和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

作文は、養います。

2019-02-15 | 短文紹介
文藝春秋1993年4月号。
そこに、「第二回『文の甲子園』決定発表」。
小さくこうあります。
「1992年度全国高等学校作文選手権」。

はい。真ん中はスルーさせていただきます(笑)。

司馬遼太郎さんの「候補作を読んで」を引用。
「レベルが高い」と題しております。
うん。ここでは司馬さんの選評全文を引用しておきます。



「事務局の下選りのすえに残された七十篇ばかりを、
楽しく読みました。いったん採点して、
もう一度読みなおし、採点の修正をしました。
委員会に出ますと、一点ずつについて
精密な議論がおこなわれて、これなら落ちた作品も
十分にむくわれたのではないかとおもいました。

平均して前回よりもレベルが高いような印象をうけました。
それだけに優劣がつけがたく、委員たちは、
紙一重の優れた面を見いだすべく、
ときに大声をあげたりしました。

作文は、思考力、構成力、それに表現力を養います。
選者として思わぬめっけものは、
それにユーモアが加わっている場合でした。
県別でいうと青森県の作品に多く、
このことは太宰治を生んだ津軽の風土と
無縁ではないとおもったりしました。

魅力ある言語をもつということは、
個人にとっても、その個人が属する文明にとっても、
最初の条件であり、最後の条件でもあります。

次回は、未参加の高校も奮って参加されることをのぞみます。
まさか『作文など大学受験に関係がない』といって
無視されているわけではないでしょうが、
もしそうならせっかくの青春が、
殺風景すぎるようにおもいます。」


以上が、司馬遼太郎さんの選評全文。

はい。私はあらためて読めてよかった(笑)。
コメント
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