和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

良薬・勝友。

2019-02-21 | 古典
ボーッとして過ごしてきて、
やっと仏教へ関心がむきました。


ボーッとした年月が、教えてくれる
そんな年齢というものがあるなら、
年をとることも、まんざら捨てたものじゃない。


はじめて、道元に関心をもったのは、
思い出せます。

新聞の、たしか夕刊コラムでした。
阿部謹也の「私の五点」に、それはありました。
『正法眼蔵随聞記』をとりあげておられました。
その短文のはじまりは、
「江戸時代以前の書物の中で私が大学生の頃に
よんで大きな希望を抱かせてくれたのがこの書物である。」
ちなみに、短文のおわりは
「優れた古典とは若い者に希望を抱かせるものなのである。」


まあ、その時は、
そのまま、読み過ごしておりました。
うん、気にはなってはいたのでした。

阿部謹也氏が紹介していたのは、岩波文庫。
これじゃ歯が立たない。
ちくま学芸文庫に、
水野弥穂子訳「正法眼蔵随聞記」が、
あることを知ったときには、すぐ買いました。
わからないなりに、断片が魅力でした。

50代を過ぎてから、
親の代わりに、法事へ出ることがありました。
たいてい、お寺での法事でした。
読経がおわってから、廊下へと出て、
その広間に、膳が並べられる間、
手持無沙汰ながら、庭をのぞいたり、
廊下の貼り紙に目を通したりしてました。

たまたま、曹洞宗のお寺でした。
そういえば、親戚には曹洞宗がおりました。

そうそう、貼り紙には、
こうありました。

布施 ほどこし
持戒 心身を爽やかに保つ
忍辱 堪える
精進 不断の努力
禅定 心身の調和
智慧 正しい判断

はい。持戒が、
「心身を爽やかに保つ」とあったのです。
気になって、メモして持っておりました(笑)。

そういえば、曹洞宗は道元でした。

私は、本を買うのは好きですが、
本は、読まないタイプです(笑)。

この頃も本を読んではいないなあ。

本を読まないのですが、それでも、
言葉は、読みたいのですね。

たまたま、そう思った時に、
最近は、読経用の経典である修証義を
パラパラとひらいております。

「人身得ること難し、・・
今我等宿善の助くるに依りて
すでに受け難き人身を受けたる・・
最勝の善身をいたずらにして
露命を無常の風にまかすることなかれ。
無常たのみがたし、知らず露命いかなる
道の草にか落ちん、
身すでに私にあらず、
命は光陰に移されて
しばらくもとどめがたし、
紅顔いずくえか去りにし、・・・」

うん。まあ、何となく、
こんな修証義の箇所を、
パラパラと読んでます。

今朝も起きる前に、布団のなかで、
パラパラと、めくっておりました。

そうそう。「良薬・勝友」はですね。

「法は良薬なるが故に帰依す、
 僧は勝友なるが故に帰依す、」


これも、修証義にあります。
求めるに足る、良薬と勝友。
それを目覚めると思います。
コメント
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