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『鬼平』幕引きに放言

2016年12月11日 | 雑記帳
 時代劇チャンネルを視聴するほどのファンではないが、「鬼平犯科帳」は続けてみていた。連続ドラマ終了後のスペシャルも欠かさず観たと思う。周知のように今月初めの2夜連続がファイナル。某所で手に取った週刊誌を覗いていたら、撮影終了時、吉右衛門に殺陣師の方が駆け寄ってきて涙を見せたという記事があった。



 平成元年に始まり150作目で閉じるという。やむを得ないのではないか。今回のスペシャルは殺陣のシーンが何度かあったが、やはり年齢を感じさせた。吉右衛門は何度か歌舞伎座の舞台で見て、その存在感の凄さは承知している。テレビで見せる鬼平も変わりなく見えるが、やはり細かいところが目に付くのも画面だ。


 この「鬼平犯科帳」のドラマは、吉右衛門の実父である松本白鷗(当時は松本幸四郎)が主演した番組も見た記憶がある。それを息子が引き継いだのだから、どうせなら何年か後に、昨日発表された十代目松本幸四郎に引き継いでもらいたいものだ。彼の甘いマスクは不向きと思う方もいるだろうが、血は大事にしたい。


 配役を変える妙味もでるかもしれない。そういえば最終作となった「雲竜剣」も二度目のはずである。今回、伯道役は田中泯だった。これもなかなか渋かったが、前回はあの露口茂だった。「太陽にほえろ」のあのヤマサンが好演した。名作だったという印象が残る。池波作品の良さを生かすには、やはりキャストだ。


 そう思うと、亡くなった江戸屋猫八、高橋悦史を含め、綿引勝彦、梶芽衣子など実にはまり役だ。いや、徐々にはまっていったのか。多くのファンに支えられてキャラクターが出来たいい典型だ。木村忠吾役の尾美としのりなどは、誰が代役できるかというほど馴染んだ。寂しいが、新シリーズ化に思いを馳せたい。