K-Net社労士受験ゼミ 合格ナビゲーション

社会保険労務士試験の合格を目指す方を応援するページ

1088号

2024-10-12 02:00:00 | 合格ナビゲーション・バックナンバー

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■□   2024.10.5
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■□               合格ナビゲーション No1088
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1 はじめに

2 合格基準

3 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集

4 過去問データベース

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└■ 1 はじめに
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10月2日に、令和6年度社会保険労務士試験の合格発表がありました。

令和6年度の試験の
受験申込者数 53,707人(前年53,292人、対前年 0.8%増)
受験者数    43,174人(前年42,741、対前年 1.0%増)
でした。
受験申込者数は。平成29年度から令和2年度までは5万人を下回って
いましたが、令和3年度に、再び5万人を超え、令和5年度は9年ぶりに
53,000人を超え、令和6年度はさらに増えました。
また、令和4年度、受験者数が7年ぶりに4万人を超え、それから3年
連続で、4万人を超えています。
その中で合格された方は、 2,974人でした。
合格された方、おめでとうございます。

で、合格率は6.9%(前年度6.4%)です。
昨年度の合格率に比べると高くなっています。
平成29年度から令和2年度までの4年間と令和5年度は、やはり6%台
でしたが、これらと比べやや高くなっています。

合格基準などについては
「2 合格基準」のほうに記しています。

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└■ 2 合格基準
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令和6年度試験の合格基準は、

<選択式試験>
総得点25点以上 かつ 各科目3点以上
ただし、労務管理その他の労働に関する一般常識は2点以上 です。

<択一式試験>
総得点44点以上 かつ 各科目4点以上 です。

選択式試験は、「労務管理その他の労働に関する一般常識」で
基準点の引き下げがありました。
白書、労働経済、判例、法令の組合せであったことから、
3点以上を確保できなかった受験者が多くなってしまったという結果に
からでしょう。

選択式の科目別の基準点は、3点以上の受験者の占める割合が5割に満たない
場合は、原則として引き下げ補正することになっています。
令和6年度は、「労務管理その他の労働に関する一般常識」が、これに該当し
ました。また、
「引き下げ補正した合格基準点以上の受験者の占める割合が7割以上の場合、
原則として引き下げを行わないこと」
とされていますが、「労務管理その他の労働に関する一般常識」は、これに
該当しなかったことから、引き下げが行われました。

択一式の基準点については、
平成23年度から25年度まで3年連続の46点、
平成26年度と平成27年度は45点、
平成28年度は42点、平成29年度と平成30年度は45点で、
令和元年度から令和5年度までは43点、44点、45点、44点、45点と
45点前後が基準点になることが多く、令和6年度もこの範囲内でした。

問題の内容や基準点との関係で合格率を見ると、
ここのところの傾向と同じで、合格基準点が高いわけではないにも
かかわらず、合格率がそれほど高くないという感じです。

これは、基本がしっかりとできていないことにより、正解すべきレベルの問題で
正解することができないという受験者が相当いるからではないでしょうか。
また、基本がしっかりできていないので、応用的な問題に対応することが
できないというところもあるのではないでしょうか。

ですので、令和6年度試験では、残念な結果になった方、
来年度試験の合格を目指すのであれば、
まず、当然、基本を確固たるものとして、「正確な知識」を身に付けて、
得点できる問題を確実に得点できるようにしていきましょう。
それに加えて、ここのところは、事例などの応用問題が出ているので、
そのような問題に対応することができる応用力を養うようにしましょう。

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└■ 3 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集2
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Q 適用拡大の実施により、短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の
 被保険者資格の取得要件はどのようになるのか。令和6年10 月1日からは
 何が変わるのか。

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平成28年10月1日より適用拡大が実施されたことにより、「1週の所定
労働時間」及び「1月の所定労働日数」が、同一の事業所に使用される通常
の労働者の所定労働時間及び所定労働日数の4分の3以上(以下「4分の3
基準」という。)である労働者については、厚生年金保険・健康保険の被保険
者となります。
4分の3基準を満たさない場合であっても、次の(1)から(4)までの4つの要件
(以下「4要件」という。)を満たす場合は、新たに厚生年金保険・健康保険
の被保険者となります。
(1) 1週の所定労働時間が20時間以上であること。
(2) 所定内賃金が月額8.8万円以上であること。
(3) 学生でないこと。
(4) 以下のいずれかの適用事業所に使用されていること
1. 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民
 年金法等の一部を改正する法律(平成24年法律第62号。)附則
 第17条第12項及び第46条第12項に規定する特定適用事業所
 (以下「特定適用事業所」という。)
2. 労使合意により事業主が適用拡大を行う旨の申出を行った特定
 適用事業所以外の適用事業所(国又は地方公共団体の適用事業所
 を除く。)
3. 国又は地方公共団体の適用事業所(※)
(※) 国又は地方公共団体等(一部の独立行政法人等を含む、以下
  「国等」という。)に勤務する短時間労働者に対しては、令和4年
  10月1日以後、国家公務員・地方公務員共済組合制度の短期給付・
  福祉事業が適用されることから、国等の適用事業所については健康
  保険に係る徴収、給付は行いません。
令和6年10月1日(以下「施行日」という。)以降は、特定適用事業所
における、いわゆる企業規模要件について、使用される厚生年金保険の
被保険者の総数が常時100人を超える企業から常時50人を超える企業
に拡大されます。

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└■ 4 過去問データベース
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今回は、令和6年-労基法・問1-D「出向労働者」です。

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「在籍型出向(出向元及び出向先双方と出向労働者との間に労働契約関係がある
場合)の出向労働者については、出向元、出向先及び出向労働者三者間の取決め
によって定められた権限と責任に応じて出向元の使用者又は出向先の使用者が、
出向労働者について労働基準法等における使用者としての責任を負う。

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「出向労働者」に関する問題です。

次の問題をみてください。

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【 H14-2-A 】
いわゆる在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方と
それぞれ労働契約関係があるので、原則として出向元及び出向先に対しては
それぞれ労働契約関係が存する限度で労働基準法等の適用があるが、その
うち労働契約関係の基本である賃金に関する事項については出向元のみが
使用者となり、それ以外の事項については、出向元、出向先及び出向労働者
三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じて、出向元の使用者
又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法等における使用者
としての責任を負うものと解されている。

【 H12-1-D 】
いわゆる在籍型出向により出向先の指揮命令の下で労働する労働者について
は、雇用主である出向元は出向先での労働に関しても労働基準法の各条文
について全面的に使用者としての責任を負う一方、出向先は、その権限と
責任に応じて労働基準法における使用者としての責任を出向元と連帯して
負うにとどまる。

【 H19-1-A 】
いわゆる在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方と
それぞれ労働契約関係があるので、出向元及び出向先に対しては、それぞれ
労働契約関係が存する限度で労働基準法の適用がある。すなわち、出向元、
出向先及び出向労働者三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じ
て出向元の使用者又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法に
おける使用者としての責任を負うものである。

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いずれも、在籍型出向の出向労働者に対する使用者責任は、出向元が負うのか、
出向先が負うのかを論点にしています。

【 H14-2-A 】では、賃金に関する事項だけ扱いが異なるような記述
があります。
【 H12-1-D 】では、出向元は全面的に責任を負うという記述があり
ます。

一方、【 R6-1-D 】と【 H19-1-A 】では、三者間の取決めに
よるとあります。

在籍型出向は、出向先と出向労働者との間に出向元から委ねられた指揮命令
関係ではなく、労働契約関係及びこれに基づく指揮命令関係がある形態です。
また、在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方とそれ
ぞれ労働契約関係があるので、出向元及び出向先に対しては、それぞれ労働
契約関係が存する限度で労働基準法等の適用があります。
すなわち、在籍型出向の出向労働者に関しては、出向元、出向先及び出向
労働者三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じて、出向元の
使用者又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法等における
使用者としての責任を負うものとされています。

ですので、【 H14-2-A 】、【 H12-1-D 】は誤りで、【 R6-1-D 】
と【 H19-1-A 】は正しいです。

労働者派遣とは異なり、在籍型出向は、出向元及び出向先のいずれについても
労働契約関係がある、つまり、労働者としての籍を二重に有することになるので、
単純にどっちの責任と法的に決めるのは困難です。
その状況によって、判断をしていかなければなりませんので。
ということで、
当事者間の取決めによりましょうってことになっています。

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発行:K-Net 社労士受験ゼミ
              加藤 光大
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