池島信平氏の本を、本棚にさがすと、
「池島信平対談集 文学よもやま話」(上・下)が
ありました。うん。いまが読み頃(笑)。
池島信平氏は63歳で亡くなっておられます。
この早すぎる死去は、同時に追悼の言葉を
多くの方からいただけることにもなっておりました。
この対談集上下の構成は、池島氏との各対談の後ろに、
対談者が1頁の追悼文を寄せておられ、それが興味深い。
対談の時間と、亡くなった後の追悼の時間との重層感。
さてっと、まず対談からの引用。
「文学よもやま話」の下から。
池島】 このごろは、ものを考えたり判断するときに、
全部枝葉を切っちゃうようにしてるんです。
これが幹だというところだけしか見ない。
でないと神経衰弱になっちゃいますよ。
枝葉は、なるべく忘れようと。
・・・・・
考え出したらキリがないですね。
でも、余裕がなくっちゃうのは、いやだから・・・。
(p18)
池島】 菊池寛がいいだしたんです。
『人に頼まれて、ものを書くのはイヤだ。
いちいち反駁したりしなきゃならん。面倒くさい』
とね。それで、自分で雑誌を持った。
いいたいことを、気兼ねなしに書けますからね。
これが元です。
(p48)
池島】・・・マスコミというのはね。
そういうおかしなというか、常識外れみたいなのが
いないと、おもしろくならないですね。
書くほうにも、書かせるほうにも・・・。
・・・
それが紙面に出てくるんです。
『さあ、一冊にこれだけの栄養があるよ』。
そんなもんじゃない。おかしなものが香辛料になって、
全体にいい味の雑誌ができるんですよ。
全部がそれでも困るけどね。
『これもある。あれもある。栄養たっぷりだよ。
一冊二百円。安い』。雑誌はそういうもんじゃないんだな。
変な人間がちらちら隠顕するほうが、
まったりとしたいい味になります。
ぼくは、それが必要だと思う。
優等生ではできないんです。雑誌の編集は。
(p60)
はい。いままで本棚に眠っていたのが、
今は、読み頃をむかえておりました(笑)。
小説を読まない私ですが、
この対談は、小説家との対談なので、
うん。ゴシップ読みの楽しみでしょうか。
さらには、追悼文もある。
1ページの追悼文も各人いろいろですが、
ここには、野坂昭如氏の文から引用。
「・・・雑文を書きはじめたのっけに、
池島さんは、『おもしろいですね、愛読してますよ』と、
まったく面識のないこわっぱに声をかけて下さったのだ。
ひたすら怯え、五里霧中の感じだったから、
この一言はなによりの支えとなり、どころか、
うぬぼれのぼせさえした。
さりげない言葉の一つ一つが、その後のぼくの、
物書き稼業の上で、どれほどありがたかったことか
・・・いい気にさせれば、書く気も起こすと、
ぼくの体質を見通された上での、そのやさしい
甘やかしにのっていた自分が、なつかしいのだ。・・」
(p41)
「池島信平対談集 文学よもやま話」(上・下)が
ありました。うん。いまが読み頃(笑)。
池島信平氏は63歳で亡くなっておられます。
この早すぎる死去は、同時に追悼の言葉を
多くの方からいただけることにもなっておりました。
この対談集上下の構成は、池島氏との各対談の後ろに、
対談者が1頁の追悼文を寄せておられ、それが興味深い。
対談の時間と、亡くなった後の追悼の時間との重層感。
さてっと、まず対談からの引用。
「文学よもやま話」の下から。
池島】 このごろは、ものを考えたり判断するときに、
全部枝葉を切っちゃうようにしてるんです。
これが幹だというところだけしか見ない。
でないと神経衰弱になっちゃいますよ。
枝葉は、なるべく忘れようと。
・・・・・
考え出したらキリがないですね。
でも、余裕がなくっちゃうのは、いやだから・・・。
(p18)
池島】 菊池寛がいいだしたんです。
『人に頼まれて、ものを書くのはイヤだ。
いちいち反駁したりしなきゃならん。面倒くさい』
とね。それで、自分で雑誌を持った。
いいたいことを、気兼ねなしに書けますからね。
これが元です。
(p48)
池島】・・・マスコミというのはね。
そういうおかしなというか、常識外れみたいなのが
いないと、おもしろくならないですね。
書くほうにも、書かせるほうにも・・・。
・・・
それが紙面に出てくるんです。
『さあ、一冊にこれだけの栄養があるよ』。
そんなもんじゃない。おかしなものが香辛料になって、
全体にいい味の雑誌ができるんですよ。
全部がそれでも困るけどね。
『これもある。あれもある。栄養たっぷりだよ。
一冊二百円。安い』。雑誌はそういうもんじゃないんだな。
変な人間がちらちら隠顕するほうが、
まったりとしたいい味になります。
ぼくは、それが必要だと思う。
優等生ではできないんです。雑誌の編集は。
(p60)
はい。いままで本棚に眠っていたのが、
今は、読み頃をむかえておりました(笑)。
小説を読まない私ですが、
この対談は、小説家との対談なので、
うん。ゴシップ読みの楽しみでしょうか。
さらには、追悼文もある。
1ページの追悼文も各人いろいろですが、
ここには、野坂昭如氏の文から引用。
「・・・雑文を書きはじめたのっけに、
池島さんは、『おもしろいですね、愛読してますよ』と、
まったく面識のないこわっぱに声をかけて下さったのだ。
ひたすら怯え、五里霧中の感じだったから、
この一言はなによりの支えとなり、どころか、
うぬぼれのぼせさえした。
さりげない言葉の一つ一つが、その後のぼくの、
物書き稼業の上で、どれほどありがたかったことか
・・・いい気にさせれば、書く気も起こすと、
ぼくの体質を見通された上での、そのやさしい
甘やかしにのっていた自分が、なつかしいのだ。・・」
(p41)