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気分が悪くなるという状態を経験したのはどれくらい前だっただろう。
悪酔いして吐くと脂汗が出て、世の中が歪んで回転状態になることがあったけれど、吐き気が起きそうで起きないから少し違う。
高熱を出した時のフワフワしたりフラフラしたりする感じはないから、それとも違う。
直腸及び前立腺になされた経験のない仕打ちを、全部ひり出してしまいたいという衝動が心底というより下半身の奥底から湧き上がっている感じ。
あんがい度胸が無いのだなと、自分にがっかりして、医師と看護師に対して恥ずかしいとも思った。
ようやく、パンツとズボンの着用を許されたが、起きるのもやっとの感じ。
看護師はチラチラと見るだけで、パンツをはかせてくれたりはしない。
モタモタと深呼吸しながら身づくろいしてから、別室に連れて行かれ、ベッドで休んでいるようにと指図される。
「オシッコがだいぶ溜まってるようだと先生が言ってましたが、オシッコに行きますか」
「オシッコは出血があるか調べるのでカップに採ってもらいます」
それから、部屋を出ると廊下の椅子に患者か付き添いか3人ほど座っていた。
外観ではわからないはずだけれど、自分が尻にパッドを当てていることを意識した。
処置室の専用トイレは1坪ほどもあって、あらゆる事態に備えた設備が施されているようだ。
看護師が採尿カップを持ちながら一緒に入ってきて最新式便座に手をかけ、「立ってしますか? 座ってしますか?」なんて聞くんである。
「立ってします」なんてプチ・プライドを私は示し、採尿カップを受け取り、若い看護婦が出て行った。