和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

充実した時間だった。

2018-03-09 | 詩歌
足立巻一著「評伝竹中郁」(理論社)に

「昭和43年12月に第八詩集『そのほか』を出したとき、
その書名の意味を問うと、
戦後の自分の仕事の本領は子どもの詩の育成にあり、
詩も『そのほか』の副業だからだ、と答えた。
また、56年死の一年前に書かれた『自伝』もこう結ばれている。


『・・・・・・自分自らの詩作品を書いてゆけることも倖せの
一つにはちがいないが、日本のあちこちから集まってくる子どもの声、
清らかに澄んで沁み入るような詩の数々を毎日読み
且つ出していく仕事は、他の何にも増して充実した時間だった』

このように、自分の詩作品を書くことよりも
子どもの詩を読み選ぶことに幸福を感じたというほど、
戦後の竹中は子どもの詩に没入し充足していた。

わたしは竹中に触れる機会が多くなるにつれ、
そういう無私の美しさに次第に惹かれていった。
人も詩も、それまで出会った人たちのなかでは
最も美しいものに思えた。・・・・」
(p20~21)

うん。
この機会に関連本を購入しようと思ったのですが、
「きりんの本」は古本でも高値なので購入を断念。
それではと、手に入る古本を注文し、それが届く。

竹中郁「子どもの言いぶん」(PHP)
竹中郁・採集「子供は見ている」(東都書房)
足立巻一著「詩のアルバム きりんの仲間17年」(理論社)
坂本遼「こどもの綴方・詩」(創元社)
「坂本遼作品集」(駒込書房)


はい。自分の手の届く範囲に本が揃いました。
さて、『他の何にも増して充実した時間だった』とは、
どのようなものだったのか。
はたして、それはこの数冊で読みとれるものなのか。

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