一年半前に研究室を去った人の3年がかりの論文、散々、引き回しの刑になった挙句、ようやく引っかかりました。
この仕事は、一年半前に出版された別のグループの人の論文のプロジェクトが進行中の時に、内容がオーバーラップするので、一緒に出そうという話をしていたものですが、相手の都合でソロで出されてしまい、結果として、こちらは出すタイミングを失い、行き場を失った状態になっていたのです。それで、そのままでは出せないので、それなりの雑誌に載る程度の形をつくるためのデータを足そうと、いろいろやってはみたのですが、論文のクオリティーを上げるために使えるようなデータを得ることが出来ず、実験を継続する人もカネもないということで、とにかく体裁だけ整えて投稿したものです。なんとか投稿したのが一年前、正直、別グループの論文で重要な論点が既に出版されてしまったため、出来はパッとしません。
ちょっとムリだろうなというレベルの雑誌を数本トライしている間に一年が経ちました。ま、想定内です。
それにしても、N紙出版グループの囲い込み戦略はすごいですね。よほどひどいものでない限り、どこかで出版できる仕組みになっているようです。雑誌名に「Nature」のつく上位雑誌と、つかない二軍雑誌で、裾野を広く構えています。その二軍雑誌群のなかでもヒエラルキーがあります。アメリカの野球リーグ制みたいなもので、「Nature」が名前に入る雑誌がメジャーリーグを形成するとすると、それ未満がマイナーリーグ、マイナーリーグの中でもインパクトファクターは7-9のAAA、5-7のAA、そしてそれ以下というような感じでしょうか。
この論文も最終的にマイナーリーグのN紙系雑誌をトライしたのですが、そこでリジェクトとなった時に、Editorに勧められて更に下位雑誌へそのままtransferしたものです。最初のレビューでのコメントもそのまま次のジャーナルにも伝達されるようになっていて、そこでリジェクトにならなければ、リバイスも基本的にレフリーに回らずに編集室レベルで判断するらしいです。便利でよいともいいますが、まさに「カタにはめられる」という感じです。むこうはビジネス、ブランド名を守りつつ、下位雑誌で掲載料を稼ぐという戦略のようです。
論文出版に関しては、私は、結構、粘る方です。資金が潤沢で面白いネタがパイプラインに詰まっているようなラボなら、最初から、よいジャーナルに通りそうなレベルにしてから出すか、レベルが上がらねければ、絶対載るというレベルの雑誌まで落とすでしょう。そこそこのレベルにいかないような仕事に時間と労力を費やすぐらいなら、サッとロスカットして、見込みのある別のプロジェクットにリソースを回すでしょう。
しかし、私のような零細では、仕事は、一本、一本を、それなりに形にしていかないと、成り立っていきません。投じた労力とカネは多少でも回収していかないと、次がないのです。冒険はできないし、カネと労力が必要な大きなプロジェクトもできません。小さなことをコツコツと質と量のバランスを考えつつやっています。ま、そういうスタイルが性にあっていますけど、時々、「あのころ、二人のアパートは裸電球眩しくて、貨物列車が通ると揺れた、二人に似合いの部屋でした」という昔の歌を口ずさんだりしています。ビンボーくさいですが、なんとなく幸せな感じもしますな。
この仕事は、一年半前に出版された別のグループの人の論文のプロジェクトが進行中の時に、内容がオーバーラップするので、一緒に出そうという話をしていたものですが、相手の都合でソロで出されてしまい、結果として、こちらは出すタイミングを失い、行き場を失った状態になっていたのです。それで、そのままでは出せないので、それなりの雑誌に載る程度の形をつくるためのデータを足そうと、いろいろやってはみたのですが、論文のクオリティーを上げるために使えるようなデータを得ることが出来ず、実験を継続する人もカネもないということで、とにかく体裁だけ整えて投稿したものです。なんとか投稿したのが一年前、正直、別グループの論文で重要な論点が既に出版されてしまったため、出来はパッとしません。
ちょっとムリだろうなというレベルの雑誌を数本トライしている間に一年が経ちました。ま、想定内です。
それにしても、N紙出版グループの囲い込み戦略はすごいですね。よほどひどいものでない限り、どこかで出版できる仕組みになっているようです。雑誌名に「Nature」のつく上位雑誌と、つかない二軍雑誌で、裾野を広く構えています。その二軍雑誌群のなかでもヒエラルキーがあります。アメリカの野球リーグ制みたいなもので、「Nature」が名前に入る雑誌がメジャーリーグを形成するとすると、それ未満がマイナーリーグ、マイナーリーグの中でもインパクトファクターは7-9のAAA、5-7のAA、そしてそれ以下というような感じでしょうか。
この論文も最終的にマイナーリーグのN紙系雑誌をトライしたのですが、そこでリジェクトとなった時に、Editorに勧められて更に下位雑誌へそのままtransferしたものです。最初のレビューでのコメントもそのまま次のジャーナルにも伝達されるようになっていて、そこでリジェクトにならなければ、リバイスも基本的にレフリーに回らずに編集室レベルで判断するらしいです。便利でよいともいいますが、まさに「カタにはめられる」という感じです。むこうはビジネス、ブランド名を守りつつ、下位雑誌で掲載料を稼ぐという戦略のようです。
論文出版に関しては、私は、結構、粘る方です。資金が潤沢で面白いネタがパイプラインに詰まっているようなラボなら、最初から、よいジャーナルに通りそうなレベルにしてから出すか、レベルが上がらねければ、絶対載るというレベルの雑誌まで落とすでしょう。そこそこのレベルにいかないような仕事に時間と労力を費やすぐらいなら、サッとロスカットして、見込みのある別のプロジェクットにリソースを回すでしょう。
しかし、私のような零細では、仕事は、一本、一本を、それなりに形にしていかないと、成り立っていきません。投じた労力とカネは多少でも回収していかないと、次がないのです。冒険はできないし、カネと労力が必要な大きなプロジェクトもできません。小さなことをコツコツと質と量のバランスを考えつつやっています。ま、そういうスタイルが性にあっていますけど、時々、「あのころ、二人のアパートは裸電球眩しくて、貨物列車が通ると揺れた、二人に似合いの部屋でした」という昔の歌を口ずさんだりしています。ビンボーくさいですが、なんとなく幸せな感じもしますな。
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