すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

レベル更新のきっかけ

2016年12月27日 | 読書
Volume32

 「リアリティの破れ目、というかレベル更新のきっかけは、むしろ日常の思いがけないところに偏在している」

 
 現代社会にある閉塞感、仕事や家庭など個人的に抱える圧迫感を打ち破ろうと、人は旅をしたり、何かの限界に挑戦したり、または積極的に学んだりと忙しい。
 屋久島に行く、日蝕を観るなど「インスタント巡礼的な発想」も生んでいると、歌人穂村弘は上の文章とともに、そんなことも書いていた。
 奇蹟へ行くことによって、人生が変わるなどというイメージを持っている人は少なくないかもしれない。

 しかし、周囲に取り巻かれもしくは自ら囲い込んで、抑え込まれているリアリティのレベルを上げようと思うならば、それはやはり目の前の現実からしか掬い取ることしかできないのだ。



 かつて自分は様々な研修会で学んだ。

 いくつもの衝撃的な場面を見たり、心が震える話も聞いたりもした。

 ただ、その場その時に、力がついたとか見る目が変わったとかは絶対ないものだ。

 教室や職場において日常のある場に立ち止まった時、それはふいに納得し実感し得る。
そんな経験がいくつかはあった。

 ほんの少しの習慣づけや、視点の変化がもたらしてくれることが多い。