百醜千拙草

何とかやっています

オバマの正体

2013-09-03 | Weblog
アメリカの外交、戦争の手口を観察されてきた物理学者、藤永茂さんによると、オバマは「Con man」なのだそうです。私は、オバマはブッシュやチェイニーらの筋金入りのその筋の連中とは違うのではないかと思っていました。しかし、今回のシリアへの攻撃に対するその姿勢を見ると、やはり、既に「その筋」の手に落ちたか、最初から実は本当に「Con man」であったのか、と疑わざるを得ません。
イギリス議会は首相の意思に反対して、シリア攻撃を否決、カナダは戦闘には参加しないと表明、アメリカ国内の超党派議員百名以上が、議会を無視して攻撃を決定しないようにとオバマに要望書を提出し、アメリカ国民に至っては1割もシリア攻撃を支持していないという状況です。ほとんど四面楚歌と言ってよい状況で、十分な証拠もなしに、アサド政権に非があると一方的に断罪し、他の国への攻撃を仕掛けようとするこの傲慢さは、救いがたいアメリカの病だと思います。本当にロシアの核爆弾がアメリカの両海岸に降り注ぐまで、アメリカはこのやり方を変えれないのかも知れません。

化学兵器がどこにあるのかさえわからない、誰が化学兵器を使ったかも分からない状況で、アサド政府軍を攻撃することだけが既に決定されつつあります。しかも攻撃はミサイル攻撃、陸軍は投入しないというではないですか。ミサイルの在庫セールをしたい誰かさんの意図だと思わざるを得ません。

東京新聞の記事によると、「巡航ミサイルによる攻撃は、シリア政府軍の司令部や基地が対象になるとみられる。米政府は地上軍の投入は否定し、アサド政権の転覆は目指さない方針を示している。」ということです。アサド政権の転覆は目指さない、といいつつ政府軍の司令部や基地を攻撃するのは何のためでしょう?単に、ミサイルを消費したいだけでしょうか?その可能性も高いでしょう。あるいは、アサド政権を本気で倒そうとしたらロシアが介入して来て、本当にエラいことになることは、流石にわかっているので、前もって「単なる武器在庫一掃」目的だと一応言っておこう、ということでしょうか。いずれにせよ、反政府軍というのは、シリア国民が本体ではなく、多数はアサド政権転覆を望む周辺国家の支援を受けたプロのテロリストや傭兵で、市民を虐殺しているのは政府軍ではなく、反政府軍だという話です。彼らが市民を虐殺し、政府軍がやったかのような偽装をしているという情報を多く聞きます(イラク戦争の時もアメリカが根拠のした証拠の多くはデッチ上げでした)。化学兵器に関しても、反政府軍が政府軍に対して使ったという状況証拠もあるようですし(日本や世界や宇宙の動向)、そもそも、軍備で優る政府軍が「貧者の核」と呼ばれるような化学兵器を使う意味がありません。一枚かんでいるのが、サウジアラビアのようで、サウジはアメリカ寄りでアサド政権を倒したいと考えている上、どうもそのオイルマネーで傲慢になっているのか、アサド政権の支援を止めるようにプーチンを脅迫したという情報も飛び交っています(Rockway Express)。

結局、間に入って本当に被害を受けているのは一般国民です。戦闘が長引けば長引くほど苦しむのはシリア国民であり、アサド政府が倒されて諸外国が国を蹂躙し略奪されるのはシリア国民です。アメリカの攻撃は、これまでアサド政府軍が有利に進めて来た戦況を泥沼化させ、一般シリア国民の苦しみをもっと長引かせ、中東をより不安定にすることになるだろうと思わざるを得ません。イラクのリピートです。アメリカが介入して紛争が解決した事は一度もありません。ウデの悪い救急医のようなもので、何もしない方がましな事の方が多いのです。(そもそも、本当の目的は患者を救うことではないのでしょう)

オバマは一応、議会に聞いてから判断する、と言っていますので、多分、自分でもシリア介入が国民や議会に不人気なことを察して、軍需産業とイスラエルの顔を立てつつ、なるべくロシアを刺激しないような介入に留めようとしているのではないかな、と解釈しておきます。オバマは、自分で判断する能力を持たず、ボスに言われた通りに動く日本の誰かのようなXXではないと思います。だから、私は好意的に、オバマは板挟みになって困っているのだろうと考えたいのですが、その見方は今後の彼の行動次第でしょう。私よりもはるかに考察の深い藤永さんが「Con man」と呼ぶぐらいですから、実は、オバマは私が思っているほどマトモな人間ではないのかも知れません。
ただ、シリアに軍事介入をする決定をするのなら、まず、ノーベル平和賞を返上し、アメリカ大統領のオバマは、平和のためではなくアメリカ(軍需産業)の利益のために他国を攻撃する、と本音を言ってからにしてもらいたい(言うはずはないですが)。そして、軍事介入を命令したならば、ノーベル賞財団は、オバマの「平和賞」の取り消しを宣言すべきでしょう。
今回のオバマの決断で、オバマの正体が明らかになるでしょう。ま、オサマビンラディンやガダフィのことがありますから、余り期待はできませんが。
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