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■□ 2015.10.3
■□ K-Net 社労士受験ゼミ
■□ 合格ナビゲーション No623
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└■ 本日のメニュー
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1 はじめに
2 平成27年社会保険労務士試験に係る問題誤りについて
3 第34回労働社会保険諸法令関係事務指定講習体験記5
4 過去問データベース
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└■ 1 はじめに
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10月になりました。
平成28年度試験に向けて勉強をスタートされている方、多いでしょう。
とはいえ、試験までは、まだ300日以上あります。
ただ、社会保険労務士試験の出題範囲は広いですし、
時間は、油断していると、たちまち経ってしまいます。
ですので、「まだまだ先」なんて思っていると・・・
気が付いたときは、間に合わないなんてこともあり得ます。
社労士試験に合格するためには、
地道に、コツコツと、勉強を続けることが大切です。
そうすると、試験まで、そう長くはないかもしれませんね。
ということで、
1日1日を大切にして、合格に向けて進んで行きましょう。
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└■ K-Net社労士受験ゼミからのお知らせ
K-Net社労士受験ゼミの平成28年度試験向け会員の受付を
開始しました。
会員の方に限りご利用いただける資料は
http://www.sr-knet.com/2016member.html
に掲載しています。
会員資格の種類や会費、その他ご利用に関することは
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をご覧ください。
お問合せは↓
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└■ 2 平成27年社会保険労務士試験に係る問題誤りについて
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9月29日に、試験センターが
「平成27年社会保険労務士試験に係る問題誤りについて」
http://www.sharosi-siken.or.jp/pdf/01_05_mondaiayamari.pdf
という発表をしました。
平成27年度試験を受験された方、試験後に、いろいろな資格の団体が発表する
解答速報を見られていると思いますが、その中で、「正答がない」ようなものが
あったかと思います。
それに関して、択一式の雇用保険法の問6の問題に誤りがあったということを
発表しています。
この問題、組合せ問題という性質から、複数正答にはすることができないところが
あるので、受験者全員を正答扱いにしています。
つまり、択一式では、全員が1点プラスされるということです。
雇用保険法は、得点があまり取れていなかった方がかなりいるようですから、
この1点で救われるなんてこともあるかもしれませんね。
トータルの基準点に関しては、単純に平均点が1点上がることになるので、
それに連動して1点上がるかもしれませんが、それでも、40点台の前半では
ないでしょか?
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└■ 3 第34回労働社会保険諸法令関係事務指定講習体験記
<通信指導課程>
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こんにちは、cyunpeiです。
今回は通信指導課程のレポートの進め方について書いていきます。
レポートの進め方については、それぞれ自分のやりやすい方法があるかと思い
ますが、ここでは参考に私の進め方を書いてみたいと思います。
私の場合はまず、研究課題で設定された事例をよく読み、手続きに必要な書類
名を書き出すことから始めました。この書き出したものが、レポートと一緒に提出
する「必要となる手続メモ」となります。
ひとつずつ手続き書類を書きながら進めてもいいのですが、与えられた事例の
ような場合に、必要な手続きとは何かをじっくりと時間をかけて抽出することに
重点を置きました。
この作業の際に役立ったのが、社会保険労務ハンドブックの巻末の「届出申請
等手続一覧」と地元県の社会保険協会が発行している「社会保険関係申請書・
届出書の提出先」というペーパーでした。
特に、社会保険協会が発行したものは、事業所設立から、採用、退職、死亡
までの流れに沿って、健康保険と年金に関する手続きが書かれており非常に
わかりやすい資料でした。この資料は作成している県とそうでない県があるよう
ですので、各県の社会保険協会のホームページを確認してみてください。
書類を書いていると、ただ単に課題として与えられた条件を書類に転記する
だけのものもありますが、中にはちょっと考えないといけない課題もあります。
そういう課題のときは、久しぶりに受験参考書を見直したりして受験生時代に
勉強したことを思い出す良いきっかけになりました。
同時に今更ながら「これってこういうことだったんだ」と改めて気づかされる
点もたくさんありました。
レポートは3回に分けて提出します。それぞれ提出日の目安がありますが、
あくまでも目安ですので、最悪は最終締め切りまでに全ての課題を提出すれば
大丈夫ですし、早く終わった方は早く提出しても構いません。私も3回分を
まとめて、結構早く提出しました。
添削が終了すると、添削結果が返送されてきます。3回目の添削結果の中に、
「貴殿の通信指導課程は、完了しましたことを通知いたします。」と書かれた
完了通知書が同封されていれば、通信指導課程は無事修了です。
添削結果には、各研究課題に係る留意事項や参考資料とともに自身が作成
した「必要となる手続メモ」が同封されてきます。「必要となる手続メモ」には
記載に不足があった場合には「不足あり」と記載されてきますので、何が不足
であったか確認しておくとよいと思います。
また、作成したレポートにも間違いがあった場合には赤ペンでチェックが
入ってしまうので、こちらも要確認です。
個人的には、通信教育のようにアドバイス入りでもっと細かく添削してくれ
ればよかったのになぁ、と思いました。
つづく
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└■ 4 過去問データベース
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今回は、平成27年-労基法問4-B「賃金の全額払」です。
☆☆======================================================☆☆
過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除
することは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびや
かすおそれがないため、労働基準法第24条第1項に違反するものではないと
するのが、最高裁判所の判例である。
☆☆======================================================☆☆
「賃金の全額払」に関する判例の問題です。
次の問題をみてください。
☆☆======================================================☆☆
【 18-2-B 】
最高裁判所の判例によると、労働基準法第24条第1項本文の定めるいわゆる
賃金全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除する
ことを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済
生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべき
であるから、使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権
と相殺することを禁止する趣旨をも包含するものであるが、労働者がその
自由な意思に基づき当該相殺に同意した場合においては、当該同意が労働者
の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が
客観的に存在するときは、当該同意を得てした相殺は当該規定に違反する
ものとはいえないものと解するのが相当である、とされている。
【 25-7-エ 】
いわゆる全額払の原則の趣旨は、使用者が一方的に賃金を控除することを
禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を
脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきである
とするのが、最高裁判所の判例である。
【 26-3-オ 】
労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる「賃金全額払の原則」は、労働者
の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する債権を
もって相殺することを許されないとの趣旨を包含するものと解するのが相当
であるが、その債権が当該労働者の故意又は過失による不法行為を原因とした
ものである場合にはこの限りではない、とするのが最高裁判所の判例である。
【 12-4-C 】
最高裁判所の判例によると、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、
労働基準法第24条第1項ただし書によって除外される場合に当たらなくても、
その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上
不当と認められないものであれば同項の禁止するところではない。
【 21-選択 】
賃金の過払が生じたときに、使用者がこれを精算ないし調整するため、後に
支払われるべき賃金から控除することについて、「適正な賃金の額を支払うため
の手段たる相殺は、〔…(略)…〕その行使の時期、方法、金額等からみて労働者
の( B )との関係上不当と認められないものであれば、同項(労働基準法第
24条第1項)の禁止するところではないと解するのが相当である」とするのが
最高裁判所の判例である。
☆☆======================================================☆☆
いずれも「賃金全額払」に関する最高裁判所の判例からの出題です。
で、【 18-2-B 】【 25-7-エ 】【 26-3-オ 】の判例は、使用者が
一方的に賃金を控除することは禁止されており、労働者に対して有する債権
と労働者の賃金債権とを使用者側が一方的に相殺することは認めないという
ことをいっています。
ただ、相殺について例外もあり、【 18-2-B 】にあるように、
「労働者がその自由な意思に基づき当該相殺に同意した場合」
には可能となります。
ですので、【 18-2-B 】と【 25-7-エ 】は正しいです。
そこで、【 26-3-オ 】で、「この限りでない」と相殺が許される記述が
あります。
【 18-2-B 】の場合とはまったく異なる場合になりますが、この場合は、
相殺は認められません。
最高裁判所の判例では、
「労働者の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する
債権をもって相殺することを許されないとの趣旨を包含するものと解するのが
相当である。このことは、その債権が不法行為を原因としたものであっても
変りはない」
としています。
つまり、労働者の不法行為を理由とする損害賠償債権との相殺の場合であっても、
使用者による一方的な相殺は賃金全額払の原則に違反することになります。
とういうことで、【 26-3-オ 】は誤りです。
【 27-4-B 】【 12-4-C 】【 21-選択 】は、別の判例からの出題です。
これらの判例では、使用者側の一方的な相殺は認めないけど、例外もあるという
ことをいっていて、【 12-4-C 】は正しいですが、【 27-4-B 】は誤り
です。
「過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除
すること」、これは、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺のことであり、
【 12-4-C 】にあるように、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者
の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば全額払の原則に
違反しません。
ですので、「少額である」ことのみをもって相殺が認められるわけではあり
ません。
それと、【 21-選択 】のBには、「経済生活の安定」が入ります。
この言葉は、これらの判例のキーワードといえるでしょう。
最近は、択一式、選択式、いずれについても判例が頻出です。
ですので、過去に出題された判例は確実に押さえておきましょう。
1度出題されたもの、このように繰り返し出題されることが多いですから。
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発行:K-Net 社労士受験ゼミ
加藤 光大
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1 はじめに
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└■ 2 平成27年社会保険労務士試験に係る問題誤りについて
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9月29日に、試験センターが
「平成27年社会保険労務士試験に係る問題誤りについて」
http://www.sharosi-siken.or.jp/pdf/01_05_mondaiayamari.pdf
という発表をしました。
平成27年度試験を受験された方、試験後に、いろいろな資格の団体が発表する
解答速報を見られていると思いますが、その中で、「正答がない」ようなものが
あったかと思います。
それに関して、択一式の雇用保険法の問6の問題に誤りがあったということを
発表しています。
この問題、組合せ問題という性質から、複数正答にはすることができないところが
あるので、受験者全員を正答扱いにしています。
つまり、択一式では、全員が1点プラスされるということです。
雇用保険法は、得点があまり取れていなかった方がかなりいるようですから、
この1点で救われるなんてこともあるかもしれませんね。
トータルの基準点に関しては、単純に平均点が1点上がることになるので、
それに連動して1点上がるかもしれませんが、それでも、40点台の前半では
ないでしょか?
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<通信指導課程>
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こんにちは、cyunpeiです。
今回は通信指導課程のレポートの進め方について書いていきます。
レポートの進め方については、それぞれ自分のやりやすい方法があるかと思い
ますが、ここでは参考に私の進め方を書いてみたいと思います。
私の場合はまず、研究課題で設定された事例をよく読み、手続きに必要な書類
名を書き出すことから始めました。この書き出したものが、レポートと一緒に提出
する「必要となる手続メモ」となります。
ひとつずつ手続き書類を書きながら進めてもいいのですが、与えられた事例の
ような場合に、必要な手続きとは何かをじっくりと時間をかけて抽出することに
重点を置きました。
この作業の際に役立ったのが、社会保険労務ハンドブックの巻末の「届出申請
等手続一覧」と地元県の社会保険協会が発行している「社会保険関係申請書・
届出書の提出先」というペーパーでした。
特に、社会保険協会が発行したものは、事業所設立から、採用、退職、死亡
までの流れに沿って、健康保険と年金に関する手続きが書かれており非常に
わかりやすい資料でした。この資料は作成している県とそうでない県があるよう
ですので、各県の社会保険協会のホームページを確認してみてください。
書類を書いていると、ただ単に課題として与えられた条件を書類に転記する
だけのものもありますが、中にはちょっと考えないといけない課題もあります。
そういう課題のときは、久しぶりに受験参考書を見直したりして受験生時代に
勉強したことを思い出す良いきっかけになりました。
同時に今更ながら「これってこういうことだったんだ」と改めて気づかされる
点もたくさんありました。
レポートは3回に分けて提出します。それぞれ提出日の目安がありますが、
あくまでも目安ですので、最悪は最終締め切りまでに全ての課題を提出すれば
大丈夫ですし、早く終わった方は早く提出しても構いません。私も3回分を
まとめて、結構早く提出しました。
添削が終了すると、添削結果が返送されてきます。3回目の添削結果の中に、
「貴殿の通信指導課程は、完了しましたことを通知いたします。」と書かれた
完了通知書が同封されていれば、通信指導課程は無事修了です。
添削結果には、各研究課題に係る留意事項や参考資料とともに自身が作成
した「必要となる手続メモ」が同封されてきます。「必要となる手続メモ」には
記載に不足があった場合には「不足あり」と記載されてきますので、何が不足
であったか確認しておくとよいと思います。
また、作成したレポートにも間違いがあった場合には赤ペンでチェックが
入ってしまうので、こちらも要確認です。
個人的には、通信教育のようにアドバイス入りでもっと細かく添削してくれ
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つづく
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今回は、平成27年-労基法問4-B「賃金の全額払」です。
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過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除
することは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびや
かすおそれがないため、労働基準法第24条第1項に違反するものではないと
するのが、最高裁判所の判例である。
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「賃金の全額払」に関する判例の問題です。
次の問題をみてください。
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【 18-2-B 】
最高裁判所の判例によると、労働基準法第24条第1項本文の定めるいわゆる
賃金全額払の原則の趣旨とするところは、使用者が一方的に賃金を控除する
ことを禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済
生活を脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべき
であるから、使用者が労働者に対して有する債権をもって労働者の賃金債権
と相殺することを禁止する趣旨をも包含するものであるが、労働者がその
自由な意思に基づき当該相殺に同意した場合においては、当該同意が労働者
の自由な意思に基づいてされたものであると認めるに足りる合理的な理由が
客観的に存在するときは、当該同意を得てした相殺は当該規定に違反する
ものとはいえないものと解するのが相当である、とされている。
【 25-7-エ 】
いわゆる全額払の原則の趣旨は、使用者が一方的に賃金を控除することを
禁止し、もって労働者に賃金の全額を確実に受領させ、労働者の経済生活を
脅かすことのないようにしてその保護を図ろうとするものというべきである
とするのが、最高裁判所の判例である。
【 26-3-オ 】
労働基準法第24条第1項に定めるいわゆる「賃金全額払の原則」は、労働者
の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する債権を
もって相殺することを許されないとの趣旨を包含するものと解するのが相当
であるが、その債権が当該労働者の故意又は過失による不法行為を原因とした
ものである場合にはこの限りではない、とするのが最高裁判所の判例である。
【 12-4-C 】
最高裁判所の判例によると、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、
労働基準法第24条第1項ただし書によって除外される場合に当たらなくても、
その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上
不当と認められないものであれば同項の禁止するところではない。
【 21-選択 】
賃金の過払が生じたときに、使用者がこれを精算ないし調整するため、後に
支払われるべき賃金から控除することについて、「適正な賃金の額を支払うため
の手段たる相殺は、〔…(略)…〕その行使の時期、方法、金額等からみて労働者
の( B )との関係上不当と認められないものであれば、同項(労働基準法第
24条第1項)の禁止するところではないと解するのが相当である」とするのが
最高裁判所の判例である。
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いずれも「賃金全額払」に関する最高裁判所の判例からの出題です。
で、【 18-2-B 】【 25-7-エ 】【 26-3-オ 】の判例は、使用者が
一方的に賃金を控除することは禁止されており、労働者に対して有する債権
と労働者の賃金債権とを使用者側が一方的に相殺することは認めないという
ことをいっています。
ただ、相殺について例外もあり、【 18-2-B 】にあるように、
「労働者がその自由な意思に基づき当該相殺に同意した場合」
には可能となります。
ですので、【 18-2-B 】と【 25-7-エ 】は正しいです。
そこで、【 26-3-オ 】で、「この限りでない」と相殺が許される記述が
あります。
【 18-2-B 】の場合とはまったく異なる場合になりますが、この場合は、
相殺は認められません。
最高裁判所の判例では、
「労働者の賃金債権に対しては、使用者は、使用者が労働者に対して有する
債権をもって相殺することを許されないとの趣旨を包含するものと解するのが
相当である。このことは、その債権が不法行為を原因としたものであっても
変りはない」
としています。
つまり、労働者の不法行為を理由とする損害賠償債権との相殺の場合であっても、
使用者による一方的な相殺は賃金全額払の原則に違反することになります。
とういうことで、【 26-3-オ 】は誤りです。
【 27-4-B 】【 12-4-C 】【 21-選択 】は、別の判例からの出題です。
これらの判例では、使用者側の一方的な相殺は認めないけど、例外もあるという
ことをいっていて、【 12-4-C 】は正しいですが、【 27-4-B 】は誤り
です。
「過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除
すること」、これは、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺のことであり、
【 12-4-C 】にあるように、その行使の時期、方法、金額等からみて労働者
の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば全額払の原則に
違反しません。
ですので、「少額である」ことのみをもって相殺が認められるわけではあり
ません。
それと、【 21-選択 】のBには、「経済生活の安定」が入ります。
この言葉は、これらの判例のキーワードといえるでしょう。
最近は、択一式、選択式、いずれについても判例が頻出です。
ですので、過去に出題された判例は確実に押さえておきましょう。
1度出題されたもの、このように繰り返し出題されることが多いですから。
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