Q 最初の雇用期間が2月以内である場合は、当該期間を超えて使用される
ことが見込まれることとして取り扱われることはないのか。
☆☆====================================================☆☆
最初の雇用契約の期間が2月以内であっても、次の(ア)又は(イ)に該
当する場合は、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込まれる場合」
に該当するものとして、最初の雇用期間に基づき使用され始めた時に被保険
者の資格を取得することになります。
(ア)就業規則や雇用契約書その他の書面において、その雇用契約が「更新
される旨」又は「更新される場合がある旨」が明示されていること。
(イ)同一の事業所において、同様の雇用契約に基づき雇用されている者が、
契約更新等により最初の雇用契約の期間を超えて雇用された実績があ
ること。
ただし、(ア)又は(イ)に該当する場合であっても、2月以内で定めら
れた最初の雇用契約の期間を超えて使用しないことについて労使双方が合
意(※)しているときは、「2月以内の雇用契約が更新されることが見込ま
れる場合」には該当しないこととして取り扱います。
(※)書面による合意(メールによる合意も含む。)が必要となります。
今日の過去問は「安衛法H22-9-D」です。
【 問 題 】
事業者は、高圧室内作業(潜函工法その他の圧気工法により、
大気圧を超える気圧下の作業室又はシャフトの内部において
行う作業に限る。)については作業主任者を選任しなければなら
ないが、当該作業主任者は都道府県労働局長の登録を受けた者
が行う高圧室内作業主任者技能講習を修了した者でなければ
ならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【 解 説 】
高圧室内作業については、高圧室内作業主任者の選任が必要ですが、
高圧室内作業主任者は、「高圧室内作業主任者免許を受けた者」から
選任しなければなりません。「高圧室内作業主任者技能講習を修了
した者」ではありません。
なお、作業主任者は、作業の区分に応じて、都道府県労働局長の免許
を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う技能講習を
修了した者のうちから選任しなければなりません。
誤り
労働政策研究・研修機構が
最近の統計調査結果から2024年9月公表分を取りまとめたものを
サイトに掲載しています
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/saikin/2024/202409.html
今日の過去問は「安衛法H17-10-B」です。
【 問 題 】
深夜業を含む業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業
場にあっては、その事業場に専属の産業医を選任しなければなら
ない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【 解 説 】
次の事業場においては、その事業場に専属の産業医を選任しな
ければなりません。「深夜業を含む業務」は、その従事する労働者
数が500人以上の場合に産業医を専属とする業務に含まれます。
● 常時1,000人以上の労働者を使用する事業場
● 坑内における業務等一定の有害業務に常時500人以上の労働者
を従事させる事業場
正しい
10月2日に令和6年度試験の合格発表がありましたが、合格基準点、毎年度、
微妙に変わります。
択一式については、平成23年度以降は、40点台の前半から中ほど、42点から
46点の範囲となっています。
令和6年度も、この範囲内の44点でした。
前年度比は、令和元年度が2点、平成28年度と平成29年度が3点の変動であっ
たほかは、上下なしか1点でした。
では、令和7年度の基準点は、といえば、
実際に試験が行われてみないことにはわかりませんが、これまでの実績どおり、
それほど大きな変動はないのでは?
あくまでも、これは推測ですが。
多少のレベルの上がり、下がりはあったとしても、基本がしっかりとできていて、
ミスをなくせば、7割、つまり、49点近くは得点できるでしょうから、
まずは、この得点を確保できるように、勉強を進めましょう。
それができれば、択一式、
合格基準点を突破することができるでしょう。
今日の過去問は「安衛法H23-8-D」です。
【 問 題 】
常時30人の労働者を使用する旅館業の事業場においては安全衛生
推進者を選任しなければならないが、安全衛生推進者は少なくとも
毎月1回作業場等を巡視しなければならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【 解 説 】
常時10人以上50人未満の労働者を使用する旅館業の事業場において
は、安全衛生推進者を選任しなければなりませんが、安全衛生推進者
には、作業場等の巡視に関する規定は、設けられていません。
誤り
10月11日に、厚生労働省が「令和4(2022)年度 国民医療費の概況」を
公表しました。
これによると、令和4年度の国民医療費は46兆6,967億円、前年度の
45兆359億円に比べ1兆6,608億円、3.7%の増加となっています。
人口一人当たりの国民医療費は37万3,700円、前年度の35万8,800円
に比べ1万4,900円、4.2%の増加となっています。
国民医療費の国内総生産(GDP)に対する比率は8.24%(前年度8.13%)
となっています。
詳細は
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin//hw/k-iryohi/22/index.html
今日の過去問は「安衛法H24-9-C」です。
【 問 題 】
常時60人の労働者を使用する製造業の事業場の事業者は、衛生
管理者を選任する義務があるが、第二種衛生管理者免許を有する
当該事業場の労働者であれば、他に資格等を有していない場合で
あっても、その者を衛生管理者に選任し、当該事業場の衛生に係る
技術的事項を管理させることができる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【 解 説 】
衛生管理者は、都道府県労働局長の免許を受けた者その他厚生
労働省令で定める資格を有する者のうちから選任しなければなり
ません。
この資格には、「第二種衛生管理者免許」が含まれていますが、
農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業、電気業、ガス業、水道業、
熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業及び清掃業
においては、衛生面に問題が生じやすいことなどから、第二種衛生
管理者免許しか有しない者は、衛生管理者として選任することは
できません。
誤り
■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
■□
■□ 2024.10.5
■□ K-Net 社労士受験ゼミ
■□ 合格ナビゲーション No1088
■□
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■┐──────────────────────────────────
└■ 本日のメニュー
────────────────────────────────────
1 はじめに
2 合格基準
3 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集
4 過去問データベース
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■┐──────────────────────────────────
└■ 1 はじめに
────────────────────────────────────
10月2日に、令和6年度社会保険労務士試験の合格発表がありました。
令和6年度の試験の
受験申込者数 53,707人(前年53,292人、対前年 0.8%増)
受験者数 43,174人(前年42,741、対前年 1.0%増)
でした。
受験申込者数は。平成29年度から令和2年度までは5万人を下回って
いましたが、令和3年度に、再び5万人を超え、令和5年度は9年ぶりに
53,000人を超え、令和6年度はさらに増えました。
また、令和4年度、受験者数が7年ぶりに4万人を超え、それから3年
連続で、4万人を超えています。
その中で合格された方は、 2,974人でした。
合格された方、おめでとうございます。
で、合格率は6.9%(前年度6.4%)です。
昨年度の合格率に比べると高くなっています。
平成29年度から令和2年度までの4年間と令和5年度は、やはり6%台
でしたが、これらと比べやや高くなっています。
合格基準などについては
「2 合格基準」のほうに記しています。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■┐──────────────────────────────────
└■ 2 合格基準
────────────────────────────────────
令和6年度試験の合格基準は、
<選択式試験>
総得点25点以上 かつ 各科目3点以上
ただし、労務管理その他の労働に関する一般常識は2点以上 です。
<択一式試験>
総得点44点以上 かつ 各科目4点以上 です。
選択式試験は、「労務管理その他の労働に関する一般常識」で
基準点の引き下げがありました。
白書、労働経済、判例、法令の組合せであったことから、
3点以上を確保できなかった受験者が多くなってしまったという結果に
からでしょう。
選択式の科目別の基準点は、3点以上の受験者の占める割合が5割に満たない
場合は、原則として引き下げ補正することになっています。
令和6年度は、「労務管理その他の労働に関する一般常識」が、これに該当し
ました。また、
「引き下げ補正した合格基準点以上の受験者の占める割合が7割以上の場合、
原則として引き下げを行わないこと」
とされていますが、「労務管理その他の労働に関する一般常識」は、これに
該当しなかったことから、引き下げが行われました。
択一式の基準点については、
平成23年度から25年度まで3年連続の46点、
平成26年度と平成27年度は45点、
平成28年度は42点、平成29年度と平成30年度は45点で、
令和元年度から令和5年度までは43点、44点、45点、44点、45点と
45点前後が基準点になることが多く、令和6年度もこの範囲内でした。
問題の内容や基準点との関係で合格率を見ると、
ここのところの傾向と同じで、合格基準点が高いわけではないにも
かかわらず、合格率がそれほど高くないという感じです。
これは、基本がしっかりとできていないことにより、正解すべきレベルの問題で
正解することができないという受験者が相当いるからではないでしょうか。
また、基本がしっかりできていないので、応用的な問題に対応することが
できないというところもあるのではないでしょうか。
ですので、令和6年度試験では、残念な結果になった方、
来年度試験の合格を目指すのであれば、
まず、当然、基本を確固たるものとして、「正確な知識」を身に付けて、
得点できる問題を確実に得点できるようにしていきましょう。
それに加えて、ここのところは、事例などの応用問題が出ているので、
そのような問題に対応することができる応用力を養うようにしましょう。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■┐
└■ K-Net社労士受験ゼミからのお知らせです。
K-Net社労士受験ゼミ2025年度試験向け会員の申込みを受け付けて
います。
■ 会員資格の種類や会費、その他ご利用に関することは
https://note.com/1998office_knet/n/nf95248472836
をご覧ください。
■ 会員の方に限りご利用いただける資料は
http://www.sr-knet.com/2025member.html
に掲載しています。
■ お問合せは↓
https://otoiawase.jp/do/public/form/sr-knet/1
■ お申込みは↓
https://otoiawase.jp/do/public/form/sr-knet/2
それと、K-Net社労士受験ゼミ「オリジナル教材」について、
2025年度向け教材は10月以降順次販売を開始します。
https://srknet.official.ec/
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■┐──────────────────────────────────
└■ 3 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大Q&A集2
────────────────────────────────────
Q 適用拡大の実施により、短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の
被保険者資格の取得要件はどのようになるのか。令和6年10 月1日からは
何が変わるのか。
☆☆====================================================☆☆
平成28年10月1日より適用拡大が実施されたことにより、「1週の所定
労働時間」及び「1月の所定労働日数」が、同一の事業所に使用される通常
の労働者の所定労働時間及び所定労働日数の4分の3以上(以下「4分の3
基準」という。)である労働者については、厚生年金保険・健康保険の被保険
者となります。
4分の3基準を満たさない場合であっても、次の(1)から(4)までの4つの要件
(以下「4要件」という。)を満たす場合は、新たに厚生年金保険・健康保険
の被保険者となります。
(1) 1週の所定労働時間が20時間以上であること。
(2) 所定内賃金が月額8.8万円以上であること。
(3) 学生でないこと。
(4) 以下のいずれかの適用事業所に使用されていること
1. 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民
年金法等の一部を改正する法律(平成24年法律第62号。)附則
第17条第12項及び第46条第12項に規定する特定適用事業所
(以下「特定適用事業所」という。)
2. 労使合意により事業主が適用拡大を行う旨の申出を行った特定
適用事業所以外の適用事業所(国又は地方公共団体の適用事業所
を除く。)
3. 国又は地方公共団体の適用事業所(※)
(※) 国又は地方公共団体等(一部の独立行政法人等を含む、以下
「国等」という。)に勤務する短時間労働者に対しては、令和4年
10月1日以後、国家公務員・地方公務員共済組合制度の短期給付・
福祉事業が適用されることから、国等の適用事業所については健康
保険に係る徴収、給付は行いません。
令和6年10月1日(以下「施行日」という。)以降は、特定適用事業所
における、いわゆる企業規模要件について、使用される厚生年金保険の
被保険者の総数が常時100人を超える企業から常時50人を超える企業
に拡大されます。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■┐──────────────────────────────────
└■ 4 過去問データベース
────────────────────────────────────
今回は、令和6年-労基法・問1-D「出向労働者」です。
☆☆======================================================☆☆
「在籍型出向(出向元及び出向先双方と出向労働者との間に労働契約関係がある
場合)の出向労働者については、出向元、出向先及び出向労働者三者間の取決め
によって定められた権限と責任に応じて出向元の使用者又は出向先の使用者が、
出向労働者について労働基準法等における使用者としての責任を負う。
☆☆======================================================☆☆
「出向労働者」に関する問題です。
次の問題をみてください。
☆☆======================================================☆☆
【 H14-2-A 】
いわゆる在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方と
それぞれ労働契約関係があるので、原則として出向元及び出向先に対しては
それぞれ労働契約関係が存する限度で労働基準法等の適用があるが、その
うち労働契約関係の基本である賃金に関する事項については出向元のみが
使用者となり、それ以外の事項については、出向元、出向先及び出向労働者
三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じて、出向元の使用者
又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法等における使用者
としての責任を負うものと解されている。
【 H12-1-D 】
いわゆる在籍型出向により出向先の指揮命令の下で労働する労働者について
は、雇用主である出向元は出向先での労働に関しても労働基準法の各条文
について全面的に使用者としての責任を負う一方、出向先は、その権限と
責任に応じて労働基準法における使用者としての責任を出向元と連帯して
負うにとどまる。
【 H19-1-A 】
いわゆる在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方と
それぞれ労働契約関係があるので、出向元及び出向先に対しては、それぞれ
労働契約関係が存する限度で労働基準法の適用がある。すなわち、出向元、
出向先及び出向労働者三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じ
て出向元の使用者又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法に
おける使用者としての責任を負うものである。
☆☆======================================================☆☆
いずれも、在籍型出向の出向労働者に対する使用者責任は、出向元が負うのか、
出向先が負うのかを論点にしています。
【 H14-2-A 】では、賃金に関する事項だけ扱いが異なるような記述
があります。
【 H12-1-D 】では、出向元は全面的に責任を負うという記述があり
ます。
一方、【 R6-1-D 】と【 H19-1-A 】では、三者間の取決めに
よるとあります。
在籍型出向は、出向先と出向労働者との間に出向元から委ねられた指揮命令
関係ではなく、労働契約関係及びこれに基づく指揮命令関係がある形態です。
また、在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方とそれ
ぞれ労働契約関係があるので、出向元及び出向先に対しては、それぞれ労働
契約関係が存する限度で労働基準法等の適用があります。
すなわち、在籍型出向の出向労働者に関しては、出向元、出向先及び出向
労働者三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じて、出向元の
使用者又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法等における
使用者としての責任を負うものとされています。
ですので、【 H14-2-A 】、【 H12-1-D 】は誤りで、【 R6-1-D 】
と【 H19-1-A 】は正しいです。
労働者派遣とは異なり、在籍型出向は、出向元及び出向先のいずれについても
労働契約関係がある、つまり、労働者としての籍を二重に有することになるので、
単純にどっちの責任と法的に決めるのは困難です。
その状況によって、判断をしていかなければなりませんので。
ということで、
当事者間の取決めによりましょうってことになっています。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
■┐
└■ このメールマガジンは『まぐまぐ!』 http://www.mag2.com/
を利用して発行しています。
■┐
└■ メルマガ「合格ナビゲーション」の登録や解除は自由に行うことができます。
配信中止はこちら http://www.mag2.com/m/0000148709.htm
■┐
└■ お問い合わせは↓こちらから
https://otoiawase.jp/do/public/form/sr-knet/1/
なお、K-Net 社労士受験ゼミの会員以外の方からの掲載内容に関する質問は、
有料となりますので、ご了承ください。
■┐
└■ 無断転載・転写・コピー等は禁じます。
■┐
└■ 免責事項
このメールマガジンに掲載されている記事の参照による、あらゆる障害・損害
・不利益に関しましては、当方においては一切その責任を負いかねます。
また、損害賠償の義務はないものとします。ご理解のうえお読みください。
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
発行:K-Net 社労士受験ゼミ
加藤 光大
まぐまぐID:0000148709
Home Page:http://www.sr-knet.com/
■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
今日の過去問は「安衛法H23-8-B」です。
【 問 題 】
常時80人の労働者を使用する建設業の事業場においては安全
管理者を選任しなければならないが、安全管理者は少なくとも
毎週1回作業場等を巡視しなければならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【 解 説 】
安全管理者には作業場等の巡視義務はありますが、その頻度について
の規定はありません。
なお、常時50人以上の労働者を使用する建設業の事業場においては、
安全管理者を選任しなければなりません。
誤り
今回は、令和6年-労基法・問1-D「出向労働者」です。
☆☆======================================================☆☆
「在籍型出向(出向元及び出向先双方と出向労働者との間に労働契約関係がある
場合)の出向労働者については、出向元、出向先及び出向労働者三者間の取決め
によって定められた権限と責任に応じて出向元の使用者又は出向先の使用者が、
出向労働者について労働基準法等における使用者としての責任を負う。
☆☆======================================================☆☆
「出向労働者」に関する問題です。
次の問題をみてください。
☆☆======================================================☆☆
【 H14-2-A 】
いわゆる在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方と
それぞれ労働契約関係があるので、原則として出向元及び出向先に対しては
それぞれ労働契約関係が存する限度で労働基準法等の適用があるが、その
うち労働契約関係の基本である賃金に関する事項については出向元のみが
使用者となり、それ以外の事項については、出向元、出向先及び出向労働者
三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じて、出向元の使用者
又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法等における使用者
としての責任を負うものと解されている。
【 H12-1-D 】
いわゆる在籍型出向により出向先の指揮命令の下で労働する労働者について
は、雇用主である出向元は出向先での労働に関しても労働基準法の各条文
について全面的に使用者としての責任を負う一方、出向先は、その権限と
責任に応じて労働基準法における使用者としての責任を出向元と連帯して
負うにとどまる。
【 H19-1-A 】
いわゆる在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方と
それぞれ労働契約関係があるので、出向元及び出向先に対しては、それぞれ
労働契約関係が存する限度で労働基準法の適用がある。すなわち、出向元、
出向先及び出向労働者三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じ
て出向元の使用者又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法に
おける使用者としての責任を負うものである。
☆☆======================================================☆☆
いずれも、在籍型出向の出向労働者に対する使用者責任は、出向元が負うのか、
出向先が負うのかを論点にしています。
【 H14-2-A 】では、賃金に関する事項だけ扱いが異なるような記述
があります。
【 H12-1-D 】では、出向元は全面的に責任を負うという記述があり
ます。
一方、【 R6-1-D 】と【 H19-1-A 】では、三者間の取決めに
よるとあります。
在籍型出向は、出向先と出向労働者との間に出向元から委ねられた指揮命令
関係ではなく、労働契約関係及びこれに基づく指揮命令関係がある形態です。
また、在籍型出向の出向労働者については、出向元及び出向先の双方とそれ
ぞれ労働契約関係があるので、出向元及び出向先に対しては、それぞれ労働
契約関係が存する限度で労働基準法等の適用があります。
すなわち、在籍型出向の出向労働者に関しては、出向元、出向先及び出向
労働者三者間の取決めによって定められた権限と責任に応じて、出向元の
使用者又は出向先の使用者が出向労働者について労働基準法等における
使用者としての責任を負うものとされています。
ですので、【 H14-2-A 】、【 H12-1-D 】は誤りで、【 R6-1-D 】
と【 H19-1-A 】は正しいです。
労働者派遣とは異なり、在籍型出向は、出向元及び出向先のいずれについても
労働契約関係がある、つまり、労働者としての籍を二重に有することになるので、
単純にどっちの責任と法的に決めるのは困難です。
その状況によって、判断をしていかなければなりませんので。
ということで、
当事者間の取決めによりましょうってことになっています。
今日の過去問は「安衛法H23-8-A」です。
【 問 題 】
常時500人の労働者を使用する製造業の事業場においては総括
安全衛生管理者を選任しなければならないが、総括安全衛生
管理者は少なくとも毎年1回作業場等を巡視しなければならない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【 解 説 】
総括安全衛生管理者には、作業場等の巡視に関する規定は、設けら
れていません。
なお、常時300人以上の労働者を使用する製造業の事業場において
は、総括安全衛生管理者を選任しなければなりません。
誤り
労働政策研究・研修機構が
労働関連法令のうち2024年8月公布分を
取りまとめたものをサイトに掲載しています。
詳細
https://www.jil.go.jp/kokunai/mm/hourei/202408.html?mm=1998
今日の過去問は「安衛法H28-9-C」です。
【 問 題 】
労働安全衛生法における事業場の業種の区分については、その
業態によって個別に決するものとし、経営や人事等の管理事務
をもっぱら行なっている本社、支店などは、その管理する系列の
事業場の業種とは無関係に決定するものとしており、たとえば、
製鉄所は製造業とされるが、当該製鉄所を管理する本社は、製造
業とはされない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【 解 説 】
労働安全衛生法における事業場の適用単位の考え方は、労働基準
法における考え方と同一であり、事業場とは、工場、鉱山、事務所、
店舗等のごとく一定の場所において相関連する組織のもとに継続的
に行われる作業の一体をいうので、一の事業場であるか否かは主
として場所的観念によって決定すべきもので、同一場所にあるもの
は原則として一の事業場とし、場所的に分散しているものは原則
として別個の事業場とします。
そのうえで、業種の区分については、設問のとおり、それぞれの
事業場ごとにその業態によって個別に決定されます。
正しい
Q 適用拡大の実施により、短時間労働者に対する厚生年金保険・健康保険の
被保険者資格の取得要件はどのようになるのか。令和6年10 月1日からは
何が変わるのか。
☆☆====================================================☆☆
平成28年10月1日より適用拡大が実施されたことにより、「1週の所定
労働時間」及び「1月の所定労働日数」が、同一の事業所に使用される通常
の労働者の所定労働時間及び所定労働日数の4分の3以上(以下「4分の3
基準」という。)である労働者については、厚生年金保険・健康保険の被保険
者となります。
4分の3基準を満たさない場合であっても、次の(1)から(4)までの4つの要件
(以下「4要件」という。)を満たす場合は、新たに厚生年金保険・健康保険
の被保険者となります。
(1) 1週の所定労働時間が20時間以上であること。
(2) 所定内賃金が月額8.8万円以上であること。
(3) 学生でないこと。
(4) 以下のいずれかの適用事業所に使用されていること
- 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民
年金法等の一部を改正する法律(平成24年法律第62号。)附則
第17条第12項及び第46条第12項に規定する特定適用事業所
(以下「特定適用事業所」という。)
- 労使合意により事業主が適用拡大を行う旨の申出を行った特定
適用事業所以外の適用事業所(国又は地方公共団体の適用事業所
を除く。)
- 国又は地方公共団体の適用事業所(※)
(※) 国又は地方公共団体等(一部の独立行政法人等を含む、以下
「国等」という。)に勤務する短時間労働者に対しては、令和4年
10月1日以後、国家公務員・地方公務員共済組合制度の短期給付・
福祉事業が適用されることから、国等の適用事業所については健康
保険に係る徴収、給付は行いません。
令和6年10月1日(以下「施行日」という。)以降は、特定適用事業所
における、いわゆる企業規模要件について、使用される厚生年金保険の
被保険者の総数が常時100人を超える企業から常時50人を超える企業
に拡大されます。