日本では毎年、三万人の人が自殺をし、その割合は現在も上昇傾向だそうです。約千人に二、三人ということは、人間を数十年やっていれば、知り合いで自殺する人も何人かはでてくるということです。実際、私の知り合いの人にも自殺された人がいます。近年の自殺者の増加は、経済的理由が大きいのではないかと思われます。一方、日本での平均寿命は世界一となったという話も聞きました。多くの開発途上国での平均寿命の伸びは、成人の寿命が伸びるためではなく、小児層での感染症など疾患罹病による死亡率の減少によると考えられています。日本や他の先進国では、こうした小児の疾病による死亡率が近年劇的に減少したということはないでしょうから、実際に成人の生存期間が増えたのかも知れません。全死亡率に占める自殺者の割合を私はよく知らないのでわかりませんが、理屈では自殺する人の年令が若ければ、平均寿命も下がるでしょうし、逆に自殺者の年令が上がれば、平均寿命も多少上がることが考えられます。ひょっとすると、平均寿命の伸びというのは自殺者の高齢化のためなのかも知れません。自殺者の数は歴史的には経済と密接な関係があります。不況時は自殺者の数は明らかに増加しています。ですが、今日、日本はバブル後の不況からだんだんと回復してきているはずなのに、自殺者数は減少傾向にありません。思うに日本の社会が無批判に競争原理を取り入れ、競争力の低い弱者を切り捨てる政策を押し進め、格差社会を実現した結果、平均経済は回復しつつあっても、裕福層を除いた層では逆に経済状態は悪化し続けているということを反映しているのかも知れません。人間の幸福感をいうものを年代別に調査すると、四十台で幸福感は最低に達するのですが、そこを乗り越えると幸福感を感じる人の割合はぐっと上昇していくのだそうです。確かに厄年をいわれる時期を含んでいますし、いろいろな面で四十台の人の感じるプレッシャーは大きいと思います。しかし、その苦しみを通過するとおそらく将来の展望も比較的はっきりしてくるでしょうし、苦しみの経験をしたこと自体も自信となって、五十台以降の幸福感の増大をもたらすのではないかと想像されます。しかるに、現在の日本では、その幸福であるはずの中高齢者が経済的不安などから将来への明るい展望を描けず、自殺する例が増えているようです。その一つ原因は国の弱肉強食、高齢者切り捨て政策であろうと思います。高齢者や弱者に対する福祉政策の後退は国力の低下の反映を反映しています。日本人の政治不信、政治家官僚のリーダーシップの欠如と誠実性のなさは、今日の窮地に至ってますます悪循環を生み出していると思います。誠実で強いリーダーシップを発揮できる政治家が必要です。まずはこの十年間、最悪の政治を実践してきた自民党に退陣してもらうことが第一ですが、この際、外国から優秀な政治家をリクルートしてくるのはどうでしょうか?(もっとも優秀な政治家などどこにもいないかも知れませんが)
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