今日、古本が届く。
百目鬼恭三郎著「奇談の時代」(朝日新聞社・1978年単行本)。
序文はというと、こんな箇所を引用。
「・・これが『今昔物語集』の世界なのであります。
正直いって、私がこういう世界を知ったのはごく最近で、
それまでは、『今昔物語集』というと、芥川龍之介の作品を
通して間接にしか知らなかったのですね。・・・・
数年前、偶然の機会に益田勝美氏の『説話文学と絵巻』を読んで、
この説話文学の世界が、芥川の描いたものとはまるでちがうことを
教えられてからであります。・・・
私は、近世の奇談集を軽んじるつもりはありません。殊に
根岸鎮衛(やすもり)の『耳袋』は私の好きな本であります。
私がはじめて『耳袋』を読んだのは、もう十四、五年も前で、
・・・たちまちその面白さにひきこまれて、寝るのも惜しい
気がしたことをおぼえています。私が奇談という領域に
興味をもちはじめたのは、これからといってもよろしいでしょう。
・・・偽りの話と思われても、面白ければそのまま記録しておく、
というところがいい。この時代になればもうよほど人は
科学的合理主義が身についています。だから、ここに
書きとめた話の大方は、鎮衛には信じられなかったにちがいない。
が、それをあえて書きとめておいたところに、
彼の怪異好きがよくあらわれていると思うのですね。・・・」
うん。これを機会に、
今年の夏は、今昔物語集と耳袋の世界が
眼前にひらけてゆきますようにと
『奇談の時代』を読み始めることに(笑)。
百目鬼恭三郎著「奇談の時代」(朝日新聞社・1978年単行本)。
序文はというと、こんな箇所を引用。
「・・これが『今昔物語集』の世界なのであります。
正直いって、私がこういう世界を知ったのはごく最近で、
それまでは、『今昔物語集』というと、芥川龍之介の作品を
通して間接にしか知らなかったのですね。・・・・
数年前、偶然の機会に益田勝美氏の『説話文学と絵巻』を読んで、
この説話文学の世界が、芥川の描いたものとはまるでちがうことを
教えられてからであります。・・・
私は、近世の奇談集を軽んじるつもりはありません。殊に
根岸鎮衛(やすもり)の『耳袋』は私の好きな本であります。
私がはじめて『耳袋』を読んだのは、もう十四、五年も前で、
・・・たちまちその面白さにひきこまれて、寝るのも惜しい
気がしたことをおぼえています。私が奇談という領域に
興味をもちはじめたのは、これからといってもよろしいでしょう。
・・・偽りの話と思われても、面白ければそのまま記録しておく、
というところがいい。この時代になればもうよほど人は
科学的合理主義が身についています。だから、ここに
書きとめた話の大方は、鎮衛には信じられなかったにちがいない。
が、それをあえて書きとめておいたところに、
彼の怪異好きがよくあらわれていると思うのですね。・・・」
うん。これを機会に、
今年の夏は、今昔物語集と耳袋の世界が
眼前にひらけてゆきますようにと
『奇談の時代』を読み始めることに(笑)。