前立腺癌であることは確定したので、どういう治療をするか、経過を見るのか、何もしないのかの選択となる。
セカンド・オピニオンを求める必要もなさそうに思われたので、担当医師の勧めるままに、とりあえず転移がないかの検査となった。
すでにX線CT検査は受けているが、骨シンチグラフィー検査と合わせての判断をして、治療方針を決めるということになっている。
予約していた順番日がようやくきて、骨シンチグラフィーという核医学(RI)検査を受けた。
検査場所が最近移動したとか古い地図だったとかで、広い病院内を迷子になり、なかなかたどり着けなかった。
ここでいいのかと、X線の看板が垂れ下がっている受付に行ったら、『RIには積貞棟から行ってください』てなことで、ついに私は積貞棟に足を踏み入れた。
任天堂元社長の寄付でできたという癌診療治療病棟が積貞棟。
私は癌患者なので、通行手形を持っているような気分。
RIとはなんぞや。
吉本興業のピン芸コンクールではなく、明治乳業の乳酸菌飲料でもなく、R1(アールワン)ではなくRI(アールアイ)はラジオアイソトープを利用した映像技術検査。
微量の放射線とは言え、放射性元素入りの薬剤を静脈から注射され、私は全身被曝するのだ。
先のCT検査だってX線の被爆だったから、この先のことも考えると今年はかなりの放射線を浴びることになる。
つづく