講談社学術文庫
古谷義徳著「徒然草読本」。
はじめに、
「本書は、昭和3年大同館書店から刊行された
『少年徒然草読本』を著作権者の了解を得て改題し、
現代仮名遣い及び一部の表記を改めました。・・」
とあります。
その「序に代えて」をひらく。
そのはじめの方にこうありました。
「もういい加減な年ごろにもなると、
何ということなしに、若い人たちに愛を感ずるようになってくる。
何だかこう、少青年に対して、親しく呼びかけたいような
気持になる。・・・」
うん。「もういい加減な年ごろ」に
なった私に欠けているのは、この
「親しく呼びかけたいような気持」かもしれません。
「何年かを親しみかわしたところの少年の方々も、
もうそろそろ青年期に入ろうとしているのである。
そしてまたあの・・・人生問題が容赦なく見舞おうとして
いるのである。それを思うと誠に感慨に堪えない。
そうした少青年たちが何か会合する折でもあると、
きっと、こうした問題で花が咲くに違いないのである。
すると、私は待っていましたと言わぬばかりに、
良書に親しむべきこと、古典を味わうべきことなどを
切にお奨めするとともに、まず、何よりも、
この『徒然草』を持ち出す・・・
なぜなら、この書は日本が生んだ唯一の思想書であり、
藝術書であり、そしてまた人生教科書とも見るべきものであると、
私は信じているのだから。」
はい。私はまだ
「序に代えて」の3頁しか読んでおりません。
これでもう満たされた満腹感(笑)。