わが故郷での恒例の花火大会は絶好の天気となった。
台風影響の風の吹き具合がちょうどいい。
フェーン現象で気温は上がっているけれど、風がやや強く吹いているので、あまり暑さを感じない。
一番いいのは、煙がすぐに吹き払われて花火の全体が邪魔されない。
蚊がやってこないのは風で飛ばされるからだろうか、これがじつにいい。
いつものように私は一人で帰省しているから、だれかを誘ったりして花火見物をしたいところだけれど、皆さんはそれぞれの一族との団欒を楽しんでおいでだろうと思われるので、そこは空気を読む。
花火見学会場は1km先の母校グランドなので、上がる花火を見ながら徒歩で出発。
途中、見やすい位置に席を設けて一家団らんしつつ見学をしているお宅も多い。
規模で繁栄ぶりや衰退ぶりが反映されている。
年寄り独りで小さな椅子に腰を下ろして見上げているのは哀れを感じたりするけれど、この私も独りで徘徊している身の上。
ミニ折りたたみイスを持ち、少し遠回りでも花火を見上げ続けやすい道を選んでグランドに向かった。
途中でアナウンスが聞き取れるようになり、グランドに着いた時には100発を越えていた。
グランドは広いから、いい空き具合にバラけてそれぞれが思いおもいの姿や集まりで見学している。
だれか知り合いがいないかと探すこともせずに、イスを置いてスマホを構えた。
花火をスマホで撮るのは、なかなかに難しい。
シャッターを押してもすぐに写らなかったり、フラッシュが光ったり、タイミングが撮れなかったり・・。
ようやく解りかけたのは、画面を大きくして撮ったらフラッシュが光らないことや、花火が上がりきったと同時に闇雲に押しまくると良さそうということ。
全部で148発の小規模花火大会だったのだけれど、1発1発に提供紹介アナウンスがあり、同級生の運営する法人や馴染みの店の名が挙げられたりする。
第何回卒業生という紹介があると、歓声奇声が上がるのは、同窓会も兼ねて集まっている壮年世代グループ。
もう我らの年代になると、それらからも卒業。
終わりがけにようやく2枚だけ少しマシなのが撮れた。