網戸に阻まれて外に出られなくなっていた蜂。
尻だけがだいだい色で、見た目はミツバチの女王のような風情。
尻もくびれから全部だいだい色なのではなくて、一節だけは黒で二節目から色がついていて、とてもお洒落っぽい。
大事な連れ合いなり、家来なり、子どもたちなりが待っていそうで、観察もほどほどに網戸をずらして逃がしてやったのは、妄想の暴走結果。
全体に黒いけれど、腰にお尻模様の帯が入っている蜂がいた。
なぜか蜘蛛の巣に引っかかっては、器用にクモの糸の上を歩いて離れる。
わざと蜘蛛の巣に掛かって揺らし、蜘蛛をおびき寄せて、逆に捕らえて餌にするタイプの蜂ではないのか。
全くの見当違いかもしれないけれど、そんなことを思わせる黄色いビキニパンツ模様の蜂。
ゾウムシが死んでいると思ってつかんだら、いきなり尖った鼻を私の指に突き立ててきた。
刺すつもりだったのか、噛む寸前だったのか、そうされると痛いのか、振り払ったからわからない。
昔は米びつにコクゾウムシがたくさんいたものだった。
あのゾウムシよりは何倍も大きい。
こいつはゴマダラカミキリと一緒にヨーグルトのプラスチック空き箱に入れてある。
ゴマダラカミキリは二日ほどで死んだけれど、このゾウムシは動きが鈍いのに長生きしている。
ゴマダラカミキリは捕まえたら、キューキュー鳴くし、ゴソゴソ活発だけれど、その分短命。
それにひきかえ、ゾウムシは動きが鈍い代わりにいつまでも何も餌もやらないのに小さく動いて元気だ。
夜中にカサっと音がすると、何者か何物かと身構えるが、こいつが動いたり鼻を容器につきたてようとしていたりするだけ。
種類を必ず突き止めようというほどの情熱はわかないものの、何となく無視できずに気になる奴ら。