和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

衰老来りて且つさらず。

2017-02-25 | 詩歌
無常和讃「老いは仏の種」から引用。


 ・・・・・
 水に映せば影にして
 紅顔往きて還えらねば
 衰老来たりて且(かつ)さらず
 鏡をてらし眺むれば
 知らぬ翁の影なれや
 面にたたむなみの紋
 腰におびたるあづさ弓
 頭の雪や眉の霜
 四季の転変身に移り
 眼に春の霞たち
 耳には秋の蝉のこえ 
 ・・・・・
 行くもかえるも千鳥足
 鳩の杖にし助けられ
 老曽の森の老いぬれば
 若きはうときいつしかに
 兒(ちご)に帰りておのずから
 智恵の鏡もくもりつつ
 もとの姿もいづち行き
 盛りの色はうつろひて
 わずか梢に散りのこる
 花の嵐を待つ命
 ・・・・・


武石彰夫著「仏教讃歌集」(佼成出版社)の
p34~36から途中を引用しました。
この本の最後には
「さらにくわしく知りたい人のために」
という親切な文があり
参考文献を紹介しております。
その紹介されている一冊目は

「『日本歌謡集成』巻四(仏会歌謡篇)
昭和三年春秋社刊。高野辰之編。
昭和35年東京堂出版から再刊された。
和讃(古讃集・和讃雑収)・教化・訓伽陀・講式他を
集めた画期的な労作である。」

うん。「画期的な労作」
という言葉が気になるなあ。

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三日、四日と尾を引くものです。

2017-02-25 | 短文紹介
雑誌のWillとHanadaが昨日届く。
Willには、曽野綾子さんの連載エッセイ。
今回は「最期の一カ月――夫・三浦朱門の死」。

そのはじまりは、

「入学式とか、結婚とか、就職とか、
節目をうまく乗り越えた人に会うと、
世間は『うまくやったね』というような
感慨を漏らす。努力も必要だが、
人間その人の自力だけでは必ずしも
うまくいかないことが運命の上では
多々あるからである。
夫・三浦朱門の死を考えると、私は、
あの人は何とうまくこの死という
最後の難関を超えたのだろう、
と思わざるを得ない。・・・」

こうしてはじまる7頁。
読めてよかった。

気になったのは、
雑誌2誌ともに、稀勢の里について
取り上げていたこと。

千秋楽の稀勢の里と白鵬の一戦を
テレビに向って拍手していた私としては
気になるのでした。
Hanadaは
「両親が初めて語る稀勢の里『秘話』」

そのはじめの方に、
こんな箇所。

「『横綱になるといろいろあるけど、
三月場所に向けて稽古もしなくちゃいけない』
とも言っていました。
相撲は気を抜くと、
持ち直すのに時間がかかる。
一日気を抜いたものを一日で取り返せるわけではなく、
三日、四日と尾を引くものです。
もっと気を抜いてしまえば、
三月場所だけでなく今後の相撲にかかわってしまいます。
それに横綱同士の実力は紙一重。
本人がそれをきちんとわかっているので安心しました。」
(p309~310)
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