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令和3年-労基法問3-エ「賃金の全額払(判例)2」

2021-10-15 04:00:01 | 過去問データベース

今回は、令和3年-労基法問3-エ「賃金の全額払(判例)2」です。

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労働基準法第24条第1項の禁止するところではないと解するのが相当と解される
「許さるべき相殺は、過払のあつた時期と賃金の清算調整の実を失わない程度に
合理的に接着した時期においてされ、また、あらかじめ労働者にそのことが予告
されるとか、その額が多額にわたらないとか、要は労働者の経済生活の安定を
おびやかすおそれのない場合でなければならない」とするのが、最高裁判所の判例
である。

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「賃金の全額払(判例)2」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H29-6-D 】
賃金の過払を精算ないし調整するため、後に支払われるべき賃金から控除する
ことは、「その額が多額にわたるものではなく、しかもあらかじめ労働者にその
ことを予告している限り、過払のあつた時期と合理的に接着した時期において
されていなくても労働基準法24条1項の規定に違反するものではない。」と
するのが、最高裁判所の判例である。

【 H27-4-B 】
過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除する
ことは、その金額が少額である限り、労働者の経済生活の安定をおびやかすおそれ
がないため、労働基準法第24条第1項に違反するものではないとするのが、最高
裁判所の判例である。

【 H12-4-C 】
最高裁判所の判例によると、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、
労働基準法第24条第1項ただし書によって除外される場合に当たらなくても、
その行使の時期、方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当
と認められないものであれば同項の禁止するところではない。

【 H21-選択 】
賃金の過払が生じたときに、使用者がこれを精算ないし調整するため、後に支払
われるべき賃金から控除することについて、「適正な賃金の額を支払うための
手段たる相殺は、〔…(略)…〕その行使の時期、方法、金額等からみて労働者
の( B )との関係上不当と認められないものであれば、同項(労働基準法第
24条第1項)の禁止するところではないと解するのが相当である」とするのが
最高裁判所の判例である。

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ここで掲げた問題は、「賃金全額払」に関する最高裁判所の判例についてのもの
です。
ただ、前回の判例とは異なる判例です。

そこで、
これらの判例では、使用者側の一方的な相殺は認めないけど、例外もあるという
ことをいっていて、【 R3-4-C 】と【 H12-4-C 】は正しいですが、
【 H29-6-D 】と【 H27-4-B 】は誤りです。

「過払いした賃金を精算ないし調整するため、後に支払わるべき賃金から控除
すること」
これは、適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺のことであり、この相殺
について、判例では、
適正な賃金の額を支払うための手段たる相殺は、同項但書(賃金全額払の例外)
によって除外される場合にあたらなくても、その行使の時期、方法、金額等から
みて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められないものであれば、同項
(賃金全額払の原則)の禁止するところではないと解するのが相当である。この
見地からすれば、許さるべき相殺は、「過払のあった時期と賃金の清算調整の実を
失わない程度に合理的に接着した時期においてされ」、また、「あらかじめ労働者
にそのことが予告される」とか、「その額が多額にわたらない」とか、要は労働
者の経済生活の安定をおびやかすおそれのない場合でなければならないものと
解せられる。としています。

【 H12-4-C 】では、この前段を出題し、【 R3-4-C 】では後段を
出題していますが、このような相殺は、前段にあるように、その行使の時期、
方法、金額等からみて労働者の経済生活の安定との関係上不当と認められない
ものであれば賃金全額払の原則に違反しません。

そのため、
「過払のあった時期と賃金の精算調整の実を失わない程度に合理的に接着した
時期においてされる」ものであれば、労働基準法24条1項の規定に違反しません
が、「合理的に接着した時期においてされていなくても」というのでは違反となり
ます。また、「少額である」ことのみをもって相殺が認められるものではありま
せん。

【 H21-選択 】のBには、「経済生活の安定」が入ります。
この言葉は、これらの判例のキーワードといえるでしょう。

択一式、選択式、いずれについても判例が頻出です。
ですので、過去に出題された判例は確実に押さえておきましょう。
1度出題されたもの、繰り返し出題されることが多いですから。

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安衛法H17-10-B

2021-10-15 04:00:00 | 今日の過去問

今日の過去問は「安衛法H17-10-B」です。

【 問 題 】

深夜業を含む業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場
にあっては、その事業場に専属の産業医を選任しなければならない。

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【 解 説 】

次の事業場においては、その事業場に専属の産業医を選任しなければ
なりません。「深夜業を含む業務」は、その従事する労働者数が500人
以上の場合に産業医を専属とする業務に含まれます。
● 常時1,000人以上の労働者を使用する事業場
● 坑内における業務等一定の有害業務に常時500人以上の労働者を
 従事させる事業場

 正しい。


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