百醜千拙草

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都知事選帰趨

2016-07-19 | Weblog
トルコのクーデター、日本でもかつて2.26事件がありました。気持ちはわからんではないです。現代の日本も「力」を持っている一部の人間が、大多数の国民を支配しているわけで、民主主義という建前のウラの現実を思い知らされるようなことがあると、その不条理を「力」によって解決したいという気持ちにもなるでしょう。武力というのは一番わかりやすい力ですし。日本ならカネと権力ですね。これは単なる暴力よりもタチが悪いです。

しかし、力に生きるものは力に死すです。仮に今回のクーデターが成功していても、シリアやさらにロシアとの関係上、トルコの現政権を支持したいアメリカとNATOが、すぐに新政権を「力」で制圧してしまったでしょう。

クーデターが失敗に終わるとトルコ政権は、さらに強権的方針を表明しました。今後、更に権力の強化を図ることになるでしょう。日本の2.26事件時は、世界大恐慌の煽りを受け、国民の不満が鬱積していました。この事件が日本政府と政府側に立つ陸軍によって制圧された後、軍の力はより強大となり、結果として太平洋戦争を導く結果となったとも考えられています。今後、トルコも政府側が統制と強め、国民の不満はより鬱積し、国情はさらに不安的になっていくであろうと思われます。その歪みをいつまでも「力」で抑えつけておくのは不可能です。トルコの現政権の終わりも近いだろうと私は思いました。「驕れる者久しからず」は世の原則ですし。

同様に、現在の日本、自公の一人勝ちのように見えます。これもいつまでも続かないと思います。しかし、今、仮に、かつての8党連立みたいなトリックを弄してその政権を奪うようなことができたとしても、それが国民の意思を反映していないのであれば、長続きはしないでしょう。まずは、人々の意識が総じて一定レベルに達する必要があります。

今回の選挙年齢の引き下げは、社会経験の浅い、いわばメディアのプロパガンダにのせやすい若者で野党票を希釈して、与党有利に選挙を進める狙いでしょう。選挙結果は、一見、与党の一人勝ちのように見えますが、与党も支持を失いつつあるのは自覚しており、だから衆参ダブルを断念したし、こういう姑息な手も使うわけです。事実、今回の参院選で、創価学会員の3割が公明党に投票しなかったという話もあります。多少の希望を感じさせる話です。

東京都知事選、有力3候補のうち、自民党が分裂、野党統一候補として鳥越氏。前回、善戦した宇都宮氏が野党共闘のためにあえて出馬を見送り、鳥越氏支持を表明したことを考えると、不正がなければ、鳥越氏の当選となるはずでしょう。敵は分裂しているおり、その二人とも、特に東京都民に好かれているとは言えない人々です。それでも増田氏(あるいは小池氏)が当選してしまうのが今の日本の選挙です。(そうならないことを願っておりますが)

この東京都知事選、当初、立候補を計画していた石田純一氏、リテラの記事によると、今後、一切の政治的発言は「できなくなった」のだそうです。

今週14日に告示された東京都知事選。各候補者が街頭演説をスタートさせたが、もうひとつ注目されたのは、出馬を断念した石田純一が選挙応援に登場するのかどうかだった。だが、昨日15日、石田の所属事務所がこんな驚きの発表を行った。
11日の会見をもちまして、今後一切、政治に関する発言はできなくなりました
 この国は憲法で言論の自由が保障されており、どのような立場の人間も自由に政治的な発言をすることが認められているはず。しかし、石田の事務所は「政治発言は今後一切できなくなった」と、石田についてその言論の自由を取り上げる宣言をしたのだ。
 これは、スポンサーやテレビ局、代理店と石田の所属事務所の間で、そういう取り決めをしたということだろう。


チェルノブイリの後の1988年、RC サクセションのアルバムが発売中止になった事件を思い出させますな。東芝が原発を作っていた関係で、反原発メッセージの「ラヴ・ミー・テンダー」と「サマータイム・ブルース」の入ったアルバムが、当時の所属会社東芝EMIからは発売できず、「素晴らしすぎて発売出来ません」と新聞広告を出した事件です。

ドロドロしてます。ま、スポンサーあってのテレビ役者、スポンサーの「力」で支配されているわけですね。

ところで、都知事選の立候補者のリストを眺めていると、いろいろな人が出ています。

(毎度おなじみ)マック赤坂、スマイル党総裁。(ちなみに、弟子は、マック赤坂見附)
桜井 誠、在日特権を許さない市民の会
上杉隆 無所属、ジャーナリスト (鳥越氏が出なければ応援していたところですが)
立花孝志(たちばな・たかし) NHKから国民を守る党 (一瞬、あの「"ち"の巨人」がNHKを批判しているのかと勘違いしました。しかし、都政に携わるにしては、党名がちょっとSpecificすぎるのではないでしょうか?)

残念ながら、ドクター中松は不出馬。個人的には、マック赤坂氏の得体の知れなさは面白い。しかし、あの政権放送では、国民が聞きたい政策や計画を知りようがありませんから、選挙に当選するのが目的で立候補しているとは思えません。頭はいいはずですから、凡人には理解できない壮大な目標があるのか、すでに悟りきってしまった人なのか、あるいは、単に「ほんまもん」なのか、測りかねますね。発言は時に極めてまともに聞こえます。一回、やってもらってもいいのではないでしょうかね。
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