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つぼをいっぱいにして吉を待つ

2016年12月18日 | 雑記帳
 商品として出しているお菓子のオマケとしておみくじを作ってみた。
 http://spring254.blog.fc2.com/blog-entry-204.html

 その過程で「運勢」について考えようと思い、何気なく「吉」という字を調べたら、結構面白いと思った。



 まず読み方であるが、「キチ」と「キツ」があり、キチの方が一般的とはいえキツの方がそもそもだったのではないかとも考えられる。
 精選日本語大辞典には「キツ」が優先されていた。
 「吉報」「吉方」「吉凶」…など、結構ある。

 意味については「よいこと、めでたいこと」で調べるまでもないと思ったが、新明解と日本語大辞典(講談社)が、面白い記述をしている。

 「さいさきがよい」

 さいさきとは「幸先」である。
 それ自体が「めでたい事のある前ぶれ」という意味を持つ。
 つまり「よい事のある前ぶれがやってきて、それがとてもよい」という、非常にラッキーいっぱいの字なのである。


 「吉」の字源は諸説あるが、いずれにしても「口」は器を表している。
 上の「士」の部分が「まさかり」か「ふた」なのかは定かでない。

 個人的にいいなあと思う解釈が、大漢和辞典にある。

 「つぼをいっぱいにしてふたをした姿を描いた形」

 つまり、中身が充実しているという様子から、よい事へ結びつくのだろう。


 さて、未来を占う運勢で「吉」という字が使われる訳を、今までの解釈をもとに考えられないだろうか。

 今、自分の持っている「つぼ」をいっぱいにすることが、よい事の前ぶれにつながる。
 幸先のいいスタートをきれるための、大きな力となる。

 あと二週間となったこの年を、「吉」という字が示すように中味を充実させれば、新しき年も「吉」となるように廻っていくのである。