首元両側からでているドレン・チューブは術後4日目と5日目に1本ずつ外してもらった。
思いつくままで順序がバラバラになってしまうけれど、術後最初の最悪の夜を経てから一番に気づいた後遺症は、首に力が入らないことだった。
頭を支えているのだから、誰にでも首の筋肉はそれなりに付いているはずで、普段は意識しない。
今回の術後は、起き上がる時に電動ベッドの背を30度くらい上げてからでないと首の傷が痛んだ。
しかも手を後頭部にあてがい、上半身の動きに合わせて手で頭を持ち上げてやらないといけない。
身体を持ち上げるときは、そうやれば良いし、少しひねり気味にしたら楽にできると分かった。
ところが、逆に上半身を倒して寝る時が困る。
ついつい何も意識せずに上半身を後ろに倒したら、頭の重さを支えきれなくて、ドスンと頭が落ちる。
ベッドでなかったら、エライことになる後頭部の強打だ。
傷口がつっぱるので、首が後ろにダランとなることはない。
背中を丸めて後ろに倒していっても、ある角度になると頭を支えきれなくて、上体ごとベッドに平らに倒れてしまう。
自分の身体が思うようにいかないというのは不思議な感覚だった。
明日で術後3週間となる今、ようやくにして、倒れる時には『イーッ』と声を出す形に口を横に広げ、首の両側の筋を浮かせて首を支えながら上体を倒すテクニックを身につけた。
何も思わなくても自然にできたことが、できなくなる不便さを手術の後遺症として知った。
体力低下はじわじわと分かってはいるけれど、こういうことで初めて、老化現象の不便さに気づくということが今後は多くなるのだろうと思われる。
健康優良お姉さんの『みんなの体操』は観るだけではなく、必ず実践しなくてはならない。