藤澤の特徴はそれだけではない。
 「歩き運動」の徹底によって心肺機能を高めていくというやり方はどうだろう。これは基礎的なことの継続というイメージである。人の何倍も行うという。
 そこには興味・関心に応ずるというより、有無を言わせず必要なことは徹底して続けていく姿があるように思う。

 藤澤の笑顔は印象的だ。
 そして番組の中で頻繁に登場する、馬にかける声も明るいトーンがある。
 その二つも、教師の資質としてはとても大きいと感じた。

 何より、この主張が素晴らしい。

 一勝より一生

 番組後半に登場したある馬への調教では、勝つ方法を探るより、将来を見通したよりやっかいな方法が選択された。
 勝ちを期待され、勝ちたいと願うのは当然のことではあるが、それより大事なことがある。
 私たちの仕事もかくありたい。

 ところで、ふと思い出し、考えた。
 私にも一度、教育実習に行って「性に合わない」と一日で実習を止めた経験があった。その学校の雰囲気に耐えられなかった。
 藤澤の「性に合わない」はどこからきたのだったろうか。