今回は、選択式問題のうち
労働一般の問題をみてみましょう。
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1 我が国の女性の労働力率を縦軸にし、年齢階級を横軸にして描画すると、
あるローマ字の型に似ており、我が国の女性の労働力率は( A )字型
カーブを描くと言われている。平成16年の我が国の女性の労働力率を、
年齢階級別に描いてみると、25歳~29歳層と( B )歳層が左右の
ピークとなり、30歳~34歳層がボトムとなっている。
2 日本の女性の労働力率が特徴的なのは、アメリカ、フランス、イタリア、
ドイツ、スウェーデンの女性の年齢階級別の労働力率が描くカーブが、日本の
男性のそれと同じように概ね( C )型の形状となっているからである。また、
( A )字型のボトムの位置を、長期的に時系列比較してみると、( D )に
移動している。
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女性労働白書からの
女性の労働力率に関する出題ですね
( A )は過去に何度も出題されている
M字型カーブですね。
記述としては平成10年に出題されてますね。
ですので、労働経済の中でも基本中の基本で、はずせません
( B )はピークの一方が25歳~29歳層とあるので、底の30歳~
34歳層の上、35歳~39歳層なんて思われて、選択肢を探して方も
いるのでは。ところがいないんですよね。
そのため、40歳~44歳層を選ばれた方も多いのでは
実は、さらにその上の
45歳~49歳層が正解です。まぁ、これは
できなくても、あきらめがつくというか、致し方ないところですね。
※実は、
労働経済過去問システムで取り上げたのですがね、この論点が
含まれる問題を!たまたまといえば、たまたまなんですがね。
( C )は、女性労働白書に
「欧米諸国はいずれも概ね台形を描いている」とあるように、
台形が
解答になります。
ヒントは「日本の男性のそれと同じように」ですね。男性の年齢階級別の
労働力率は、一般的な想像をすれば、わかるように25歳から60歳までは
ほとんど変わらない状況です。
10代後半から20代前半にかけて上昇し、さらに大半が大学を卒業する
年齢の20代中盤まで上昇し、その後は90%台で推移します。
55歳から徐々に低下し、60歳で定年を迎えることになり、一気に低下します。
ですので、線で結ぶと台形になるのです。
( D )は「上向き」も「右向き」もどちらも可能性があるとはいえます
「右向き」つまり、ボトムの位置、年齢が上がっていると考えればその通りです。
ただ、問題文ではM字型と台形が論点なのですから、
底が上昇しているつまり
「
上向き」と考えるのが自然でしょう。さらに、言えば、最近の過去問を見ると
【11-5-B】
女性の就業意欲の高まり、サービス産業化等を背景に女性の職場進出が進んで
おり、女性の労働力率は昭和50年の45.7%から平成9年は50.4%に上昇して
いるが、年齢階級別にみると、出産・育児期に当たる30~34歳層では、この間、
労働力率は横ばいとなっている。
と出題されていますが、これは誤りの肢で、
「横ばい」という箇所が大きく上昇しているからというのが理由です。
つまり、この問題も底が上向きに移動していることを論点にしているんですね。
( E )の箇所は、ここでは問題文として取り上げていませんが
「
育児休業等に関する法律」が解答でした。
平成15年の選択式の問題で「勤労福祉婦人法」というのが解答になっていた
ことを考えると、社会保険に関する一般常識でたびたび出題される制度の沿革
が労働に関する一般常識でも出題されるようになったと考えられますね。
今後も、出題される可能性があるので、主だった法律は確認しておいたほうが
よいのではないでしょうか。
ちなみに、選択肢にある
「短時間労働者の雇用の管理の改善等に関する法律」
いわゆるパートタイム労働法は平成5年制定、次世代育成支援対策推進法は
平成15年制定です。
以上ですが、
やっぱり、過去問、これをしっかりやっていたかどうか、
この違いによって、
取れたか取れなかったかという差が出る問題でした
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解答
A M
B 45歳~49
C 台形
D 上向き
E 育児休業等に関する法律