ナガコガネグモの巣が、たぶん一夜で玄関内にできていた。
家屋内にこの手の蜘蛛が巣を張るのは珍しいと思われる。
図体が大きいし、巣だって大きいし、開け閉めしない側の障子横ではあるけれど触ってしまうこともある位置なので主糸(というのかな?)数本を切って破壊した。
その前に、中心部に予備のようなドーナツ状の細かい模様に網が張ってあって、撮ろうとしたがうまくいかなかった。
クモ自体は巣の端の網戸に居たのだけれど、私が巣を破壊してもピクリとも動かなかった。
昆虫が引っかかったような揺すり方をして、からかうことは今回はしなかった。
明くる日もなぜか同じ場所に同じ格好で居たので、周囲を指先で輪を描くようにしても動かない。
まるで結界を作られ身動きできなくされたように。
傷心という言葉が浮かぶけれど、そんな擬人的情緒とは無関係のはず。
8本足の前2対を1対に見える形に揃えている。
6本足ではないから昆虫ではないのだけれど、昆虫に擬態の姿なのだろうか・・まさかとは思うけれど。
2日目の朝には姿を消していた。
よく見るようでいて、地味なので名前を知らないがカゲロウに違いない。
陽炎(かげろう)と蜉蝣(かげろう)は両方相まっての儚さなのだろうか。
不完全変態の最終過程は交尾産卵の為だけなので、採餌の為の口はないはず。
撮ってからしばらくして画像を確認してみて、ちゃんとルーペで見たかったなと思う。
事を成し遂げた後か、未完の暫時休憩だったのか、顔相が『かげろう』なんてものじゃない。