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陥穽から風穴をさがす…2

2007年12月27日 | 雑記帳
 秋田県の学力検査の平均点(小学生)が全国トップだったことに関しては、マスコミなどでも結構取り上げられている。12/19の朝日新聞の記事も少し話題になったようだ。横浜の野中信行先生もブログで取り上げていらした
 しかしその渦中?にいる私たちは、それをどう受けとめどう進んでいくのか実はあまり明確になっていない気がする。

 他県との比較では諸々のデータに関して低迷している現状のなか、この結果を生かして「教育立県」を目指したいという県教委の考え方も頷ける。しかし、「では何をするか」と問い詰めてみるとき、様々な方策を考えても行く先がぼんやりとしている不安は拭いきれないのである。まさか、今回点数が悪かった部分の対策をしていけばそれでいいなどと誰も思っていないはずだ。

 これは結局、地方と都会の問題と重なっていく。グローバル化の中での地方自治体のあり方が問われている。平均点を上げることが、どんな人材を育てようとしているのかという点にはたして結びついているのか。現場の我々には確かに荷が重いのかもしれない。
 しかし、たくさんの優秀な人材が輩出できたとして、それらの行方が本県に「幸せ」をもたらすものになるのかという疑問をもってはいけないものだろうか。

 唐突ではあるが、プロ野球の広島カープの主力の流出にもイメージが重なる。自前で育ててきたプレーヤーは他球団へ渡り、大リーグを目指す…そのこと自体は責められないかもしれないが、残された球団の光は確かに弱くなっていく。では、その育成に関わった人たちは何のために力を注いだのか、ということにならないか。

 精神科医の和田秀樹氏が、夏ごろに雑誌連載していた文章を思い出した。ネット上でも見ることができた

 具体的な施策として見えるものがあれば、地方の一教員の思いは少し晴れる気がしている。
 それにしても、今になって考えるとあの「ふるさと納税」を言い出した菅前総務大臣が、我が秋田県の(それも私の勤めている市)出身者であることは実に象徴的である。