産経新聞12月24日(日曜日)をひらく、
読書欄の「花田紀凱の週刊誌ウォッチング」を見ると、
「 いちばん驚いたのは、ついに雑誌の王者
『文芸春秋』が20万部を切ったこと。16万5794部。
今も平台に山積みにしている書店が多いが、
実売率は50%を切っているのではないか。残念だ。」
ちなみに、週刊誌の『AERA』は、3万4570。
来期から、公表をやめてしまいかねない部数。
「 今期も雑誌のなかで、最大部数は50代以上女性向け
の実用誌『ハルメク』で、46万4717。 」
読書欄は、「令和5年私の3冊」という特集。
取りあえず、気になる2冊に線をひいてみる。
追記。きさらさんからコメントを頂いたので、
今日のブログの追加文を以下に。
『週刊朝日』は、もう朝日新聞で廃刊にしちゃったようですが、
『週刊朝日』といえば、私には編集長だった扇谷正造の名が思い浮かびます。
はい。浮かぶだけじゃしかたないので、
本からの紹介。昭和22年7月であったと扇谷さんは回想しております。
「ある日、私は、・・2人に呼ばれた。
広いガランとした部屋には3人しかいなかった。
2人は、何とかして『週刊朝日』を強い雑誌にしてほしいという。
『・・・今や3万5000部。どうか30万部にして下さい。・・ 』」
「・・・ある日、私は大阪へ出かけた。
販売店の人たちに集まってもらい、いったい、
どういう雑誌をつくればいいか、ご意見をきくことになった。
たしか北尾さんといった。大阪での有力販売店主の方である。
『 扇谷さん、あなた、人を訪問される時、どこからお入りになりますか 』
ときく。『 ええ、玄関からです 』
『 そうですか。私たちは勝手口から入ります。
そこで、新聞代金をいただく。・・パッとお金を払ってくださる。
それに『週刊朝日』が20円ありますが・・・、といいかけると、
パチンとひらいて、しばらく考えてから払ってくださる。
その時間は3分か4分かも知れない。けれども、
私たちには20分にも30分にも感じられる。
どうか、扇谷さん、『週刊朝日』を
パチン、パッという雑誌にしてください。 』
・・・・ さて、どうつくればいいか。
このことばをめぐって、ずいぶん、私は考えた。
・・・・そのころから漠然とだが、
≪ 平均的読者像 ≫ということを考えた。
それは
『 旧制女学校卒の読解力プラス人生経験10年 』ということで、
私の『週刊朝日』の時代は、一貫して編集の骨子をそこにおいた。・・」
( p246~255 扇谷正造著「夜郎自大」TBSブリタニカ・1982年 )
はい。
「 今期も雑誌のなかで、最大部数は
50代以上女性向けの実用誌『ハルメク』で、46万4717。 」
この言葉から、私に思い浮かんできたのが、扇谷正造さんでした。
扇谷さんの「 旧制女学校卒の読解力プラス人生経験10年 」を
ハルメクさんは「 50代以上女性向けの実用誌 」としたとしたら
現代的年齢判断で、これはこれで何とも分かりやすいと思いました。