Natureのフロントページから。
アストラゼネカが研究開発の2200人を解雇する予定。これは会社の12%に当たる7300人の予定解雇の一部。他の会社が脳機能異常改善薬の開発プログラムから撤退していく中、アストラもモントリオールとスウェーデンにある脳神経研究所二カ所を閉鎖するとのこと。
脳の薬の開発はプライベートの商業研究ではリスクが高すぎるのでしょう。ここ20年、もっとも脚光を浴びていた研究分野のステムセルと脳神経でしたが、膨大な研究成果にもかかわらず、その成果を臨床応用するのは非常に困難であるということがわかってきました。今後、アカデミアでの基礎研究は続いてくでしょうが、アカデミアでも税金ベースの研究資金に頼っていて、その実利性が求められるようになってきている昨今ですから、製薬会社がどんどん撤退していくと、ニューロサイエンスの分野ではアカデミアの方も影響を受けると思います。もちろん、製薬会社がやらないからアカデミアがやるのだ、という言い方も成り立つとは思いますが。
もう一つ。日本では慈善家が研究に資金を提供することが少ないという記事があって、その一番大きな原因は「お役所」だという話。日本のビューロクラシーは悪名高いです。この記事の中で、ノルウェイの慈善家の名前を冠した施設が東京大学に出来た(Kavli Instutute for the Physics and Mathematics of the Universe)というニュースを伝えています。ところが、普通、慈善家からの資金はそれを投資して投資利益を運営に使うものですが、日本の大学の法律では、寄付金をリスクの高い投資で運用することができない、ということで、折角のKavli基金も日本の大学が管理することができず、Kavli基金の投資利益だけを日本に回すという変則的なやりかたをとることになるのだそうです。日本の関係者は日本の旧態然としたお役所的システムを嘆いているという話。
イランが第4世代ウラン濃縮技術を使った核開発を進めていると公表。私は核開発には反対ですけど、このイランの公表に対して、イスラエルとアメリカが非難しているという話の方がいただけないと思いました。彼らに非難する資格などないと思うのですけど。なぜイランが核開発の進行状況を公表したのか、その理由はどうもアメリカもイスラエルもわかっていないようです。もし核武装化が本当の目的なら、北朝鮮や中国のように秘密裏にやってもいいわけです。私もわかりませんが、私が見る限りでは、イランは公明正大に正直に手の内を明かして、核開発を進めようとしているように見えます。イランラジオの記事の一部には次のようにあります。
本当だとすると、イランはIAEAの責務違反のため、やむを得ず自前で濃縮技術を確立したと聞こえます。そして、ウラン濃縮技術を促進したということを世界に対して堂々とわざわざ公表したイランの意図は何なのでしょうか?イスラエルやアメリカを挑発するためでしょうか?だとしたら、アメリカを挑発して何のいいことがあるのでしょうか?私はわかりません。むしろ、この公表はイランをテロ国家呼ばわりして侵攻の機会を狙っているアメリカやイスラエルへ言いがかりをつけられないようにするための予防的処置のように思えます。もっとも、ガダフィやフセインの時のように、どうしても始末したい人間に対しては、アメリカやヨーロッパ諸国は、無理なイチャモンを平気でつけて、力ずくでやりますから、抵抗する力がなければ結局はどうしようもないのですけど。
早い話が世界戦略上、アメリカは中東オイルを握っていたいから、傀儡国家イスラエルを使って、アラブ諸国の力を押さえ込みたいと思っているだけのことでしょう。イランを非難するまえに、まず自己批判するのが先でしょう。
小沢氏の陸山会事件も似たところがあります。収支も全部公表しいて、不正献金の証拠もないのに、自民党と検察(そして最高裁)は、「裏金を貰って、秘書と共謀して虚偽記載をした」、とイチャモンをつけて、政治失脚を図ろうとしました。自民党政権時代、官房機密費の毒まんじゅうを喰い、政府広報の広告費で操られたマスコミは、偏向、捏造報道で、この謀略に加担してきました。結局、裏金を貰ったり、裏金作りをしているのは、マスコミと官僚組織の方でした。
今回のイランのウラン濃縮技術公表に対するアメリカとイスラエルの反応を見て、日本でも世界でも人間はなかなか進歩しないものだなあ、実感した次第です。
アストラゼネカが研究開発の2200人を解雇する予定。これは会社の12%に当たる7300人の予定解雇の一部。他の会社が脳機能異常改善薬の開発プログラムから撤退していく中、アストラもモントリオールとスウェーデンにある脳神経研究所二カ所を閉鎖するとのこと。
脳の薬の開発はプライベートの商業研究ではリスクが高すぎるのでしょう。ここ20年、もっとも脚光を浴びていた研究分野のステムセルと脳神経でしたが、膨大な研究成果にもかかわらず、その成果を臨床応用するのは非常に困難であるということがわかってきました。今後、アカデミアでの基礎研究は続いてくでしょうが、アカデミアでも税金ベースの研究資金に頼っていて、その実利性が求められるようになってきている昨今ですから、製薬会社がどんどん撤退していくと、ニューロサイエンスの分野ではアカデミアの方も影響を受けると思います。もちろん、製薬会社がやらないからアカデミアがやるのだ、という言い方も成り立つとは思いますが。
もう一つ。日本では慈善家が研究に資金を提供することが少ないという記事があって、その一番大きな原因は「お役所」だという話。日本のビューロクラシーは悪名高いです。この記事の中で、ノルウェイの慈善家の名前を冠した施設が東京大学に出来た(Kavli Instutute for the Physics and Mathematics of the Universe)というニュースを伝えています。ところが、普通、慈善家からの資金はそれを投資して投資利益を運営に使うものですが、日本の大学の法律では、寄付金をリスクの高い投資で運用することができない、ということで、折角のKavli基金も日本の大学が管理することができず、Kavli基金の投資利益だけを日本に回すという変則的なやりかたをとることになるのだそうです。日本の関係者は日本の旧態然としたお役所的システムを嘆いているという話。
イランが第4世代ウラン濃縮技術を使った核開発を進めていると公表。私は核開発には反対ですけど、このイランの公表に対して、イスラエルとアメリカが非難しているという話の方がいただけないと思いました。彼らに非難する資格などないと思うのですけど。なぜイランが核開発の進行状況を公表したのか、その理由はどうもアメリカもイスラエルもわかっていないようです。もし核武装化が本当の目的なら、北朝鮮や中国のように秘密裏にやってもいいわけです。私もわかりませんが、私が見る限りでは、イランは公明正大に正直に手の内を明かして、核開発を進めようとしているように見えます。イランラジオの記事の一部には次のようにあります。
テヘラン研究炉に装着される燃料は、濃度20%の濃縮ウランです。
IAEA・国際原子力機関が、テヘラン研究炉で使用する燃料確保の責務を怠ったため、イランの核科学者らは独自の技術で、この研究炉の燃料を生産しました。
IAEA・国際原子力機関が、テヘラン研究炉で使用する燃料確保の責務を怠ったため、イランの核科学者らは独自の技術で、この研究炉の燃料を生産しました。
本当だとすると、イランはIAEAの責務違反のため、やむを得ず自前で濃縮技術を確立したと聞こえます。そして、ウラン濃縮技術を促進したということを世界に対して堂々とわざわざ公表したイランの意図は何なのでしょうか?イスラエルやアメリカを挑発するためでしょうか?だとしたら、アメリカを挑発して何のいいことがあるのでしょうか?私はわかりません。むしろ、この公表はイランをテロ国家呼ばわりして侵攻の機会を狙っているアメリカやイスラエルへ言いがかりをつけられないようにするための予防的処置のように思えます。もっとも、ガダフィやフセインの時のように、どうしても始末したい人間に対しては、アメリカやヨーロッパ諸国は、無理なイチャモンを平気でつけて、力ずくでやりますから、抵抗する力がなければ結局はどうしようもないのですけど。
早い話が世界戦略上、アメリカは中東オイルを握っていたいから、傀儡国家イスラエルを使って、アラブ諸国の力を押さえ込みたいと思っているだけのことでしょう。イランを非難するまえに、まず自己批判するのが先でしょう。
小沢氏の陸山会事件も似たところがあります。収支も全部公表しいて、不正献金の証拠もないのに、自民党と検察(そして最高裁)は、「裏金を貰って、秘書と共謀して虚偽記載をした」、とイチャモンをつけて、政治失脚を図ろうとしました。自民党政権時代、官房機密費の毒まんじゅうを喰い、政府広報の広告費で操られたマスコミは、偏向、捏造報道で、この謀略に加担してきました。結局、裏金を貰ったり、裏金作りをしているのは、マスコミと官僚組織の方でした。
今回のイランのウラン濃縮技術公表に対するアメリカとイスラエルの反応を見て、日本でも世界でも人間はなかなか進歩しないものだなあ、実感した次第です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます